

二次予選にり上がり笑顔で記者対応する荒井崇博
【競輪ビッグレース連載「九州王国再興へ」】
荒井崇博(47)=長崎・82期・S1=は初戦の2日目7Rで惜しくも4着。絶体絶命の展開から猛然と追い込んだが、一次予選は3着までの勝ち上がりのため〝万事休す〟のはずだった。
だがその後の特選10Rで和田真久留が失格。4着から1人繰り上がることとなり、その中で選考順位が最上位だった荒井が繰り上がった。
荒井は最終レース終了後、満点の笑顔を見せながら報道陣の前に現れた。日ごろの徳の積み重ねだとおだてられると、「そんなんじゃない。徳を前借りしただけ」とおどけて見せた。「今後徳を積む。そうせんと死んでしまう」と、本人もこの奇跡を驚いた様子だ。
初日の開会式では25回連続出場の表彰を受けた。スランプに陥った時期もあったが、毎年コンスタントに走り続けていないとこの年数は出続けられない。
だが荒井が本当に欲しいのは長い活躍ではなく、初のGⅠタイトル。二次予選に進んだ山崎賢人と井上昌己とともに3日目の出走はなく、4日目にトリオでの出走となるかも。この強運を同県の仲間とともにつなげていく。
二次予選に進出した九州勢のうち、4日目の出走はその長崎トリオだけ。3日目は7Rに瓜生崇智、8Rに嘉永泰斗―山田庸平、9Rに伊藤旭―山田英明が出走する。7個レース組まれた二次予選は2着までと3着4人が準決進出。狭き門に計8人が挑む。

初日の開会式で25回連続出場の表彰を受けた荒井崇博(右)。左は20回連続出場の東口善朋