
アイドルグループ「仮面女子」で活動していた胡桃そら。2022年には「戦極MCBATTLE」で呂布カルマと対戦するなど、現在はMCバトルでも活躍を見せている。
「私はラッパーじゃないからプレッシャーがない」
––––アイドル辞めたあと、MCバトルを始めたきっかけは?
胡桃そら(以下、同) ある日、アイドルとラッパーで生産性のある飲み会をしようってなったんです。もともとラッパーの友だちがいて、私はほかのラッパーとも飲んでみたかったから、「ほかのラッパー呼んで」って言って。そしたらラッパーたちが「アイドルと飲んでみたい」と言うので、交換条件で私がアイドルを呼びました。
それでラッパーたちと仲よくなって、MCバトルの主催の人を紹介してもらったのが最初のきっかけです。主催の方が私の所属していたアイドルグループを知ってくださっていて、「1回MCバトルやってみる?」とお声がけいただきました。
だいたいフィメールラッパーって寿命が短いんですけど、私はたまたま最初にYouTubeで動画がバズったんで、2年間くらいずっとMCバトルに出続けていますね。
――好きなタイプはラッパーですか?
ラッパーは好きですね。前まではラッパーに興味がなくて、慶応とか早稲田のやつらとばっか飲んでいました。あとは、ダンサーや地下アイドル、バンドマンとか。
それまで私がおもしろいと思っていた男たちは、「高収入・高学歴・高身長」の3高だったんです。それが、いきなり学歴はないけどIQ高いラッパーたちと出会って、「こいつらおもろ!」ってなりました。
ボロ負けしたドリギャル油浦桃に「興味がない」
――「ブレイキングダウン」に出ようと思ったきっかけは何ですか?
流行っているからですね。あと「私の性格って、ブレイキングダウンじゃん!」って思って。私、いつも酔っぱらって男と喧嘩しているんですよ。身長147センチ体重37キロなんですけど、180センチ70キロの男と殴り合いしたこともあります。
それで、頭蓋骨が割れたこともあるし、肋骨折れたこともあるし、アザだらけになったこともあります。
――ブレイキングダウンでドリギャル油浦桃さんとスパーリングしてどうでしたか?
ぶっちゃけ、油浦桃さんのことは興味がないです。どういう子なのかも知らなかったし、スパーリングができれば、正直相手は誰でもよかったんですよ。あの子から車を取ったら、ただの黒ギャルなんで。私より知名度も低いし、引き立て役にしかなってないですよね。
殴り合いしたあとは、アドレナリンが出て気持ちよかったです。でも、試合後に「スパーリングありがとうございました。体重差がありすぎて申し訳なかったです」って挨拶されて。「なんで裏で馴れ合いしてくんの?」って思いました。
――胡桃さん、ボコボコにされて負けてた気がするのですが…。ちなみにパパ活を公言しているのはなぜですか?
宣伝です。私、ファンの人に「私はお前が結婚する女よりも、走馬灯になって出てくるような女になってやるよ」って言っているんですよ。なぜかというと、活動者ってすぐ飽きられるから。
私は、なんとなくずっと頭に残っている人になれればと思っています。「本当にパパ活しているのかな?」「本当にこの性格なのかな?」「この子、性格悪いのかな?」とか、いろいろ考察してもらうことを狙っています。
そうやって考えさせる時間が長ければ長いほど、ファンもアンチも、ずっと私のことが記憶に残ると思うんです。だからSNSでわざと意味深なポストをしたり、煽るような内容を投稿したりしています。それも、実は作戦なんです。
――「頂き女子」ということですか?
違法なことは本当にしていないです。ご飯とかドライブ、旅行でお金をもらえています。
りりちゃんの場合、好きじゃないのに好きって言うし、結婚しようって言うんですよ。私は「お金ください」って言っているんで、詐欺でもなんでもないんです。
「お前と会うメリットは“お金”しかないんだよ。私はお前としゃべりたくないけど、お金のためにしゃべるんだよ」ということをちゃんと相手にわからせているので、Win-Winの関係なんです。
私がやっているのは、プライベート版のファン交流会みたいな感じ。初めましての人は私の価値がわかってないから、ファンの人としか会いません。
――ホテルで二人で会うんですか?いつか危険な目にあう気がしますが。
二人でもありますよ。一昨日は「ホテルでお話だけしたい」って言われて、1時間会って話しただけで4万もらいました。
(危ない目には)あわないですね。それは私が許さないです。
「仮に私が『暴力ふるわれた』って言ったら、みんな私のことを信じるからね」って言ってあります。私は影響力がほかの子よりもあるから、ヘマして損するのって相手なんですよ。
パパ活で100万円もらったけれど…
――失礼ながら、いつか誰かに騙される気がします。
以前は騙されることもありましたね。「2万円分のAmazonギフトカードを50枚あげる」って言われて会いに行ったら、渡されたカードが全部使用済みだったこととか、「お金あげるからここまで来て」って言われて、行ったらブロックされたとか。
なので、今は前払い制にしています。会う前に振り込むか、「LINE Pay」で送金してもらっています。脱税したくないんで、その分の税金はちゃんと払ってます。
現金だとなくしちゃうこともありますね。この間、私とそのときの彼氏と“おぢ”の3人でご飯を食べただけで、現金100万円もらったんですよ。でも20万円使ったあと、酔っぱらって80万円失くしちゃって。
でも、私めっちゃポジティブなんで、「失くしたけど、これは私の稼いだ金じゃない。次、取り戻せばいいや」と思いました。逆に失くした分、それがきっかけで自分から行動できたし、稼ぐためのノウハウが身についたんだろうなぁと前向きに考えています。
――なんか無理してないですか? 強がってませんか?
してないですね。よくアンチにも「強がんなよ」とか言われるんですが、それはたぶん嫉妬なんじゃないかなと思います。私みたいになりたくても、なれないから。
――結婚願望はありますか?
ないです。私、束縛されたり、ルールに縛られたり、誰かのものになったりするのが嫌なので。
――胡桃さんが大人、親になったとき、ご自身の行動に後悔するのでは?と心配してしまいます。
子どもは絶対に産みたくないです。
あと、自分の価値観を新しい人間に共有したくないんです。私の思想とか考えを、誰かに受け継ぐのが嫌。悔しいんですよ。自分の子どもに、私と同じような楽しい人生を歩まれたくないんです。
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インタビューでの記者の質問に、まるで中2男子のように、尖り続けていた胡桃。だが、頭の回転が速く礼儀正しい一面と、ときおり見せる寂し気な表情が印象的だった。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班