ロームシアター京都でまもなく開幕 日・韓・香の錚々たる出演者が繰り広げる市原佐都子/Q『キティ』
市原佐都子/Q『キティ』チラシ

京都・ロームシアター京都が展開する「レパートリーの創造」シリーズ、その第八弾として、市原佐都子/Q『キティ』が上演される。国内外から熱い視線を集める劇作家・演出家、市原の最新作で、日本・韓国・香港のキャストと気鋭のアーティストで繰り広げる野心あふれる作品と期待を集めている。



ロームシアター京都でまもなく開幕 日・韓・香の錚々たる出演者が繰り広げる市原佐都子/Q『キティ』

市原佐都子 (c) Bea Borgers

2017年度にスタートしたロームシアター京都の「レパートリー」は、劇場のレパートリー演目として時代を超えて末永く上演されることを念頭に、公立劇場が主体的に作品製作に取り組む事業であり、作品創造のプロセスを通じて、俳優、ドラマトゥルク、制作者等の専門家人材の育成や観客育成のための関連プログラムも企画される。これまでに木ノ下歌舞伎をはじめ、松田正隆、高谷史郎(ダムタイプ)の新作や、振付家、ジゼル・ヴェエンヌとエティエンヌ・ビドー=レイの初期代表作の再創造など、多彩なアーティストたちのクリエーションを実現させてきた。



市原佐都⼦/Qの本シリーズ登場は、2022年上演の『妖精の問題 デラックス』以来二度目。人間の行動や身体にまつわる生理、その違和感を独自のアナロジーと身体感覚でとらえた劇作、演出を行う市原は、2011年に「Q」を始動、2019年に初演した『バッコスの信女 ─ ホルスタインの雌』で第64回岸田國士戯曲賞を受賞、2021年のノイマルクト劇場(チューリヒ)と共同制作した『Madama Butterfly』、2023年の世界演劇祭(ドイツ)初演の『弱法師』は、世界各地で上演され高い評価を得た。『マミトの天使』(2019年、早川書房)はじめ、小説でも現代社会への批評眼を発揮、その才能に、熱い視線が集まっている。2021年には城崎国際アートセンターの芸術監督に就任、いまもっとも注目されるアーティストのひとりだ。



ロームシアター京都でまもなく開幕 日・韓・香の錚々たる出演者が繰り広げる市原佐都子/Q『キティ』

『妖精の問題 デラックス』(2011)より(撮影:中谷利明)

“宇宙規模”の新作というこの作品の主人公は、「ねこ」。家父長制や資本主義大量生産・消費システムのひずみから生じる不条理や滑稽、欲望のグローバルな均一化を痛烈なQ(クエスチョン)に昇華して突きつける。



ロームシアター京都でまもなく開幕 日・韓・香の錚々たる出演者が繰り広げる市原佐都子/Q『キティ』

城崎国際アートセンターでのクリエーション成果発表時の様子。(c)bozzo 提供:城崎国際アートセンター(豊岡市)

出演者として名を連ねるのは、日・韓・香の錚々たるメンバーたち。ソン・スヨンは韓国演劇シーンにおける新進の俳優・クリエイター、青年団の永山由里恵は、数多くの市原作品に出演し市原の信頼を得る俳優のひとり、バーディ・ウォン・チンヤンは香港のカンパニー「Artocrite Theater」の芸術監督、花本ゆかは京都を拠点に幅広い活躍を続けるダンサー。永山、スヨン、バーディーは、市原が劇作家として参加した韓国・香港・日本共同制作『私とセーラームーンの地下鉄旅行』(2018年/韓国ソウル・南山アートセンター)以来、約6年ぶりの共演となる。



ロームシアター京都でまもなく開幕 日・韓・香の錚々たる出演者が繰り広げる市原佐都子/Q『キティ』

城崎国際アートセンターでのクリエーション成果発表時の様子。(c)bozzo 提供:城崎国際アートセンター(豊岡市)

また、音と音楽の境界に注目し、幅広い創作活動を続ける音楽家でサウンドアーティストの荒木優光、『妖精の問題 デラックス』でのユーモアあふれる衣裳を手がけ、舞台芸術団体「お寿司」でのユニークな活動で知られる南野詩恵ら、京都を拠点に活躍するふたりの気鋭のアーティストとのコラボレーションも注目される。



公演は2月17日(月) から24日(月・休)、ロームシアター京都 ノースホールにて。上演言語は日本語、韓国語、広東語で、他言語使用時における英語、日本語の字幕を用意。鑑賞するたびに深みある体験をと、リピート券も販売される。



<あらすじ>“ねこ”は、パパとママとペットと暮らしている。パパはお肉が大好きだけど、ママも”ねこ”も食べたくない。ある日、ママと“ねこ”が特別な肉料理をつくってパパにプレゼントすると──




<公演情報>
ロームシアター京都<レパートリーの創造>
市原佐都子/Q『キティ』



作・演出:市原佐都子(Q)
出演:ソン・スヨン、永山由里恵(青年団)、バーディ・ウォン・チンヤン(Artocrite Theater)、花本ゆか(はなもとゆか×マツキモエ)
音楽・サウンドデザイン:荒木優光
衣裳:南野詩恵(お寿司)
舞台美術:中村友美
照明:⿂森理恵
映像:小西小多郎
ドラマトゥルク:熊倉敬聡
宣伝美術:ササキエイコ

2025年2月17日(月) ~24日(月・休)
会場:京都・ロームシアター京都 ノースホール



チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2557062(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2557062&afid=P66)



公式サイト:
https://rohmtheatrekyoto.jp/event/119939/

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