
現代の日本において、風景画の可能性を拡張している画家のひとりである小西真奈の美術館における初の大規模な個展『小西真奈 Wherever』が、12月14日(土)から2025年2月24日(月・祝)まで、東京の府中市美術館で開催される。
1968年に東京都で生まれた小西真奈は、1993年からアメリカの美術大学に留学。

《Untitled》 2023年 作家蔵
2010年代に兆しが見えた小西の作風の変化は、2020年代初頭のコロナ禍の時期に決定的なものになる。隔離生活を余儀なくされたこの時期、都内の自宅から歩いて行ける都立公園や付属の温室、あるいは近所を流れる小川を訪れて風景を描くようになると、対象との距離が縮まった。筆運びは即興的でおおらかになり、色は感覚的に選ばれるようになった。こうして生み出されたのが、観る者の緊張を解くような、軽やかさとやさしさを魅力とする作品群だった。
今回の個展では、VOCA賞の受賞作である《キンカザン1》と《キンカザン2》の2点をはじめ、2000年代に評価を決定づけた大画面の代表作を精選して展示するとともに、近作と新作を多数紹介する。近作や新作は主に自宅近くで描かれた風景画で、半分以上が初公開。油彩画が約80点、鉛筆・水彩画が約20点、総数約100点を予定する大個展となる。

《キンカザン2》 2005年 第一生命保険株式会社蔵
小西の絵画は写真にも似て、観る者の記憶に語りかけてくる。
<開催概要>
『小西真奈 Wherever』
会期:2024年12月14日(土)~2025年2月24日(月・祝)
会場:府中市美術館 2階企画展示室
時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜(1月13日、2月24日は開館)、12月29日(日)~1月3日(金)、1月14日(火)
料金:一般800円、大高400円、中小200円
公式サイト:
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/(https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/tenrankai/kikakuten/Konishi_mana.html)