
準優は2着に敗れたが機力には手応え十分の柏野幸二
絶体絶命のピンチを乗り切った。準優10Rでインコースに陣取った柏野幸二(56)=岡山・65期=は、5カドからまくり差した島川光男の後塵(こうじん)を拝して2着。
ただ、柏野は意に介していない。悔しい敗戦なのは間違いないが、「あの進入は読めなかったね。島川さんにカドを引かれるのが一番怖かった。でも、これが本物の〝競艇〟の面白さ。だから仕方ない」と競技の醍醐味(だいごみ)を力説。「最後は逆になるかもしれないからね」と最終決戦でのリベンジを誓った。
もちろん、リベンジをもくろむだけのパワーは十分。「今節は最初からペラを叩いていい調整ができている。チルトは1でも0でも合わせられているし、足自体はいい感じになっている」。今節はペラ調整に取り組む姿勢を変えたが、それは後輩の姿勢に刺激を受けたから。「(藤原)啓史朗とか6枠ではチルト1でペラを叩いて、その後すぐの1枠では0でまたしっかり叩き直している。
20以上も年の離れた後輩からでも学ぶ姿勢を忘れない。勝利への飽くなき執念が、年齢を重ねてもA級でいられる原動力になっている。優勝戦もこのまま終わるつもりは毛頭ない。「福岡はまだ優勝したことがないので優勝したいと思っている。前(2023年12月)に優勝戦の1号艇で負けたけど、それだけ1号艇以外でチャンスがあるレース場と思って今度は勝ちに行きたい」。当地の優出は今度で16回目。若い時からの悲願を達成すべく、全身全霊を懸けて勝負に出る。(森 大輔)