マック値上げに「ハンバーガー59円時代」を懐かしむ声…「2個買って“ビックマック”にした」「おかわり無料コーヒーで長居」「昔はギャルばかりでトー横みたいだった」
マック値上げに「ハンバーガー59円時代」を懐かしむ声…「2個買って“ビックマック”にした」「おかわり無料コーヒーで長居」「昔はギャルばかりでトー横みたいだった」

日本マクドナルドは3月12日より店頭価格の改定を行なうと発表した。エネルギーコスト等の上昇を受けてのもので、改定幅は「プラス10~30円」だという。

これを受けてSNSにはかつての「59円ハンバーガー」を知る世代を中心に、値上げを嘆く声が溢れている。 

マック価格改定にSNSでは嘆きの声が…

2024年の1月以来となった、今回のマクドナルドのメニュー価格の改定。ハンバーガー(単品・店頭価格)は170円が190円に、マックフライポテトSは190円から200円になる。また、同日より「ハンバーガー」のセットが500円(税込)で復活するという。

かつてはハンバーガーが59円で販売されたこともあるが、担当記者(40代)がゆとり世代やZ世代に「60円の頃があったんだよ」と話すと、「ウソー」「中に何が入ってるかわからない!」と皆驚いていた。

SNSでも、価格改定を嘆く声が多くあがっている。

「マック値上げでハンバーガー190円とかヤバすぎでしょ」

「やめろ…マック値上げなんて!!やめろおおおお」

「ハンバーガーが59円で販売されていた時代が懐かしい...」

低価格だった時代、渋谷センター街のマクドナルドを知るノンフィクションライター(50代)は、「当時の雰囲気は、今で言う『トー横』と変わらなかった」と話す。

「渋谷のセンター街のマックはギャルたちの聖地でした。当時流行ったギャルサーとかは、ハンバーガーやポテトを買ってミーティングとかしてましたね。マックがギャルで溢れていてうるさいのなんのって…(笑)。化粧しながら延々と話してたり、パラパラを練習してるギャルとかもいて。むしろフツーの人がいなかった記憶があります。

中学生や小学生なんかも21時以降でもいたし、今で言う『トー横』と変わらなかったと思います。

そう思うと、渋谷のマックは客層がよくなりましたね」

1985年は230円!? ハンバーガーの価格変遷  

ここで改めて、日本マクドナルドの価格改定について、ハンバーガーの価格(税込)で振り返ってみたい。

1971年に東京・銀座に第1号店をオープンした当時は80円。段階的に値上がりし、1985年に230円になると、95年には136円に、2002年には62円へと大幅な値下げに踏み切った。そこから再び段階的に値上げを行ない、今回の価格改定へと至った。

ハンバーガーの価格が60円代だった2000年代初頭を経験している世代にとって、今回の価格改定は「高い」という印象があるだろう。街の人々に取材を行なうと、昔を懐かしむ声が多く聞かれた。

「今で言うファミレスのドリンクバーみたいな感覚だった」と話すのは40代の女性だ。

「当時は携帯電話があまり普及していなかったので、友達と交流するには“直接会う”しかなく、しゃべり場所を求めた中高生が店内に大勢来ていました。

みんな62円のハンバーガーを食べてお腹を満たしたあとは、おかわり無料のコーヒーで居座っていましたね。今で言うファミレスのドリンクバーみたいな感覚で利用していた人も多いと思います。

最近はマックで勉強したり仕事をしたりする人もいますが、当時は若者がうるさくてそんなことできなかったし、そもそもファストフード店で何か作業をする文化はありませんでした」(40代女性)

また、「お金がない頃、マクドナルドに救われた」という声も多く聞かれた。

「浪人生時代はお金がなくて、毎日マックに行って62円のハンバーガーを食べてました」(40代男性)

「お金がない大学生のときに友達とカラオケでオール(徹夜)したあと、始発まで時間をつぶすときとかによく行ってました。当時は店内に喫煙所があって、友達とたばこを吸いながら、おかわり無料のコーヒーを飲んでずっとしゃべってました。

昔と味は変わらないのに、ハンバーガーの値段は3倍くらいになってしまってちょっと残念です」(40代男性)

「高校の部活終わりに腹を空かせてよく行ってたなぁ。62円のハンバーガーを二つ買って、自分でビックマックみたいにして食べるのが流行っていました。友達と何個食べられるか競い合って、10個以上食べたこともありましたね」(30代男性)

「ナンパスポットだった」という声も…

また価格の安さからか、当時は「客層が悪かった」「ナンパスポットだった」という声も聞かれた。

「当時は客層が悪かった印象です。ヤンキーやギャルのたまり場になっていて、怖くて近寄りたくない場所でした。ヤンキーが店員さんの胸ぐらを掴み、『ハンバーガーごときにいつまで時間かかってんだよ! 早く出せよ!』と大声でブチ切れてた光景を目撃したこともありました。当時は家出少女が62円のハンバーガーでお腹を満たして店内に居座っているという話もよく聞きました」(30代女性)

「昔はギャルがマックによくたむろしていて、ナンパスポットになっていましたね。ガラケーの時代だったので、『お姉さんかわいいね。赤外線でメアド教えてよ』って感じでよくナンパしてました。

あと、罰ゲームで店員さんにスマイルをもらいにいくのも流行っていました。スマイルを頼むとレシートに『スマイル0円』と書かれるので、それを見るのが楽しみでしたね」(30代男性)

中には、「デートで利用するのは恥ずかしかった」と話す男性も。

「昔のマックは『お金がない中高生のたまり場』という印象もありました。

どちらかというと『ロッテリアやモスバーガーはおしゃれ』というイメージがあって…。彼女とのデートでは、金銭的に無理をしてでもロッテリアやモスバーガーに行くようにしていました」(40代男性)

ある50代女性からは、「子育て世代の味方だった」という声もあった。

「今とは違ってメニューの数が少なく、いつ行っても並んでなかったからよかった。子どもが産まれてからは、ドライブスルーが便利でよく使っていました。当時はハッピーセットも今より全然安かったし、ボールプールとか子どもの遊び場がある店舗も多かったので、子育ての味方でした」

かつての低価格時代を知る世代にとってはなんとも残念な今回の価格改定。それでも、唯一無二のファストフードチェーンとして、これからもマクドナルドには多くの人が足繫く通うことだろう。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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