「ドアノブをガチャガチャされて恐怖」SNSから個人情報を割り出す“特定屋”の存在も…一人暮らし女性が気を付けるべき点を防犯アドバイザーが解説
「ドアノブをガチャガチャされて恐怖」SNSから個人情報を割り出す“特定屋”の存在も…一人暮らし女性が気を付けるべき点を防犯アドバイザーが解説

この春から初めての一人暮らしをスタートさせた人も多いだろう。一人暮らしする人にとって基本的な防犯の知識はもちろんだが、ふとした行動が思わぬトラブルを引き寄せる原因になっていることも知っておいてほしい。

ドアノブを突然ガチャガチャされて

オートロック付きのマンションで2階以上、防犯カメラ設置などは今や一人暮らしの女性にとっては必須条件となっている。それに加えて、宅配ボックスも設置されていることが望ましい。

相手がいくら身元のわかっている職業の人だとしても、対面で荷物を受け取ることで自宅がバレてしまうことはできるだけ避けたいからだ。近年は、Uberや出前の宅配員にストーカーをされたり、ナンパをされたというケースがSNS上でよく話題になっている。

最も安心できるはずの自宅が、自分を狙っている人にバレていることは相当なストレスだ。

SNS上でも、配達員などに関するトラブルの体験談が多くあがっている。

〈出前を置き配で頼んだんだけど10分後くらいに取りに出たら配達員立ってて心臓飛び出るかと思った、ただインターホンで女の声だったから何か期待したのか〉

〈アプリで女性の名前にしてたら置き配なのに普通にドアノブ回されてガチャガチャされたりして不愉快だったわ。鍵は閉めてあるけど開いてたら入ってきたと思うと恐怖。男性の名前にしたらガチャガチャされなくなった〉

〈置き配指定していたのにチャイム鳴らして数十分玄関先で待ってた人と、頼んでない怪しいお菓子入れた人同一人物だった〉

〈若い頃、部屋を借りるときに契約した不動産会社の社員が「プライベートで」我が家に「猫ちゃん見せてください」と突撃してきたことがある〉

ほかにも、身の回りにはさまざま危険が潜んでいる。防犯アドバイザーの京師美佳氏に話を聞いた。

「春は慣れない新生活に疲れて、注意力散漫になり犯罪被害に遭いやすい時期です。特に女性はより注意が必要になります。たとえば、スマートフォンを操作しながらや、音楽を聴きながら歩くなどは、近づいてくる不審者に気づくことができなくなるのでNGです」(京師氏、以下同)

家の前に生きているカニが落ちていても…

一人暮らしの女性に気を付けてほしい日常生活の思わぬ落とし穴について、京師氏がピックアップして解説する。

●早く帰れるからと薄暗い公園を突っ切るなどすると街頭犯罪の被害に遭いやすくなる。遠回りでも広く明るい道を歩くようにする。

●アイスクリームを手で持って帰ると、家が近所だと知らせることになる。お弁当1個買うのも一緒で、その場合は中身が見えないエコバッグを使うこと。

●自宅前で鍵をゴソゴソカバンから探すのは注意力散漫になり危険。玄関前が一番危険で、不審者が潜んでいる場合もある。鍵は見なくても出せる場所に入れておくこと。

●同じ時間、同じ道を通り、規則正しい生活をすると、待ち伏せされる危険がある。本屋に行く、美容院に行く、真っすぐ帰るなど、日々予定を変えて規則的にしないよう心がける。

●女性が好むカーテンや、かわいい傘を玄関前におくのは、女性の住まいとアピールすることになり危険。傘は使用直後でも家の中に入れておくこと。洗濯では男性物の靴下なども干す、ドアロックした状態でドアを開けて見える10cm幅に男物の靴を置くことなども効果的。

●カフェなどで鍵をテーブルに置いたままトイレにいくのも危険。キーの刻印を写真に撮られて、合鍵を作られて侵入された事案あり。純正の鍵は刻印から複製ができるので、鍵は複製キーを使用するようにすること。

こうした中には、現代ならではの巧妙な犯罪の手口もあるという。

「突飛な例ですが、家の前に生きているカニが落ちていても、それをおもしろがってSNSに投稿してはいけません。犯罪者がマーキングしている可能性があります。SNSにアップした写真から個人が特定される可能性があるので、落とし物をひろってもSNSにアップしないことが大切です」

現代には、SNSやインターネット上に公開されている情報を利用して、個人の住所などを調べることを商売にしている“特定屋”なる人まで存在する。“特定屋”は罪悪感なく、暇つぶし感覚でストーカーをサポートしているというから厄介だ。

普通に暮らすだけでもこれだけの注意をしなければいけないとはなんとも悲しいが、初めて一人暮らしをする人は特に気を付けてほしい。

取材・文/集英社オンライン編集部

編集部おすすめ