
2014年9月に創刊したマンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」。その10周年を記念した展覧会「少年ジャンプ+展」が、5月18日まで東京品川区の寺田倉庫 G1 ビルにて開催中。
10年間の歩みが感じられる特別映像&展示
「少年ジャンプ+」はこれまでに『SPY×FAMILY』『怪獣8号』『ダンダダン』といった数々の人気作品を輩出しており、アニメ化が決定している『正反対な君と僕』など今後も話題を生み続けそうなマンガ誌アプリだ。
エントランスへ足を踏み入れると、本展のために描き下ろされたビジュアルがお出迎え。赤を基調とした衣装にドレスアップしたキャラクターたちの姿は、ここでしか見られない貴重なものとなっている。
入り口を抜けると「ジャンプ+展スペシャルシアター」エリアに到着し、ここでは約3分程の特別映像が楽しめる。「少年ジャンプ+」10年間の歩みや各作品の印象的な場面が描かれたムービーはまさに圧巻だった。
日頃から漫画を読むことが多い筆者だが、特に連載第1話には読者の心をつかむ場面が多い。そんな第1話のみの“名シーン”を切り取った「ジャンプ+ロード」では、目の前や横、さらには上とさまざまな角度から作品の雰囲気やインパクトが伝わってきた。
なお、本コーナーではカラーページも展示されているのだが、ここでは作家陣からのコメントもありファン必見のエリアとなっている。作り手の思いやこだわりが明かされるのも「少年ジャンプ+展」ならではの見どころだろう。
アニメ放送も控えた人気作をピックアップ
次は「少年ジャンプ+」にて現在も連載中の3作品に焦点を当てた空間が設けられている。今秋にアニメ3期の放送が決定している『SPY×FAMILY』エリアでは、アーニャと同じ目線を体感できるディスプレイやフォトスポットが展示され、“見る”だけではない数々の仕掛けが施されていた。
想像以上に大きく見えるロイド・フォージャーの姿や、アーニャが通うイーデン校の教室を再現したスポットなど、まるで私たちも『SPY×FAMILY』の世界へ入り込んだかのような気分が味わえる。没入感溢れる展示はぜひ現地でも堪能していただきたいところだ。
人気作品に登場するキャラクターたちの等身大イラストが集合した「ジャンプ+キャラクターウォーク」や名言、バトル、トキメキ……といった要素を凝縮したウォールエリアを抜けると、続いて見えてくるのは『怪獣8号』にフォーカスを当てたエリアである。
2024年にアニメが放送され、2025年7月からはアニメ2期と現在でも大きな盛り上がりを見せる本作では、主人公の日比野カフカや市川レノ、四ノ宮キコルなど各キャラクターに沿った展示が目を引いた。
奥へと進むと、アプリで本編の合間に掲載されるイラスト「怪獣百景」が原作者である松本直也先生のコメントとともに展示されている。日々怪獣たちとの戦いに挑む防衛隊員たちのオフショットを間近で楽しめる貴重な機会である。
同じく2025年7月よりアニメ2期の放送を控える『ダンダダン』エリアでは、各話が完成するまでの工程、スケジュールがわかりやすく紹介された「ダンダダンができるまで」や、原作者・龍幸伸先生のデスクを再現した展示が設置されている。
作品の裏側に迫るようなディスプレイからは龍先生の制作への熱意や想いも感じられ、充実した空間となっていた。他にもオカルン(高倉健)やモモ(綾瀬桃)とともに撮影できるフォトスポットがあったりと、作品の世界観が存分に満喫できるはずだ。
「少年ジャンプ+」ならではの機能を体感
本展の終盤では、「少年ジャンプ+」ならではの機能を活かした展示が登場。連載作品の“神回”が集められた「ジャンプ+神回ウォール」には、読者から寄せられたコメントが多数掲載されており、各話を読み終えた後に感想コメントが送れるアプリの良さを十分に活用していた。
また1話につき最大10回まで押すことができ、作品の応援や評価に繋がる「いいジャン!」を元にした「いいジャンウォール」では、事前に配られたシールを好きな作品に貼ることでリアル「いいジャン!」体験が楽しめる。
なお、本展で渡されるシールは1枚となっているため、筆者もどの作品に貼るかかなり迷ってしまった。展示会に参加する読者は、事前にある程度候補を決めておくとスムーズに進めるだろう。
「公式ショップ」で展覧会の思い出を持ち帰ろう
「少年ジャンプ+」連載作家陣の直筆イラストが描かれた「落書きアートウォール」で展示を締めくくり、待っていたのはオリジナルグッズが販売されている「公式ショップ」だ。
Tシャツやステッカー、ポストカードなどさまざまなアイテムが詰まった「『少年ジャンプ+』スーベニアBOX」(5,940円)や、キービジュアルを使用した「『少年ジャンプ+』コレクション缶バッジ」(440円)といったラインナップが揃っており、思わず見入ってしまう。
中には会場限定のアイテムも含まれているため、ぜひこの機会に手に取って欲しいところだ。
「少年ジャンプ+展」は、5月18日まで寺田倉庫 G1 ビルにて開催されている。10周年にふさわしい豪華展示物の数々を、その目に焼き付けてみてはいかがだろうか。
※チケットは全日程日時指定制、完売次第販売終了
取材・文・撮影/渡辺美咲
©少年ジャンプ+10周年/集英社