
グレン・グールドの新旧ふたつの歴史的録音によって、一躍J.S.バッハ屈指の人気曲となった『ゴルトベルク変奏曲』。
アリアと30の変奏曲から成り立つこの作品が出版されたのは1741年9月。
本来はチェンバロのために書かれた作品ながら、グールド盤の登場以降ピアノで演奏されることが圧倒的に多くなったほか、金管五重奏や弦楽アンサンブルなどにも編曲されて演奏される超人気曲となったことも、グールドの影響なしには考えられないこの人気曲に挑むのが、新進気鋭の弦楽三重奏団「Trio Rizzle(トリオ・リズル)」となればこれは気になる。
桐朋学園大学の同級生である毛利文香(ヴァイオリン)、田原綾子(ヴィオラ)、笹沼樹(チェロ)によるこの弦楽三重奏団は、2020年8月のトッパンホール「ランチタイムコンサート」を経て、トリオとしての継続的な活動を見据え、21年6月10日の同ホール主催公演を機に「Trio Rizzle(トリオ・リズル)」と名付けられた気鋭のアンサンブルだ。
「Trio Rizzle」とは、シンプルな正方形の紙を丁寧に折り重ねることで、予測もつかない造形を生み出す日本の「折り紙」に想を得て、三人が織りなす音楽が鶴のように雄大に世界へはばたくことを願い、「トリオ」と「オリヅル」を組み合わせたものだとか。
今回のコンサートにおいて、『ゴルトベルク変奏曲』にカップリングされた作品が、シェーンベルクの弦楽三重奏曲であることからも、彼らの並々ならぬ意欲が感じられる。春の息吹に乞うご期待!
Trio Rizzle Vol.4
■チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2429497(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2429497&afid=P66)
3月10日(月) 19:00開演
トッパンホール
シェーンベルク:弦楽三重奏曲 Op.45
J.S.バッハ:
ゴルトベルク変奏曲 BWV988
(D.シトコヴェツキ編 弦楽三重奏版に基づくTrio Rizzleバージョン)