
5月17日に行なわれる「THE SECOND~漫才トーナメント~2025」(フジテレビ系)。3年連続でグランプリファイナルに進出した金属バット。
ゴールデンタイムのテレビで金属バットの漫才が見られる
—あらためて思えば「THE SECOND~漫才トーナメント」は、金属バットのM-1ラストイヤーが終わってすぐに始まりましたね。
友保 えらい、タイミングでね。M-1終わって。
小林 どん底におちまして。
友保 その後、行きましたもんね、有楽町で肉食うた。
—実際THE SECONDの開催に救われてる部分はありましたか。
友保 まあでも(劇場の)単価上がるチャンスやもんなあ。賞レースくらいしかないもんね、上がるって。
小林 そうだね。
—やっぱり大きいなと思うのが、全国区のテレビ番組、しかもゴールデンタイムで金属バットの漫才が見られるという。ネタ時間6分間に対してすごい効果なのではないかと思います。
友保 ありがたいですね。
小林 でも、M-1と比べたらね。「タバコのYouTube見てます」はよく言われるんですけど。
友保 そうやな。「THE SECOND面白かったよ」はあまり言われへんな。
—確かにお二人に「喫煙者」というイメージはすごいあります。
友保 やっぱあれじゃないですか。ちゃんと歯真っ黄っ黄やからじゃないですか。ちゃんとヤニづらやから。
小林 「こうはなりたくない」と思うんでしょうね。
—めちゃくちゃタバコ業界に貢献してると思うんですけど。
友保 でも、わしらよりもっと現場で働くおっちゃんのほうが貢献してるんで。ヤニ吸う量やったら。
—街で声をかけられることも以前に比べて増えていますし、知名度は上がってますよね。
友保 いや、あんま変わらんけどな。全然ワーキャーならへんな。
—確かに声をかけてくださるのは男性ファンが多そうですね。
友保 劇場も男多いですね。もっとキャーキャー言うてほしいのに。M-1ファイナリストのライブなんてキャーキャーやもんな。
小林 そやな。
—THE SECONDの審査員はお笑い好きの100人の一般人がされています。あれは金属バットさんに合った審査のような気がするのですが、いかがですか。
友保 いや、どうなんすかね。客次第ですけど、ホンマにあれは。
—数名の芸人審査員ではなく、一般の方に支持されるというのは、金属バットは時代に合っているということではないかと。
友保 そんなわけないでしょう。何言ってるんですか(笑)。令和ロマンでしょう。時代に合ってるのは。
—お笑い好きな方が応募されているだけあって、わりと得点に納得することが多いです。
友保 去年の「ガクテンソクvs金属バット」、あの試合以外はそうですね(笑)。あの試合以外は全部順当です。
THE SECONDの歴史が変わるかもしれない
—これまで優勝した二組、ギャロップさん、ガクテンソクさんは、THE SECONDで優勝したことによって芸人人生が変わったなと思われますか?
友保 ギャロップさんはどうなんやろ、テレビにはあまり出てないですね。映像はおろか写真でも出てこない。
小林 そうやな。
友保 林さんの顔がチ●ポすぎるからじゃないですか。見ようによっては。
小林 でも合法的に映せるって、喜びそうな人もいそうやけど。
友保 チ●ポすぎたらあかんねん。
小林 あかんか…。
友保 ガクテンソクさんはね、すごい頑張ってはって。奥田さんなんか、執事にもなって。よじょうさんも「よじょう執事」みたいなのして。
小林 奥田執事に対抗して。
友保 今後テレビを賑わすかもしれんよ、ガクテンソクさん。
—金属バットはあまりテレビに出られないんですか。
友保 僕らですか? なんぼでも出ますよー。
—小林さんはどうですか。
小林 どうでしょうね。
友保 まあでも、もし小林が1人で出たい言うたら、出たらええんやで。わしケンカしないんで。でもテレビにガンガン出だして、ネタ出番なくなったら困るな。いやいや、わし食われへんから。
—もし本当に金属バットが優勝したら、THE SECONDの歴史が変わるんじゃないかと思うんですよ。
友保 変わるか!
小林 歴史浅いよ(笑)。まだ3年です。
友保 そもそもギャロップさん、そんなチャンピオン風吹かしてへんねん(笑)。ガクテンソクさんがやっとチャンピオンしてる。
—ガクテンソクさんのようにテレビで活躍する金属バットを見てみたい気持ちもあります。
友保 わしシャイやからあかんねん。1回インディアンスの田渕に呼ばれて出たんですよ、テレビの対談でメシ食いながらしゃべるみたいな。で、前日朝4時まで飲んでたら、昼飯食われへんかって。
全然メシ食わんとお出汁だけ飲んで。それオンエアした何か月後かに京都祇園歩いてたら、おばちゃんにバンって肩叩かれて。「あんた、テレビ出るんやったらごはん食べなあかんで!」って怒られた。
—会ったら言ったろうと思ってたんでしょうね(笑)。
友保 ずっと根に持ってた(笑)。
—確かにTHE SECONDは王者が背負う大会だとは思いますが、3年連続出場の金属バットが担ってきた役割もとても大きいのではないかと。初年度のトップバッターから始まって。
友保 そうや、光の速さで負けたんや。
— THE SECONDとはなんぞやというのをいちばん知っているコンビ。
友保 THE SECONDを知りし者(笑)。いやマジ組み合わせ次第ですけどね。
小林 くじ運次第。
人生9回裏の名誉挽回
—この3年の間にドラマもたくさんありましたよ。初年度で対戦相手だった東京ダイナマイトさんが出られなくなって、後にツーマンライブを開催して、それも1つの歴史ですよね。
小林 この3年でもいろいろあったな。
友保 でも3年って考えたら濃いな。去年はプラス・マイナスさんと当たることになって、でも解散しはったり。でCOWCOWさんがきはって。
—東京ダイナマイトさん、プラス・マイナスさん。どちらも実力ある漫才師ですね。
友保 そうなんです。不思議なもので。なんか勝手に代わりがねえ。今年は順当やったな(笑)。
—そしてザ・ぼんちさんと当たるというのも、歴史ですよね。漫才の歴史の1ページですよ。
友保 ボコボコにされるかもしれん。ウケるんでね、ぼんちさん。
—今年はどんなドラマが待ってるでしょうか。
でも、もう「人生9回裏の名誉挽回」なんてないですよ。「限界を知らぬ出世払い」続きなんで。M-1で負けてからなんも変わってない。
—M-1ラストイヤーが9回裏だとしたら、延長戦でTHE SECONDが始まって、10回でギャロップさん、11回でガクテンソクさんが勝って…。
小林 その理論なら12回で試合終了じゃないですか。
友保 今年、最後やん!
—引き分け再試合もあります。M-1から続く長い長い戦いの後で、最後にお二人の涙が見れるかどうか。
友保 え? 負けて泣くの? 「うわ~いやや~」って(笑)。絶対いや~!
小林 スタジオにしがみついて動きません(笑)。
取材・文/西澤千央 写真/石垣星児