
人の心にそっと寄り添う、優しさが感じられる。それがGENERATIONSの小森隼プロデュース曲『MY GENERATION』の印象だ。心を悩ますような上手くいかないことや満たされないことがあっても、それを受け入れ、自分を大きく見せようとしない人だ。インタビュー中も「自己肯定感が低い」と自己を分析。飾らずに自分の弱いところを打ち明けられる強さがあるからこそ、小森隼は愛されるのかもしれない。
もっとたくさんの方にGENERATIONSを知ってもらいたい

――小森さんプロデュース曲「MY GENERATION」は爽やかで初夏にぴったりな楽曲に仕上がっていますが、この曲が誕生したいきさつかららお願いします。
この「PRODUCE 6IX COLORS」というプロジェクトは、メンバーそれぞれがGENERATIONSの楽曲を作るという企画です。ものすごく悩んで、色々なパターンを模索する中、テーマをふたつに絞りました。長いキャリアの中で、音楽フェスやロックフェスにたくさん出させていただく機会が増えてきて。僕らのようダンス&ボーイズグループのファンでない方々にも少しずつ受け入れていただけるようになってきた感覚があるんですよね。これを機にもっとたくさんの方にGENERATIONSを知ってもらいたいという気持ちがあったので、バンドの方にお願いしたいというのはひとつのテーマでした。
――ふたつめのテーマは?
もうひとつのテーマは、誰かの背中を押す、勇気や元気を届けられる前向きな音楽を作りたいということ。そのふたつのテーマを取り入れてひとつの形にしようと思った時に大好きなASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文さんにお願いするしかないと思いました。僕の音楽のバックボーンを知っている人たちからは、今回の企画を発表してゴッチさんにプロデュースしていただけると報告した瞬間にファンの方が「おめでとう。夢が叶って良かったね」って喜んでくれましたね。

――ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文さんとは、小森さんのラジオ番組がきっかけで繋がりができたそうですね。
そうなんです。なぜ後藤さんにお願いしたいのか、楽曲のテーマや企画を直接、リモートでお話してお伝えしました。めちゃくちゃ、ドキドキしましたね(笑)。ゴッチさんの曲は、僕が10代の頃に出会って、ずっとエネルギーもらってきて。あの頃すごく悩んでいた自分、そして、今に至るまで有余曲折あった自分はずっと悩んだり、もがいたりしてきたけど、やり続けたら夢は叶うんだよっていうことを歌いたいという想いを語りました。ゴッチさんがその思いをキャッチしてくれて、実現した形になります。
――熱いアプローチが伝わったんですね。ロックサウンドとダンスミュージックが融合した楽曲ですが、サウンド面のこだわりが知りたいです。
今回のテーマは、踊れるロック。なので、バンドサウンドとダンスミュージックの中間地点を取りたいとお願いしました。1番のこだわりは、リズム隊だったり、ベースだったり、ドラムだったり、シンセだったり。音ハメの音は打ち込みなんですが、ギターに関しては、ゴッチさんと喜多さん(喜多 建介)が生でレコーディングして下さったギターの音なんです。おかげでギターの音色の温かみが感じられる曲になりました。完成した曲を聴いて、パフォーマンスが思い浮かびましたね。
――この曲はどんなパフォーマンスになりそうですか。
ギターの生の音がインパクトあるロックサウンドなのにパフォーマンスがついているっていう違和感が、すごく面白くて。パフォーマンス自体も、今回振り付けをお願いした方には、わざとギターの音はとらずに共存するようなものにしてもらいました。この曲調ならではのパフォーマンスに注目していただけたら!
自分たちの音楽に救われながら、いろんなことを乗り越えてきた

――「MY GENERATION」のリリックビデオはどんなものになりましたか。
1人の少女がこの「MY GENERATION」っていう曲を聞いて、心の内から出てくる感情を表現するリリックビデオになっていて。フィクションとノンフィクションをちょっと融合させた感じになっています。1人の少女を主人公にしようって思ったのは、この曲のデモが上がってきた時に思いつまきしたけど、じつはオマージュなんですよ。昔、アジカンさんの楽曲で、1人の少女がずっと走り続けてるだけのミュージックビデオがあるんですけど、そのオマージュ。その曲も、誰かの背中を押すような楽曲だったので、リンクしていて。僕が10代の時に見てたものを、僕が30になる年にオマージュして繋がるイメージです。2000年代初期って、こういうテイストのミュージックビデオはたくさんあったんですよね。大人世代は懐かしく、初めて見る10代の子たちには、色々なものをキャッチしてもらえたらいいですよね。
――歌詞は決まるまでに紆余曲折ありましたか?
先にゴッチさんに歌詞でこういうメッセージを伝えたいと全部お話したこともあって、一発で今の完成形の歌詞が上がってきて。僕がこの曲で伝えたかった思いを全部汲み取ってもらえたものになりました。
――上手くいかないことがあってもそれを乗り越えて歩もうとする歌詞は誰もが共感できるものでメッセージがストレートに伝わってきます。小森さんの実体験がもとになっていますか?
僕の人生は、音楽に助けてもらってきた人生で。EXILEに出会って、ダンスを始めて夢を見つけて。学生時代、僕がすごく悩んだ時期も音楽にすごく力をもらってきたなぁと。今も自分たちの音楽に救われながら、いろんなことを乗り越えてきましたね。

――自分なりの壁を乗り越える秘訣は?
何かあっても解決しようと悪あがきしないこと。解決させようとすると、無理やりなことになっちゃうじゃないですか。無理やりポジティブになろうとするのって、力を加えている状態だと思うんですよ。こういうことが起きたってことは、こうなのかなと反省して考えて、結果を出そうとするのって、自分を苦しめちゃうことになると思う。なので、僕の場合は挫折感を感じたら、すごく時間をかけて、そのことと向き合うことが、困難を乗り越えるのに必要だと思っています。
――長いスパンで物事を見ると時間が解決してくれることもありそうですね。すぐに白か黒か答えを出そうとしがちなので、目からウロコです(笑)。
だから、10年前に抱えた問題を未だに抱え続けているみたいなことは、僕の場合、あるんですけどね(笑)。心の中にずっと引っ掛かっているけど、解決しようとしてない。確かに自分の中で白黒つけようとしないのは大切かもしれません。
――小森さんがずっと助けられてきたというASIAN KUNG-FU GENERATIONさんの楽曲との出会いは?
「マーチングバンド」(2011年リリース)が僕とアジカンの出会い。僕が高1から2年になるタイミングでGENERATIONSのメンバーになり、全日制から通信制に編入するか迷った時期なんですよね。学校生活をとるか、ダンスをとるか、そんな分岐点の時に出会った曲で、この曲を聴いて、「自分の突き進みたい方に行こう」と思えた。未来に向けてすごく悩んで選択した時だったので、本当に大事な曲です。歌詞の受け取り方は人それぞれですけど、僕はこの曲を聴いて、きっと時を経て、また今の自分に巡り会えるから、今は夢に突き進もうと思ったんです。
毎日ゲッターズ飯田さんの本を読んでいます

――小森さんのプロフィールには、趣味のところに占い(ゲッターズ飯田さんの書籍を読む)とありますが、悩みごとを占いで解決することはないんですか?
占い好きですね。本当にたま~に街角に座っている「絶対、この人占いできないだろうな」みたいなおじいちゃんに占いをしてもらおうかなって思う時がありますもん(笑)。基本的には毎日ゲッターズ飯田さんの本を読んでいます。デイリー占いみたいな。ラッキーカラーとかも気になるし、ラッキーグッズとかも好きですよ。昔は、時計のベルトをその年の自分のラッキーカラーにしていましたからね。しかも、わざわざ時計屋さんに行って、革ベルトをオーダーメイドで作ってもらったものを身に付けていました。「これをしておけば大丈夫、ラッキー」っていうものにすがりたいなっていう気持ちがどこかにあるのかも(笑)。

――信心深い一面があるんですね。
神社参拝も好きですよ。僕、三重県出身なので、伊勢神宮は子供の頃から行っていましたし。そういう環境で育ったせいか、年始はもちろん、大きな仕事が決まったりすると、必ずお伊勢さんにご挨拶に行くようにしています。
――新曲がリリースする頃は初夏ですが、今年の夏はどんな夏になりそうか気になります!
1月に新曲をリリースして、2月からスタートしたメンバープロデュースプロジェクトは6ヶ月連続なので、7ヶ月連続で僕ら楽曲を出させていただいて。6月にはトークライブ「小森隼の小盛りのハナシ」がありますし、初めてのエッセイ本『「大丈夫」を君に届けたい』の発売もあります。そして、ツアーも控えているので、この夏は遊んでいる余裕がないそうですね(笑)。家にいる時間が少なそうだな。でも、自分は一回スイッチを切っちゃうと波に乗るのがしんどいので、ずっと忙しく走り続けているほうがいいタイプかも(笑)。
自分にハマる人を見極めるのが大事なのかなと思います

――エッセイを出されるのは初めてですよね。誕生日の日に写真付きエッセイ発売されますが、どんな一冊になりましたか。
30歳の節目を前に今の自分の想いを自分の言葉で詰め込んだ一冊を出します。30歳まで生きてきた自分を見つめて、現在地を書いたものになります。自分との向き合い方とか、アイデンティティとか。人との関わり方、夢への向き合い方、挫折と成功など、いろいろなテーマで綴っています。今まで自分はこういうことを経験してきたから、今こんな風に思っているみたいなことを書いたので、今の僕を知ってもらえるエッセイになったと思います。この本も『MY GENERATION』とリンクしていて、今モヤモヤしている人やちょっと立ち止まっているすべての人に読んで欲しいです。
――人との関わり方も綴られているとのことですが、人付き合いで心掛けてることは?
大事にしているのは、この人は信用できるなっていう人がいたら、ちゃんと信頼すること。自分にとっては、マネージャーさんもそうです。すべての人を信用して付き合っていこうって感じではなく、合う、合わないとか、自分にハマる人を見極めるのも大事なのかなと思いますね。

――書く作業を通して、自分を見つめ直して、自分の生き方って間違ってなかったなとか、色々感じることはありそうですね。
ありましたね。自分と向き合ういい機会になりました。初めての本でもあるので、完成して感動しちゃって…。やっと予約が開始されて、昨日の深夜に自分でAmazonで予約しましたもん(笑)。Amazonのページ見たら、小森隼って名前で書籍が買えるようなっていて。今まで漫画とか買ってきた画面に自分のエッセイが出ていることが嬉しくて、自分で購入しました(笑)。でも、ちょっと早くも後悔していますね。文章はあれで良かったのかなとか、もうちょっと上手いこと書けたんじゃないかなとか、もっとこういうテーマで書いてもよかったかなとか、後からいろいろ思うことがありまして(笑)。今回は第一弾。人生で初めてのことですからね。本を出している世の中の人たちって、こんな気持ちで発売までいるんだなってちょっと分かりました。発売する直前の今は、ワクワクドキドキ、新鮮な気持ちですが、もしこのエッセイが好評だったら、また執筆活動もやっていく可能性もあります。
――エッセイで描かれるメッセージと新曲「MY GENERATION」は、共通するメッセージがありそうですね。
そうですね。10代、20代、30代、40代、どの世代も戦っているじゃないですか。10代の時は漠然とした夢や未来と戦っていて、20代では現実と理想のギャップと戦って。30代では自分のキャリアや責任とかと戦っていくみたいな。どの世代でも絶対に戦っている人がいて。戦う中で心折れる瞬間もあるし、下を向いてしまう瞬間もあると思うんです。そういう人たちにこそ新曲は聴いてもらいたい曲になったと思います。
――小森さんは心が折れた時も、早く元気に回復しようとしないですか?
僕、結構そのままかもしれない。心が折れたことを考え続けるというより、スケジュールをパンパン詰めて、仕事に集中します。悩みごともそうなんですけど、昔から解決しようっていう思考回路にならなくて。これは勝手な僕の考えですけど、解決できる人って自分に自信がある人なんですよね。僕は自己肯定感が高くないから、自分の考えに自信がなくて。結論を出さないです。でも、何かチャレンジする時は、理想に近づくために何ができるか考えますよ。理想に近づけずに心が折れることはもちろんありますけど、その心の痛みは必ず自分の糧になると信じています。

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