
上野を舞台に2024年3月15日(金)から開催される「東京・春・音楽祭 2024」概要発表が30日に行なわれた。
桜咲く春の上野を舞台にした国内最大級のクラシック音楽の祭典として2005年にスタートした音楽祭も来年の開催でちょうど20周年を迎えることになり、メインビジュアルのデザインも一新。
20周年ということで各プログラムもスケールアップ。これまでオペラ公演(演奏会形式)は2作が基本だったが、来年は倍となる4演目が上演される。音楽祭の“顔”とも言える「ワーグナー・シリーズ」では念願の「トリスタンとイゾルデ」がマレク・ヤノフスキ指揮/NHK交響楽団により行われ、ついに主要オペラ10演目がコンプリートされる。
「プッチーニ・シリーズ」ではピエール・ジョルジョ・モランディ指揮/東京交響楽団で「ラ・ボエーム」が、さらに巨匠リッカルド・ムーティを迎えた東京春祭オーケストラによる「アイーダ」、そして2005年の第1回でも取り上げられたシュトラウスの「エレクトラ」がセバスティアン・ヴァイグレ指揮/読売日本交響楽団により上演される。
20周年記念公演としては、ヤノフスキ×N響によるワーグナー「ニーベルングの指環」ガラ・コンサートが開催。さらに東京春祭としては11年ぶりとなるバレエ公演も開催され、上野水香を迎え「東京バレエ団 上野水香オン・ステージ」としてラヴェルの「ボレロ」をはじめとする演目が上演される。
他にも国内外の一流アーティストによる演奏会が目白押し! オーストリアの至宝と称されるピアニストのルドルフ・ブッフビンタ―を迎えてのベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏(全7回)に、生誕150年を迎えるシェーンベルクの特集公演ではディオティマ弦楽四重奏団の安達真理らの競演、さらに20世紀を代表する音楽家のひとりであり、東京春祭ともゆかりの深いピエール・ブーレーズ(2016年逝去)が創設した「アンサンブル・アンテルコンタンポラン」が東京春祭に初めて出演する。
開園150周年を迎えた上野恩賜公園内に点在する美術館や博物館の展示室などで行われるミュージアム・コンサート、子どもがクラシックに触れ合う貴重な機会となる「東京春祭 for Kids」などの東京春祭ならではの個性豊かな人気企画も充実。
これまでの20年の確かな積み重ねを踏まえつつ、新たな未来へと踏み出す多彩なラインナップとなっている。
「東京・春・音楽祭 2024」は2024年3月15日(金)から4月21日(日)まで開催。
取材・文・写真:黒豆直樹