
5月23日(金) に公開されるアニメ映画『怪盗クイーンの優雅な休暇』より、監督とプロデューサーのコメントが公開された。
本作は、はやみねかおる・K2商会(講談社 青い鳥文庫)による人気冒険小説『怪盗クイーン』シリーズ(累計発行部数130万部突破)を原作とする劇場アニメ第2作。
狙った獲物は必ず盗む。正体不明、性別不明、年齢不詳。しかも変装の達人で、信念を貫く優雅な怪盗クイーン。世界を股にかけて活躍するこの謎めいた存在を主人公に、子どもから大人までを夢中にさせてきた。本作の舞台は、カリブ海を航行する豪華客船・ロイヤルサッチモ号。クイーンのもとに届いたのは、かつて因縁を持つ相手からの挑戦状。罠だと知りながらも、クイーンは「優雅な休暇」として受けて立つところから物語が始まる。
本作では、“アンジェリク”という未亡人に変装したクイーン。映像的に美しく見えるキャラクターながらも、やはりクイーン本来の姿を観たいという気持ちに応えるため、イメージ空間やバトルシーンではあえて変装を解く工夫を凝らしたと語るのは、池田重隆監督。そして、はやみね作品特有のドキドキワクワク感をどう映像化するか。山本京佳プロデューサーは、「名前の通り“豪華な”客船をどう作るか、監督はじめスタッフ全員が試行錯誤していた」と振り返る。
監督もまた、舞台となる船内の空間演出において「観客が“迷子”にならないように、場所を共通認識させる定番カットを随所に挟んだ」と語る。戦闘シーンでは、敵キャラクター・初楼たちとのバトルが5戦用意されており、それぞれ異なるスタイルで演出。空中戦、カードゲーム風、そして閉鎖空間でのバトルと、90分という上映時間を飽きさせない仕掛けが満載となっている。
一方で、重厚な原作をどう1本にまとめるかは大きな課題だった。山本プロデューサーは、「イルマ、初楼、探偵卿と新キャラも多く、下手をすると話が散漫になるリスクがあった」と語る。物語の軸をぶらさず、キャラクター誰ひとり取りこぼすことなく組み立てることを意識し、全員で丁寧に調整を重ねたという。また、前作では“誰がクイーンか”を推理する仕掛けがあったが、今作では最初から正体が明かされているため、視点の違いも楽しめる構成となっている。

その中で監督が意識したのは、作品の終わり方にも“遊び心”を仕込むこと。90分の長編のなかで、4分を占めるエンドロールには「最初から何か楽しい仕掛けを入れたいと決めていた」と語る。また、クイーンらしさを保ちつつ、今回はその内面にも踏み込んだ。
監督は「今回登場したイルマやジオット、冥美たちも再登場する予定。とくに王女となったイルマにはもう一度会いたい。怪盗クイーンの世界を劇場で体感できる奇跡を、観てくれた人と分かち合いたい」と続編への意欲も覗かせた。山本プロデューサーも「クイーンたちとの船旅は、優雅で楽しくて、素敵な思い出になるはず。旅を終えたような気持ちで映画を思い出しながら、良い夢を見てもらえたら」と楽しみに待つファンに向け、メッセージを寄せた。
併せて、アンジェリク姿のクイーンと、クイーンになりすましたイルマ姫の“変装×変装”による新カットも公開。観客を煙に巻きながらも、その芯には美しさと知性を感じさせる、まさに怪盗の美学が表れた印象的な2枚となっている。
<作品情報>
『怪盗クイーンの優雅な休暇』
5月23日(金) 公開
公式サイト:
https://miragequeen.jp/
(C)はやみねかおる・K2商会・講談社/「怪盗クイーン」製作委員会