
M&A Onlineが大量保有データベースで2025年1月の大量保有報告書などの提出状況を調べたところ、ウェブ広告の配信サービスなどを手がけるフリークアウト・ホールディングスが、子会社でYouTuber事務所大手のUUUMの株式を2度買い増し(47.32%)、保有割合を99.4%に高めたことが分かった。
経営を一体化し、協業体制の構築や、意思決定の迅速化などを進め、インフルエンサー領域や エンターテインメント領域のさらなる成長を目指すのが狙いで、UUUMは2025年2月17日に上場廃止となる見込み。
出資や業務提携などに向け
フリークアウトは2023年に、人気YouTuberのHIKAKIN(ヒカキン)氏ら多くのYouTuberとマネジメント契約を結んでいたUUUMをTOB(株式公開買い付け)で子会社化し、シナジーの創出に取り組んできた。
今後さらにインフルエンサーマーケティング事業を成長させるには、同領域に強みを持つ企業への出資や、業務提携などが必要と判断し、迅速な意思決定が可能になる非公開化を決めた。
他方、バーチャル(仮想の)YouTuberであるVTuberのグループを運営するANYCOLORについては、三井住友トラスト・アセットマネジメントが同社の株式5.16%を新規保有したほか、同業のカバーについても、モルガン・スタンレーMUFG証券が5.3%を、米国の投資顧問会社の12・ウエスト・キャピタル・マネジメント・エルピーが5.09%を新規保有した。
英国社が筑豊ラーメンのワイエスフード株を取得
このほか1月は、英国の金融会社キャンター フィッツジェラルド ヨーロッパが、筑豊ラーメン「山小屋」を展開するワイエスフードの株式の19.89%を新規保有したあと、1.43%売却し保有割合を18.46%とした。
ワイエスフードは2025年4月に、米国とメキシコでラーメン中心のレストランチェーンを展開するTajima Holdings(カリフォルニア州)を子会社化し、海外展開に乗り出す。
キャンター フィッツジェラルド ヨーロッパは、ワイエスフードとの間で、同社保有株式を海外の機関投資家に売却することで合意しているという。
また旧村上ファンド系の南青山不動産が、三井住友建設の株式1.01%を買い増し、保有割合を25.95%に高めた。南青山不動産が三井住友建設の株式を買い増すのは6カ月連続となる。
イタリアンレストラン「サイゼリヤ」の創業者で同社代表取締役会長の正垣泰彦氏は、サイゼリヤ株の保有割合を1.01%引き下げ、27.17%とした。
2025年1月の大量保有報告などの提出件数は941件で、このうち保有割合を増やしたのは295件、新規保有は159件、保有割合を減らしたのは430件、契約の変更などは57件だった。
文:M&A Online記者 松本亮一
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