
1.鍋島化け猫騒動
佐賀藩の藩主鍋島光茂は、碁の相手をしていた家臣を理不尽に斬殺してしまいます。これを知った家臣の母は自害してしまいました。家臣の母の光茂への恨みが飼い猫に乗り移り、光茂を祟るようになります。
この怪談は、佐賀藩のお家騒動の悲劇が脚色された物語です。作り話ですが、化け猫の話は人々に恐怖心を抱かせ、化け猫の無念の思いを鎮めたいという思いから、実際に化け猫を供養する祠が建てられました。白石町の秀林寺にある「猫塚」が特に有名です。化け猫は怖いですが、物語の背景や、猫の気持ちを思うと切ない気持ちにもなってしまいますね。
2.猫又

年齢を重ねた猫が化けた妖怪が猫又だと言われています。鎌倉時代の書物にも猫又が登場しているそうです。猫又の特徴は「2つに分かれたしっぽ」です。呪いをかける、人を食い殺す、人の言葉を理解できるといった能力があるとされています。富山県には、黒部の山に猫又が棲み着き、人を襲っていたという猫又伝説があり、猫又がいた山は「猫又山」と呼ばれるようになったそうです。
猫又は踊りが好きで、手ぬぐいをかぶって仲間と踊るシーンが民話にあります。
3.猫魈(ねこしょう)

霊力と知識を持った、化け猫や猫又などの妖怪を従えたボスのような妖怪です。猫又はしっぽが2本ですが、猫魈のしっぽは3本に分かれています。
化け猫には10年ほど生きた猫、猫又は20年以上長生きした猫がなると言われていますが、猫魈になるのは30年以上生きた猫だという話もあります。
猫魈は人を惑わすだけでなく、大規模な怪異を引き起こす妖力があると考えられています。しかし、猫魈になるほど長生きする猫が少ないためか、猫魈にまつわるエピソードはほとんどないそうです。怪異を引き起こされるのは怖いですが、愛猫には猫魈になれるように長生きしてもらいたいですよね。
4.金華猫(きんかびょう)

中国に伝わる猫の妖怪です。人に飼われて3年たった猫が、毎晩月に向かって座り、月の精気を吸い取って金華猫になると考えられています。金華猫は人間に化けて人々を惑わし、精気を吸い取るそうです。愛猫が月を眺めていたらドキッとしてしまいますね。
まとめ

猫にまつわる化け物、妖怪のお話をご紹介しました。実際に供養されたり、山の名前の由来になっていたりするものもあります。