中堅若手が新作で鎬を削り、柳亭市馬の『花見の仇討』がトリ『第718回 紀伊國屋寄席』
『第718回 紀伊國屋寄席』ビジュアル

映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。



【水先案内人 長井好弘のおススメ】



1964年から続くホール落語会の老舗が、いい番組を出してきた。

今回は演者も演目も文句なしだ。



前半は、独特の落語世界を描く瀧川鯉八が練りに練った『長崎』に、桂米福が大師匠・五代目古今亭今輔の十八番に挑む『ラーメン屋』と気鋭の中堅若手による新作が鎬を削る。



後半は一転、珠玉の古典の競演だ。江戸前の艶っぽさを身に纏った古今亭文菊の『包丁』に続き、昨年落語協会会長を勇退して以来、重責から解放されて溌剌とした高座を見せる柳亭市馬が季節の逸品『花見の仇討』でトリを取る。



かつては五代目柳家小さんという不動のレギュラーが君臨していたが、今は毎回違ったメンバーで番組を組む。「ホール落語は盛りを過ぎた」という声も聞かれるが、こういう〝大当たり〟があるから隅に置けないのだ。



<公演情報>
第718回 紀伊國屋寄席



4月28日(月) 東京・紀伊國屋ホール
開場 18:00 / 開演 18:30



【出演】
入船亭扇兆 『やかん』
瀧川鯉八  『長崎』
桂米福   『ラーメン屋』
古今亭文菊 『包丁』
柳亭市馬  『花見の仇討』



【チケット】
全席指定:3,500円(税込)



公式サイト:
https://store.kinokuniya.co.jp/event/1738893684/

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