
1月12日よりテレビアニメ化される話題の『スナックバス江』(TOKYO MX 25:05~)で主人公にしてチーママの明美を演じた声優・高橋李依。スナックが舞台ということでお酒にまつわる話を聞いたところ、高橋の飲み会愛が爆発した。
「私、何でも飲んじゃうんですよ」
――スナックといえば、お酒を飲みながら悩み相談をしたりします。高橋さん自身もお酒好きとのことですが、そういう場で悩み相談はしますか。
高橋(以下同) お酒を飲むと悩みを話すことが多いですかね。毎回悩みを話す側ってわけでもないんですけど、考えを整理するのはお酒と一緒なことが多いかも。
――髙橋さん自身は後輩の悩みは聞くほうですか。
頼ってもらえることもあるのですが、先輩然とした私が良いなら、ランチのほうがオススメです。飲みの場になっちゃうと、結論が混沌としちゃうから。私が理性的に回答しているとなるとランチです。

ヒロイン明美を演じる声優・高橋李依
――飲みの場だと混沌?
ぐちぐちしちゃうなあと(笑)。もちろん一緒にいる相手で変わってくるとは思うんですけど、どうしたら良くなるかなっていうことを愚痴りたくなってしまう。
「あれがすごく嫌だった、辛い」じゃなくて、「この仕事がこうだったんだけど、もっとこうしたらよかったのかな?」みたいな、明日への活力になるお酒の飲み方をしたい。でも、あくまで希望です。ちゃんと理性を保てているかわかんないんですけど(笑)。
――理性を保てる?? そんなに飲むんですか。
(笑)。理性がなくなるまで飲むとかはだいぶなくなったと思います。知らない間に家に着いていたことも数回だけかな……。誰かに迷惑をかけてたらそれは反省すべきなんですけど、幸い友達に恵まれて無事に家にも帰れたから、記憶が無くなる飲み方もたまにはいいのかなっていう気持ちも2割ぐらいはあります(笑)。ほんと、それだけ飲めたら幸せなんですけど。
でも、記憶をなくすのってもったいないなとも思ったんです。そのときの楽しかった会話が自分の中からなくなっちゃうなんて。なので最近はちゃんとチェイサーも用意しています。

――本当にお酒が好きなんですね。
私、何でも飲んじゃうんですよ。ビールからのハイボール、ハイボール、ハイボール、ハイボールで、そこからワインに行く人や日本酒に行く人がいたらそれを一緒に飲む、みたいな感じで。
飲みながら泣いた夜
――本当に好きなのが伝わってきます(笑)。時間的にはどのくらい飲むのですか。
仕事終わりなので、20時スタートとか。そこから日付を超えるくらいなので、3~4時間ですね。
お気づきかもしれないんですけど、私って会話の速度が少し速くって。4時間しかないからいっぱい喋りたい!みたいな(笑)。早く喋らないと飲みが終わっちゃうというのは、私も友達も共通の認識で、3~4時間にしては濃密だと思います。

――飲むタイミングはやはりアフレコ終わりとかですか。
そうですね。飲める方がいらっしゃったり、頭の整理をしたかったり、あと作品の中で飲むシーンなんかがあったりすると、絶対飲みたい(笑)。
この間は「バス江」の共演者やスタッフさんみんなで、仕事終わりにバーベキューをしました。 いいお酒を持ち寄ったり、すごくいいお肉を取り寄せてくれたり。
――タツ兄役の落合さんはどんな感じの方ですか。
本当に朗らかな方で、タツ兄さながらです。多分今作だと落合さんが一番アドリブに挑戦しているんじゃないかな(笑)。
タツ兄はポジション的にあまり下ネタを言わない人で。でも、明美ちゃんやみんなが下ネタを言っているのが、落合さん的にうらやましかったんでしょうかね? ボツになった幻のアドリブは何度もありました(笑)。

落合福嗣演じる常連の中年男性・タツ兄
――お酒の楽しい話を聞いてますが、逆に失敗とかはありますか。
デビューした直後は、現場終わりの飲み会の予約を取ったり、飲み会でも注文のタイミングに気を張っていたり、結構バタバタと動いていました。
そうやって本当だったら動かなきゃいけなかったのに、先輩に将来について相談し始めたら、あまりに不安が大きくなって泣いちゃったことがあって。その時は先輩に迷惑かけたなって思います。
飲みを嫌いになってほしくない
――そうした飲みの場での先輩の心に残る言葉とかはありますか。
めちゃくちゃありますね。
そんな折 に、自分のやりたいことがなかなかできないと先輩に相談したら「いや、君は声のプロなんだろう。声の素材屋さんなんだろう。だったらまず、言われたことにちゃんと応えなさい」と言ってくださって。
やっぱり作品というのは、監督や音響監督の描く道標があって、これが欲しいって言われていることをまずちゃんとやれなくてはならない。本当に基礎中の基礎です。当たり前ですけど、ちょっとしたタイミングで道を踏み外してしまいそうなときに、よくお酒の席で引き戻してもらいました。
アフレコ終わりの飲み会は、コロナでちょっと終わってしまった文化ではありますけど、私はすごく好きで勉強になっていました。

――そういうことって大事ですよね。高橋さんは今、その飲み会文化を復活させたいと思っているんですか。
いや……無理をさせたくないという思いは強いですよ。飲みの時間が負担になるのもわかるから。
それに今は、私が誘うと「高橋さんに呼ばれたから絶対行かなきゃ」みたいな感じになっちゃう自覚を持とうとも思っています。なので飲みをするにもご飯をするにも、無理のない時期や帰りやすい場所を、相手とちゃんと確認しあいたい。
飲みを嫌いになって欲しくないんですよね。嫌なものって思われたくないんです。好きだから。

取材・文/徳重龍徳 撮影/村上庄吾