「赤ランドセルってマジで最近見なくない?」イマドキ小学生の“センス”に大人顔負け? 進化しすぎなランドセル商戦の最前線
「赤ランドセルってマジで最近見なくない?」イマドキ小学生の“センス”に大人顔負け? 進化しすぎなランドセル商戦の最前線

ランドセルが赤と黒だけだった時代はとうの昔。いまどき小学生たちは、色とりどりのおしゃれなランドセルを背負っている。

そしてランドセル市場はその需要に応えるため、年々進化を続けている。

「赤ランドセルってマジで最近見なくない?」

ランドセルを購入するための活動を指す「ラン活」という言葉も生まれているほど、今の親たちはランドセル選びに熱心だ。近年ではその「ラン活」が早期化しており、小学校入学の数年前からランドセル選びを始める家庭も増えているという。

一般社団法人、日本かばん協会のランドセル工業会が公表している調査によれば、2014年時点でランドセルの平均購入価格は4万2400円だったのが、2024年には5万9138円と大幅にアップしている。

ランドセル選びでは、機能性や素材、価格といったことが重視されるのはもちろんだが、やはりデザインのよさを求めるのが最近のトレンドだ。

さまざまな有名ブランドがこぞっておしゃれなランドセルを作り出しており、一口にランドセルといってもその種類は数えきれない。選択肢が多い今の小学生をうらやましがる声がネット上ではたくさん上がっている。

〈最近のランドセルのカタログはファイリングしたいくらいかわいいね…カードケース買ってこよ〉

〈今のランドセルって色んな色とかデザインがあってかわいいなあ~~。赤か黒、それ以外はお金持ちか異端って時代だったのすごくもったいない〉

〈最近ママ友とラン活の話してから意識して近所の小学生のランドセル見るようになったんだけど、日本古来から伝わる赤ランドセルってマジで最近見なくない?〉

〈マリークワントのランドセルおしゃれすぎる。今はブランドのランドセル背負って学校来てる人いるのかな?笑〉

そこで、有名ブランドと協力して、ランドセルやその付属・周辺アクセサリの企画・生産・販売を行なっている株式会社SHIFFONのPR担当・佐々野康平さんに、最近のランドセル事情について聞いた。

「近年は、おしゃれなランドセルの需要はますます高まっています。カラーのバリエーションが豊富になっているだけでなく、細部のデザインにもこだわったランドセルが多く登場し、人気を集めています。

特に、ステッチや金具、素材の質感にこだわったものが好まれる傾向にあり、お子さまだけでなく親御さまからの関心も高まっています」(佐々野さん、以下同)

最近の男の子、女の子に人気のカラーは?

今のランドセルのバリエーションを見ると、シンプルな「赤・黒」だけで統一されていた時代がウソのようだ。そして多様性を尊重する現代では、男の子がピンクを、女の子が暗めの色を選ぶこともあるというが、実際に販売している側の印象はどうなのだろうか。

「最近ではジェンダーレスな色選びも増えており、個性や好みに合わせてさまざまなカラーが選ばれるようになってきています。以前よりも固定観念にとらわれない選び方をするご家庭が増えている印象ですね。

ただそんな中でも男の子からは、ブラックを基調としたカラーが根強い人気を誇ります。特に、ブラック×ブルーやブラック×レッドといった組み合わせは、戦隊モノを連想させるカラーとして好まれることが多いです。

ただし、ブランドによって人気カラーは異なり、例えば当社が取り扱う『DIESEL』のランドセルでは、シルバーが最も人気です。このように、ブランドの個性やデザインによっても選ばれる色に違いが見られます。

女の子の場合、“大人への憧れ”を反映したカラーが選ばれる傾向にあります。従来の“ザ・ピンク”よりも、くすみがかったピンクやパープルなど、キュートさと大人っぽさを兼ね備えた色が好まれています。華やかさがありながらも落ち着いた印象のカラーが、親御さまにもお子さまにも支持されています」

全体的に最近の傾向としては、派手なデザインよりも落ち着いたカラーや洗練されたデザインのランドセルが人気を集めているという。特に女の子の場合、ここ数年は“くすみカラー”が支持されており、シンプルながらも上品な色合いの“大人かわいいカラー”が注目され、親と子どもの両方が納得できるような、質感やデザイン性の高さも選ばれるポイントとなっている。

ランドセルは小学校を卒業した後でも使用可能?

有名ブランドもランドセル商戦に参入し、ランドセルは今後ますます、親たちが気合の入れるポイントになるだろう。お祝い的な買い物ということで、祖父母もお金を出してくれるケースも多いことから、高価な品を購入できるようだ。

また、最近では小学校を卒業したあとに不必要になったランドセルを、ペンケースや名刺入れ、財布、キーホルダーなどに作り替えてくれる“ランドセルリメイク”も流行しているため、思い切って質の高いものを買う決意ができる面もある。

年々進化を遂げるランドセル市場。選択肢の多さに悩む家庭も多いだろうが、子どもと一緒にランドセルを選ぶときは、我が子の成長と好みを知るよい機会にもなることだろう。

取材・文/ライター神山

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