豆原一成 & 池﨑理人が思う男のロマン「仲間と夢を叶えていくことはロマンだと思う」
左から)豆原一成、池﨑理人 (撮影/梁瀬玉実)

伝説の不良漫画『BADBOYS』(田中宏・少年画報社 ヤングキングコミックス刊)が⻄川達郎監督により実写映画化。弱小チーム「極楽蝶」が“族”の戦国時代でテッペンを狙うべく、“最強”の称号と伝説の単車を目指した、まっすぐな男たちの青春劇を描いている。



本作で主人公の桐木司を演じるのは、豆原一成(JO1)。裕福な家の一人息子だった司が、やがて「極楽蝶」のトップとなり、テッペンを目指すようになるストーリーだが、豆原は初めての映画主演作とあってその意気込みが映画からもほとばしっている。そんな司を支える「極楽蝶メンバー」の川中陽二役は、本作が映画出演で演技も初めてという、INIの池﨑理人。一見怖そうだが情に厚い陽二を堂々と演じている。

JO1とINIとして音楽活動でも交流のある豆原と池﨑は、どのように本作に挑んだのか。映画のことから、男のロマンの話まで、仲の良いふたりに語ってもらった。



映画の主演は初めてですごく嬉しかった

豆原一成 & 池﨑理人が思う男のロマン「仲間と夢を叶えていくことはロマンだと思う」

――豆原さんは映画初主演となる桐木司役、池﨑さんは司を支える川中陽二役のオファーがきた際のお気持ちから教えてください。



豆原 これまでにも演技のお仕事をやらせていただいたことはあったのですが、映画の主演は初めてだったので、すごく嬉しかったです。それにこの『BADBOYS』という誰もが知っている不良漫画の実写化ということでさらに喜びました。



池﨑 僕は演技の経験がほとんどないのですが、今回、素晴らしい役をいただいたので、最初は少し不安もありました。この役が務まるかな? とも思いましたが、経験がないからこそやってみたいという好奇心もあったので、飛び込んでみました。



――おふたりのアクションシーンもかっこよかったですが、役作りのために事前に準備したことはありましたか。



豆原 役作りのためにアクション練習を何回かさせていただいて、トレーニングを頑張りました。

パンチ映りがいいようにかなり筋トレをしたり、アクションシーンのある映像をすごく観たり。いかに不良っぽく殴れるかを研究しました。



池﨑 僕もすごく好きなマーベル作品のアクションシーンをいろいろと観たんですが、全然参考にならなかったです(笑)。(マーベル作品で)一番好きなシーンがナイフを持って戦うシーンだったのですが、今回の作品では一度もナイフの出番はなかったんですよね。ですが、毎回、気持ちだけは燃やしてアクションに挑みました。



豆原一成 & 池﨑理人が思う男のロマン「仲間と夢を叶えていくことはロマンだと思う」

――豆原さんは司と、池﨑さんは陽二と、ご自身が似ていないところ、似ているところはありますか?



豆原 まず似ていないのは、司がすべてにおいてダイレクトに物事を受け止めながら生きていくところです。どちらかというと僕は物事を引いて見る部分があるので、何事にも一直線の司は、僕とは違うところかなと。ただ、「やってやるぞ」とか「誰かのために」とか、そういう強い気持ちを持つところは似ていますし、司はかっこいいなと思いますね。



池﨑 陽二はオラオラしていて、けっこうチャラくて、女グセが悪いので、僕とは全然似ていないですね。似ているのは、友情を大切にしているところです。陽二は仲間が大好きなんですが、僕もINIのメンバーのことが大好きなので、その部分は同じですね。



豆原一成 & 池﨑理人が思う男のロマン「仲間と夢を叶えていくことはロマンだと思う」

足りないものがこの映画に全部詰まっている

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――友情や仲間への誇りといった、熱いパワーを感じさせる原作の要素を大切にしながら、本作が作られたように思います。本作での “不良ヒーロー”を現代っ子のおふたりはどう演じられましたか?



豆原 シンプルに楽しいよね?



池﨑 うん! 族っていうのに入ってみたくなるくらいでしたよ、ダメですけど(笑)。

たとえばバイクでどれだけ早く走れるのか、どれだけ喧嘩が強くて、勢力があるのかということにロマンを感じるという役だったんですが、仲間意識が芽生える結束感のようなものは、令和にはあまりないのかなと思って。



豆原 ない気がするね。



池﨑 作品で描いている族というものが、もちろんスポーツの団体などとは全く違いますし、自分たちが常に大切に意識し合っているからこその仲間という、現代ではなかなかない形だからかっこいいなとも思いました。



豆原 日常ではなかなか触れることがない世界観だからこそ、仲間を守るため、青春をかけてというようなキャッチーフレーズが映えると言いますか。気恥ずかしいような言葉も、言ってみるとよりかっこよく聞こえるんですよね。今の若い世代の方たちにとってもあまり馴染みのない魅力が、この映画にはたくさん詰まっているように感じています。



豆原一成 & 池﨑理人が思う男のロマン「仲間と夢を叶えていくことはロマンだと思う」

――そんな熱気を帯びた映画はキラキラする青春劇でもありますが、ご自身の演じた役について、より見てほしいポイントといえばどんなところになりますか?



池﨑 陽二は面倒見がいい兄貴で、最初は司がおぼっちゃんだから「極楽蝶」に入れてしまうところがあるんですが、それでも司のことを認めていって、自分も刺激を受けていくんです。あいつのために頑張ろう、というような人としてまっすぐで優しい男というところがポイントだと思うので、そこはご覧になっていただくみなさんにも伝わるかなと。あとは男同士の確執で巻き起こる出来事があるのですが、熱い男の友情を一番見てほしいです



豆原 本当にそうですね。とにかく“仲間”が最高の映画になっているので、そこがこの作品のいいところです。僕はそのなかでも司のかわいい部分がポイントかなと。多分(自分自身も)ずっとかわいい雰囲気なので(微笑)、司役としてはそれも見てほしいですね。



池﨑 ギャップ萌えだね?



豆原 そう(笑)!



出来上がった作品を観たら、かっこよく映してくださって驚いた

豆原一成 & 池﨑理人が思う男のロマン「仲間と夢を叶えていくことはロマンだと思う」

――ところで豆原さんは、今回が初主演となりますが、座長としていつもと違うモードが入ったところはあったんですか?



豆原 ありました。でも、そこは慣れるのにすごく苦労して。僕はあまり人を引っ張っていって、行くぞ! というタイプではなく、しかも映画は初めてお会いする人たちもいるなかで撮っていくとなったときに、なかなか声を上げるのが恥ずかしくてどうしようかなと。でも「極楽蝶」の4 人はもちろん、「陴威窠斗(BEAST)」や「廣島Night’s」のメンバーと、カメラが回っていないときもよく会話することを意識していました。たわいもない話をして、僕という存在が話しやすい人なんだなと思ってもらえるように、いろんな人に話しかけていましたね。



――ではもし座長でなければ、大勢の中にいても、いつもは違う感じなのですか?



豆原 そうですね。グループでいるときもだいたい後ろで見ていることが多いんです。JO1のメンバーは個性が強いので、「俺が! 俺が!」という人がいっぱいいるので(笑)、その様子を後ろから見ているのがいつものポジション。そのみんながいなくて自分が座長だとなったときには、やっぱり意識的に動けないといけないだろうと。でも慣れないことなので、大変でした。



池﨑 座長っていう言葉を僕は最近知ったんですよ。主演の人が演技の現場では盛り上げていくというような文化があるのかな?



豆原 座長の人が醸し出す雰囲気が、現場を染めるような印象もある。



池﨑 なるほど! 今回、どちらかといえばまめちゃん色というよりも、作中のいろんな族がいるそのままの現場に感じたところもあったよ。

「極楽蝶」は個性がある人だらけみたいな。まめちゃんは優しくて、僕は演技の先輩としてアドバイスをいただいたりしていました。



豆原一成 & 池﨑理人が思う男のロマン「仲間と夢を叶えていくことはロマンだと思う」

――今回、不良役でしたが、当初は不良役ができるかという印象だったか、逆にこの機会にやってやるぜという心意気だったか、どちらでしたか。



豆原 やってやるぜ! という気持ちでした。不良役をいつか演じてみたいと思っていたので、ベストタイミングでお話をいただいたなと。今回、殴られるシーンがあって、ボコボコにするよりも、されることを楽しんでいましたね。



池﨑 僕は、不良役なんてできるかな? と思いました。伝説の不良漫画が映画になって、アクションシーンもあって、そのなかで戦えるかな、と。不良になるために、家で「うるせえっ!」と悪態をついてみたことも(笑)。なんとか演じていって、出来上がった作品を観たら、意外といかつくて、かっこよく映していただけていたのは驚きでした。



「極楽蝶」の4人は男子高校生みたいなテンション

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――池﨑さんは、司を影ながら支える陽二のように、ご自身が支えていきたい存在はありますか?



池﨑 支えたいのは、やっぱりINIですね。リーダーの次ぐらいに影で支えられる存在になったらいいなと思っていて。でもグループを支えるまでいかなくても、リーダーぐらいは支えたい。

自分の居場所ですし、今の自分が生まれるきっかけになった場所でもあるので、ずっとお世話になりつつ支えていきたいですね。



――豆原さんは、伝説の不良・村越に憧れて、お坊ちゃんから「極楽蝶」のトップとなる司のように、憧れて追いかけて超えたい存在は?



豆原 BTSのジョングクさんに憧れています。これを言うといろんな人に笑われるかもしれないですが、いつか同じステージに立ってコラボしたい。それは、JO1としてトップまで近づけているときに叶うのかなと思っています。だからこそ、トップの人たちが活躍しているところまで追いついて、JO1もそういう場所でパフォーマンスしたい気持ちがあります。今はジョングクさんが憧れですが、いつか追い越したいし、追い越されるような存在になれるように頑張りたいです。



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――現場ではおふたりと中村寿雄役の山中柔太朗さん、岩見エイジ役の井上想良さん含めた「極楽蝶」の4人ではどんなふうに過ごしていましたか。



池﨑 ずっと控室で一緒だったよね?



豆原 本当にずっとしゃべってた。



池﨑 そう。男子高校生みたいなテンションで、みんなでコンビニに行ったり。



豆原 もはや撮影でそのモードを切り替えるのが難しかった。話しているなかで急に撮影となって役に入ったり。



池﨑 うん、でもそれができるからね、まめちゃんは。僕は友達気分でこのまま演じたいと思っていたけど、いざ撮影になると、みんなもうキリッとしているから、合わせないとって。



豆原 でも、前のシーンとのつながりを忘れて、これどうやって演じてたっけ? となったこともあったよ。本当に普通に友達同士が集まったような現場の雰囲気でした。



池﨑 そういえば想良くんは、僕たちのオーディション番組をから観てくれていて、さらに誰がどうと評価までしてくれていて。
それにSEASON2も観てくれてね。



豆原 優しいよねえ。



今回の共演はとてもいい機会だった

豆原一成 & 池﨑理人が思う男のロマン「仲間と夢を叶えていくことはロマンだと思う」

――司は由本久美(井頭愛海)との恋模様も描かれていますが、不良の恋に憧れは?



豆原 不良の恋はあまりイメージできないところはありましたね。でも、女の子はやんちゃな男の子を好きになる時期があるじゃないですか? だから、僕自身はやんちゃではなく、真面目に生きているほうがかっこいいと思うタイプだったので、学生の頃はどこに女の子が惹かれているのかなあと感じた時期はありました。でも今回、司を演じてみると、かっこいいところがあるんだなと。……逆の立場で考えてみると、普通の男の子が不良の女の子と付き合うこともあるのかな?



池﨑 あるかもしれないね。でも、めちゃくちゃ怖いかもしれない(苦笑)。



――役のうえでは陽二が司を支える関係性でしたが、実際のおふたりの関係は。



池﨑 けっこう友達っぽいよね?



豆原 うん、あまり支えるとかは意識してないかな。



池﨑 この前、JO1さんの東京ドーム公演に行かせてもらって、挨拶もさせて頂いたのですが、いつもまめちゃんは安心する存在です。僕らのグループが所属しているLAPONEを支えてくれている兄貴分グループというのもあって、頼もしさしかない。パフォーマンスの面でも尊敬できるところばかりなんですよね。



豆原一成 & 池﨑理人が思う男のロマン「仲間と夢を叶えていくことはロマンだと思う」

豆原 嬉しいですね(微笑)。理人と仲良くなれて、それだけで僕は嬉しいです。映画の前はそこまで距離は近くなくて。



池﨑 今思い出すのはLAPONEの公式YouTubeチャンネルで会ったことがあって。



豆原 僕が気まずかったとき……(笑)。INIだとメンバーの松田迅と僕は同じ22歳で、あとは全員先輩なんですよ。だから気まずい立ち位置だったんですけど、理人とは仲良くなったんです。



池﨑 あのとき、豆ちゃんに「でかい」って言われた記憶しかない(笑)。



豆原 頑張って何か話しかけようと思って、出た言葉が「なんかでかいね」という(笑)。



池﨑 はははは。だから僕も「靴が分厚いんですよ~」と返して。



豆原 それくらいの会話しかしてなかったですから(苦笑)。でも今年に入ってから、理人の家で一緒にご飯を食べました。そこからプライベートではまだ会えていないですが、映画の取材でこうやって会う機会が多いから、会えていない感じはないんです。



池﨑 うん。今回の共演はとてもいい機会でした!



グループの活動にはロマンがある

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――本作の主題歌はJO1の「Be brave!」ですが、メンバーの河野純喜さんと金城碧海さんが作詞を手がけた新曲ですね。



豆原 そうなんです。原作を読んだり、僕にも話を聞いてくれたりしながら、映画と同じくレトロな雰囲気も取り入れてくれた楽曲です。サウンドはJ– POP寄りのバンドっぽさがあって、この情熱的な世界観を取り入れてメンバーのふたりが歌詞を書いてくれているので、その気持ちが歌詞に全部入っています。



――主題歌も含めて、男のロマンが満載の本作ですが、おふたりともにグループ活動で最近感じたロマンはありますか?



池﨑 グループのロマンといえば、同じ仲間で、同じひとつの目標に向かっていくっていうのは、ロマンですよね。昨年、INIは年始にミリオンセールを出したいという目標をメンバーで掲げていたのですが、それを実際に叶えて達成できたんです。でもその直前にすごく悔しいこともたくさんあったので、そのぶん、達成できた喜びが倍増しました。



豆原 やっぱりロマンはめっちゃありますよね。仲間11人で夢を叶えていくようなことって、この20代前半でなかなか経験できることではないです。INIもそうですが、JO1もいろいろなところに行かせていただいて、多くのステージに出していただいて、さまざまな経験さをせてもらっていることが、すごくロマンだなって。最近だと、メンバーそれぞれが頑張ってきたからこそできた東京ドーム公演を終えた達成感は、本当に青春だなと思いました。



――お話を聞いていると、グループで団結して頑張るおふたりにぴったりの作品でもありますね。今回の役を通して、新たな発見や気づきを得たことはありましたか?



豆原 僕はこの作品でアクションシーンをたくさん経験して、もっとアクションをやってみたいと感じましたし、役者という職業も面白いなとあらためて実感しました。今後はまたアクションシーンのある作品で演技をする機会があるといいなと気づきましたね。



池﨑 今回初めて演技をやらせていただいて、INIに必要な要素だと感じました。僕らは世界観が強い楽曲を発表したり個性のあるミュージックビデオを撮ったりするので、イメージシーンがこれまで難しかったんですよね。でも、この演技の経験によって今までより深く表現できる気がしますし、最初は不安だったけれどやり遂げられたことから、音楽活動でもより自分を信じて活動できるという発見がありました。



――では最後に、映画をご覧になるみなさんにメッセージをお願いします。



池﨑 男の友情が存分に描かれている映画になっています。クライマックスのシーンの熱い展開も見どころになっているので、最後までぜひ楽しんでいただければと思います。



豆原 初めて主演させていただいた作品をスクリーンで観たとき、本当に感動したので、その感動をみなさんと分かち合いたい気持ちもあるんです。ぜひ映画館に足を運んでいただけたら嬉しいです。



豆原一成 & 池﨑理人が思う男のロマン「仲間と夢を叶えていくことはロマンだと思う」

豆原一成 & 池﨑理人が思う男のロマン「仲間と夢を叶えていくことはロマンだと思う」

『BADBOYS-THE MOVIE-』



5月30日(金)全国公開



豆原一成 & 池﨑理人が思う男のロマン「仲間と夢を叶えていくことはロマンだと思う」

豆原一成(JO1)
池﨑理人(INI) 山中柔太朗 井上想良
井頭愛海 岩永丞威
大下ヒロト 山谷花純
兵頭功海 ⻘柳翔

監督:西川達郎
脚本:峰尾賢人 西川達郎
原作:田中宏「BADBOYS」(少年画報社 ヤングキングコミックス刊)
制作プロダクション:AOI Pro.
配給:東映
©田中宏・少年画報社/映画「BADBOYS」製作委員会




撮影/梁瀬玉実、取材・文/かわむらあみり
ヘアメイク/(豆原さん)河本茜、(池﨑さん)●●●●
スタイリスト/(豆原さん)岡本健太郎、(池﨑さん)山田 莉樹

衣装協力(池﨑さん)
トップス ¥37,400(ダイリク/ダイリク)
パンツ ¥55,000(ダイリク/ダイリク)
シューズ ¥83,600(アデュー/バウインク)

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