熱戦続くパリオリンピック。金属バットの二人が注目する競技とは…。
オリンピック好き好きおじさん小林が注目する競技は…
—4年に1度の祭典、オリンピックが現在パリで開催されております。時差の関係で深夜に放映されることも多い今回のオリンピックですが、お二人はご覧になっていますか?
小林 全然見れてないですね。深夜の方が見れるんすけど、あんま見れてない。チラチラは見てるんですけど。
友保 開会式おもろかったらしいですね。でも見れてないんですよ。なんやキリスト教イジって、マリーアントワネットの首が落ちて歌うとか、ジャンヌダルクがやっとパリ入場したとか。僕は今ツイッターを忙しく見てるんで、いろんな情報が入ってくるんですけど、どうやらあれは悪魔崇拝らしいですわ。
—どういうことですか。
友保 あのジャンヌダルクの鉄の馬は悪魔の象徴らしいですね。
—ツイッター(現・X)はそんなこと言ってるんですか。
友保 確かな情報です、ツイッター。
—ツイッターが真実。
友保 フランスは差別とカエルの国ですから。
小林 ゴミだらけって聞いたことあるな。路駐とゴミだらけ。
友保 めちゃくちゃゴミだらけらしいな。うんこまみれっちゅうて。今あれでしょ、なんか射撃のね、おっちゃんがえらいハネてますね。無課金おじさん言うて。
—トルコの銀メダリスト、ユスフ・ディケッチ選手ですね。
友保 憲兵隊所属の軍人らしいですね。昔テレビで射撃なんかやってなかったっすよね。
—そうですよね。今はTVerやネットで見られるようになったから。
小林 TVerだいたい見れますよ。射撃も見れんちゃう。
友保 馬術も?
小林 馬術やってたんかな。でもメダル獲ったしな。
友保 硫黄島に行かはった人、あれ以来やろ、メダル獲ったんが。
—1932年のロサンゼルスオリンピックで金メダルを獲ったバロン西。のちに硫黄島で戦死された。
小林 馬術って馬育てるところかららしいですよ。輸送するとだいたい馬ヘタるんで、自国開催が有利すぎる。
友保 馬も疲れんのやな。
—馬ってどうやって運んでるんだろうと、疑問でした。
友保 浮き輪ですよ。ニンジン型の浮き輪くわえさせて海を渡らせる、と聞きましたよ。
—ツイッター信じたらですね。
友保 小林なんてオリンピック好き好きおじさんやから。
小林 そんな見れてないんやけどな。スマホ見ながらテレビで見たりはしてますね。
—それは相当好き好きじゃないですか。
友保 スマホは何見てんの?
小林 別競技。
友保 あ~~ダブルスクリーンね。何が面白かったの?
小林 バスケが……疑惑の判定とか。
友保 言うてたな、4点になったみたいな。
—今大会は疑惑の判定が多いですが、男子バスケのフランス戦は勝てるかもってなりました。
小林 あれ勝ってましたよ。
—細かいルールがわからないので、その友保さんがおっしゃるところの真実が眠ってるというツイッターで……。
友保 眠ってるじゃない、真実を発信し続けている。
—真実を発信し続けているツイッターなどを見ますと、知識人たちがなんか怒ってるぞと。これはおかしいんじゃないかみたいな。
友保 賢者がね。野良の賢者が。なんか言うてましたね。ただ全部アザラシ保育園の前では塵ですよ。今アザラシ保育園が一番熱いんで、ツイッターでは。
小林 なんやそれ。
友保 あんねん、アザラシ保育園。アザラシ保育園の前ではすべてが塵よ。人間の競技なんてもうすべてゴミ。ただただかわいいアザラシが俺たちの傷を癒す。
阿部詩選手号泣への誹謗中傷に動いた芸人
—お二人の記憶にある一番古いオリンピックっていつですか?
小林 バルセロナ(1992年)かなぁ。
友保 ベン・ジョンソン。
—私は1984年のロスオリンピックなんですけど。
友保 1984年。わしまだおとんのキンタマの中や。
—ベン・ジョンソンは1988年のソウルオリンピックですね。
友保 『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』で走ってたやつなんでしたっけ?
—カール君ですかね(カール君は『ビートたけしのスポーツ大将』で登場)。1992年のバルセロナでは水泳の岩崎恭子が金メダルを獲って「いままで生きてきた中で一番幸せです」という名言が話題になりました。
友保 そのあとに「ガキがよう。たかだか14年で何がわかんだ。ちん毛生えたてがこのやろう」が続くね、はいはい。
—(笑)そう考えると、今と比べてだいぶ昔のほうが盛り上がってた印象がありますね。もっとお祭り騒ぎだったような、オリンピックの時期。
友保 そういや今年マクド、なんもやってないですもんね。
小林 ええ!?
友保 オリンピックの時期なんかコラボ出してたよな。ドコモもかんでない。なんかね、スポーツ系はドコモで綾瀬はるかが出てきてなんかしゃべるみたいな、で桑田佳祐が歌うっていういつものノリ。
—いつものノリ(笑)。
小林 『ハイパーオリンピック』ってゲームも出てないよな。
友保 出てないな、“inパリ”ないな。
小林 あれ100メートル6秒台で走るから。
友保 とんでもない。人間ではない(笑)。
—ゲームとかアニメとか、オリンピックを取り巻くカルチャーが今より豊富だったかも。
友保 そういや、あの柔道の女の子が負けて、えらい泣いてね。それにツイッターのバカが噛み付いて。
—柔道女子52kg級の阿部詩選手が2回戦で敗退した、あの試合ですね。
友保 あれもツイッター、真実ですからね。バカが噛み付いてそれを内海さんが怒ったというね。ミルクボーイ内海さんが動いた。
—内海さんどうされたんですか?
友保 内海さんが動いて……たぶんなくなりましたね、その噛みついたアカウントは。
小林 力はあるんやな、やっぱり(笑)。
友保 とんでもなく論破されてましたよ。「お前、国背負って戦ったことあるんか?」と。ぐうの音も出んこと言われて。内海さん動いて解決しました。やっぱM-1チャンピオンですわ。
小林 そういや麻雀がオリンピック競技になるって話あったよな、あれどうなったんかな。
友保 あったな。でもやっぱ見た目がよくなさすぎるんかな、プロ雀士の。
—新しい競技は増えてますよね。
友保 水泳に混合ができてるよな。
小林 だいたい全競技混合あるんやけど、時代に合わせましょう、みたいな?
友保 ボクシングも揉めとったな、男子選手なのか女子選手なのかっちゅう。
—性別は難しい問題です。
小林 どうしようもないとこもあるしな。あるかないかでいいのに。
友保 きんぺにがな。
小林 ありなしにしたらええ。ありの部、なしの部。
友保 ペニの部、マンの部。世界ペニマン大会、誰が出んねん、気持ちの悪い(笑)。
元陸上部の友保が注目する競技は…
—お二人はやってみたいなと思うオリンピック競技ってあります?
友保 体がムキムキになるなら体操やりたいですけどね。
—おお!
友保 普通に見ててやりたいのは飛び込みじゃないですか、もう暑いから。
—暑いから……?
友保 暑いからもう早うあんな深いプール行きたいなと思いますけどね。
小林 唯一勝てそうなのがクレー射撃ですかね。2年くれたら。
友保 なかなかあれも難しいもんちゃうの?
小林 他のもんに比べたら。ただ2年はほしい。
友保 無課金のおっちゃんなんか二十何年やってる言うてたよ。
小林 いや到達点というか、自分の射撃の才能がわからないけど。飛び込みとか、たぶん絶対できへんもんな。
友保 ただプール入りたいだけやから。野暮なこと言うなよ(笑)。
—昔やってたスポーツは見ちゃうとかありますか。友保さん陸上見ます?
友保 陸上なんか見ないですよ。熱込めてないですよ。やってるから流してるだけで。
小林 剣道あったら見るんちゃう?
友保 見いひんよ。昨日もサッカーかなんかやってたけど、点がなくなったどうこうみたいな。だからサッカー嫌いなんよ。あれ掴み合うやろ?
—ああ。
友保 よくないでしょあの掴み合うの。なんであんな根性悪いスポーツ流行ってんねん。痛がるし。
小林 あれ時計止めたら解決するのに、流しっぱにするから。
友保 バレーやったらインやアウトや出るじゃないですか、コンピューターで。あれしたええのに。
—たしかにテクノロジーを重視した競技の方がわかりやすいですね。
小林 ネイマール選手がコケんのうまいんですよ。それでファールようもらってた。VARが導入されてから、コケた時に全く触られてへんかった。ただそのVARの回数が決まってるていう意味がマジでわからん。
友保 根性悪いスポーツやで。みんなユニフォーム引っ張るでしょあれ、全然点入らんし。サポーターの熱はすごいし。なんなんあのスポーツ、えらい人気やねん。
—最近覚えた単語なんですけど、わざと倒れたり痛がったりしてアピールしたり、時間稼ぎしたりするのを「マリーシア」っていうらしいです。日常生活の中でマリーシアしてるなって思う時ありますか?
友保 さんま御殿やないねんから(笑)。「あなたのまわりのマリーシア」やないですよ。
小林 「(遅刻常習の)オズワルドがまだ来てない」とか(笑)。
友保 確かに昔学校行きたくない時はしんどくないのにしんどい言ってましたもんね。たまに休めるから。
—体温計上げたりしました?
友保 上げましたよ。俺がなんで脇毛薄いかいうたら、昔こすったからですよ。毛根が死にました(笑)。
自国が勝つよりもその競技の神様的な人の試合を長く見たい
—意外とお二人ともオリンピックを見られていますね。
友保 俺はもうすぐネタ切れですけどね。なんせツイッター経由の情報しかない。ああ、フェンシングも強いんですよね?
—男子も女子もメダル獲ってますね。なかなか普通の学校にフェンシング部ってないのに、フェンシングの選手はどこでフェンシングに出会ってそんなに強くなるのか。
友保 決闘でフェンシング選ばないですもんね。だいたい俺ら相撲で解決してきたから、揉め事は。フェンシングで「明日、正午、時計台前集合」とかなかったですもんね。よっしゃで土俵入って相撲を取ってました。
—道具にもお金かかりそうですし、やはりハイソなスポーツなのかもしれない。
友保 言われてみたらフェンシングの選手、みんないい顔してました。団地臭はなかった。
—BMXに中村輪夢という選手がいて、輪の夢と書いて「りむ」。もう生まれた時から自転車競技の選手になることが決まっている名前だなと。中学時代に「星飛雄馬」という同級生がいたんですけど、野球部入ってましたし。
小林 星家に生まれたら、もう飛雄馬とつけるしかないんちゃう。
友保 いやつけへんよ。それじゃ俺の名前「布袋」になるやんけ。さすがにそこまで寄せてけえへん。
—友保布袋。
小林 なんで英語読みよねん(笑)。
—だんだんオリンピック関係なくなってきた(笑)。
友保 あと俺が知ってる最新のオリンピックニュースはセーヌ川で泳いでゲボ吐いたしかないねん。小林お前もっとあるやろ、注目競技とか選手とか。
小林 これほんまに言いたくないんですけど……あまり日本を応援していないというか。
友保 とにかく何でもいいから面白いこと言えよ。
—最悪のフリ(笑)。
小林 バスケとかも日本が惜しかったじゃないですか、ほぼ勝ってたところから逆転されて、負けて。でも実際後々を考えた時に、今後トーナメントは続くわけじゃないですか。その時に正直、日本よりフランスの試合のほうが見たいんですよ。
—なるほど。競技としてはそのほうが見たい。
小林 フランスのほうがうまいから。でも、みんな国単位で応援するんすよ。
友保 オリンピックなんか箱推しやからな。
小林 それはそうなんよ。基本興味のない競技は国単位で応援する。だけど好きな競技とか昔やってた競技って、日本人が勝つよりもその競技の神様的な人の試合を長く見たいんですね。アメリカバスケなんか今年過去イチなんですよ。
—ドリームチーム。
小林 バスケアメリカ代表、もう大人げなさすぎて。
友保 ガクテンソクさんやな。
小林 そうガクテンソクさん。人にルールが追いついてない。
友保 よじょうさんTHE SECONDの日チャンピオンのTシャツ着てたもんな。確かにルールが追いつてない。あんなん反則やもんな。
小林 アメリカだけ別ルールでやらんと。でもそれが見たい。
友保 競技としてスゴ技を見たいと。
スケートボードの堀米くんの先祖は何をしてたのか?
—スケボーとか見てると、メダルを狙うために置きに行くみたいな感じなかったですもんね。失敗してもいいからいかにスゴ技決められるか。
友保 スケボーはエラい女の子が優勝したんですよね。
—女子ストリートの吉沢恋選手。
友保 そう、漫画みたいな子。ただスケボーは何やってるかわからんねん。解説の兄ちゃんも「マジやばい」って言うだけやから。どうヤバイか噛み砕いてくれんと(笑)。
小林 スケボーは失敗の意味がよくわからない。そもそも無理やけど本番でやろうとしてるのか、本番で緊張して失敗してるのか、練習段階から成功率悪いけど本番に賭けてきてるのか。
友保 どうなんやろな、でも向こうも俺ら見て同じこと考えてるんちゃう?「漫才のネタ飛ばす??」みたいな。ただしゃべってるだけやろと。
小林 ただ「このネタはでけへん」ってことはないやん。技術的に。早口すぎてとか。ウーマン(ラッシュアワー)さんとかならわかるけど(笑)。
友保 それは削るもんな。だから俺らと一緒で、できるようにしてるけど、緊張して噛んだり飛ばしたり。
小林 にしてはみんなだいたい失敗してる。
友保 向こうも思ってんちゃう。「体使うてへんくせにこんなネタ飛ばす?覚えたこと言うてるだけやろ、風も関係ないし」。めちゃめちゃ思われてんちゃう(笑)。
小林 だからその辺言うてほしいんよ。
友保 「無理しよった」って。一か八かでやったんですが、と。
小林 そう言ってくれたら見甲斐がある(笑)。
—スケボーはもともとストリートカルチャー発祥なので、そもそも競技として点数つけられたくないみたいな街場の猛者が世界中にはまだまだたくさんいそうですよね。点数つけにくいところは漫才に似てるかもしれない。
友保 僕らはもうお金のためにやってます。どうでもいいです。黙って金くれ(笑)。
—集英社オンラインがスケートパークに取材に行った時、めっちゃうまいけどめっちゃこだわりも強くて「この技しかやりたくない」みたいなスケボー少年がいたそうです。
友保 この技が大好き。このネタしかやりたくない。芝浜しかやらん(笑)。
小林 FUJIWARAさんみたいな(笑)。
友保 長尺人情話しかやらん(笑)。
小林 あとこれ単なる疑問なんだけどいい? スケボーの堀米(雄斗)くん。堀米って名字、先祖は何をしてたのか。米を掘るって何?
—それは……考えたこともなかった……。
友保 「作米」とか「植米」とかがいっぱいおったから、じゃあおれは掘るほうにいくかと。米作るために耕さんとアカンから、うちは掘ってましたと。
小林 米掘るかなぁ。もっとなんかあったんちゃう。
—米苗字は何が人気だったんでしょうね。
友保 太米か金米か(笑)。
取材・文/西澤千央 撮影/高木陽春