
愛知県一宮市の路上に停められた乗用車から4月16日夜、遺体が見つかる事件があり、県警は同県豊田市の無職・藤井貴也容疑者(24)を死体遺棄容疑で逮捕した。遺体は腐乱が激しく性別も判然としないが、岐阜県在住で行方不明になっていた19歳の女性の可能性がある。
女性は「別れ話をしたら脅された」などと複数回、岐阜県警に相談
逮捕容疑は昨年8月から4月16日ごろまでの間、一宮市内の路上に停車中の車内に遺体を放置して遺棄したというもの。行方不明の19歳女性は藤井容疑者と交際関係にあった昨年初めごろから「別れ話をしたら脅された」などと複数回、岐阜県警に相談していたことがわかっている。
「発見まで長期間経過したため遺体は司法解剖でも性別や死因が判明せず、愛知県警はDNA鑑定で身元の特定を急いでいますが、藤井容疑者は『昨年の夏ごろに首を絞めて殺した』という趣旨の供述をしており、この女性に間違いないとみられます。
女性は昨年8月から行方不明になっており、今月になって家族が行方不明届を提出したことで捜査が本格化し、豊田市在住の藤井容疑者に説明を求めたところ『以前住んでいた一宮市内に車を停めたままにしている』などと言い出した。
16日は本人立ち会いのもとで車を確認する予定でしたが、藤井容疑者は姿を見せず、愛知県警が車を捜索したところトランクから遺体が見つかった。遺体には目立った外傷や着衣の乱れはなかったようです。
立ち会いをドタキャンした藤井容疑者は逃亡先の関東地方で見つかり、任意同行を求めたところ容疑を認めたため死体遺棄容疑で逮捕という流れになりました。県警は当然、殺人容疑での逮捕も視野に入れて捜査を進めています」(社会部事件担当デスク)
周囲に「誰にも相手してもらえない」といったことを言っていた
複雑な経緯で見つかった遺体を遺棄した容疑で逮捕された藤井容疑者とは、どんな男なのか。小・中学時代の同級生の保護者は取材にこう証言した。
「藤井くんは中学校までウチの子と一緒だったので、話は聞いています。昔から何かで目立っているというタイプではなくて、どちらかと言うと人気がないというか避けられていたというかそんな感じの生徒だったみたいです。
小さい頃からサッカーをしていて、中学でもサッカー部に所属して頑張っていたみたいですが、自己中心的な物言いが多かったようですよ。
ジコチュー、中学時代からそんな評価を受けていたサッカー少年は、徐々に孤立感を深めていったという。保護者はこう続けた。
「藤井くんは自ら孤独になっていったという話を子供から聞いていたので、何かが本人の中であったのかもしれないですね。中学卒業後も同級生の集まるLINEグループには入っていたのですが、そこでも変なことを言ったりしていたようです。内容までは分かりませんが、かまってちゃんのような発言をしていたのだと思います。
最後は自らそのグループを抜け、LINEも削除し、周囲に『誰にも相手してもらえない』といったことを言っていたようです。そこからさらに殻にこもるように中学の同級生らとは距離をとるようになったらしいです。うまく人付き合いできないタイプだったのか、家庭で何かあったのかわかりませんがこんなひどい事件を起こしてしまって……。亡くなった子はまだ19歳でしょう。本当浮かばれませんね」
遺体を放置した車は親戚名義のものだったといい、県警は押収して微物分析などを進めるとともに、藤井容疑者と女性とのトラブルの詳細を調べている。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班