
愛知県警の摘発で明らかになった名古屋と横浜の小学校教諭による児童盗撮ネットワーク。SNSで画像や動画のやり取りをする“変態教師グループ“は全国で10人に及び、その犯行の全貌解明は今後の捜査に委ねられるが、集英社オンラインの取材でこの鬼畜集団の横顔が少しずつ明らかになってきた。
苗字からみんなに“こせ”と呼ばれていた
県警の調べに「女子児童の下着姿を撮影し、グループチャットに送った」と容疑を認めている横浜市立本郷台小教員・小瀬村史也容疑者(37)は、部外者に「子供たちに人気がある先生」を自称する“隠れ変態”だった。10年ほど前にフットサル仲間だったという男性が取材にこう証言した。
「彼と付き合いがあったのは2014年から2016年の間のことですね。ウチの会社にはフットサルチームがあって、当時は社外の人も来てもらおうとメンバーをネットの掲示板で募集したところ、彼が応募してきたんです。苗字からみんなに『こせ』と呼ばれていたし、本人もLINEの登録名を『こせ』にしていましたよ。
当時すでに結婚していたし、小児性愛者のような発言を聞いたこともなかった。チーム内で問題を起こすこともなかったし、ウチの社内の人間とも普通に仲良くしてました。クラスにいれば『友達になりたい』って感じのヤツですよ。明るいし、コミュニケーション能力もある」
身長は160センチ台後半と小柄ながら足が早く、フットサルの技術も高かったという。
「試合でもゴールをバンバン決めていたし、昔、サッカーをやっていたと聞きましたよ。普通に友達付き合いしている分には、悪い人には見えない。まさかこんな事件を起こすなんて、想像もつかなかいタイプですよ。
会話していても自分でボケたり、誰かのボケに突っ込んだりする性格で、バーベキューなどチームでのイベントにも来てくれて、みんなと楽しそうにしていた。
学校や娯楽施設での撮影、ディープフェイクも…
職業についても小学校教員であることを隠さず、自ら話題にすることもあったという。
「自分から”人気がある先生”と自慢気に話していたし、運動系のクラブでも顧問をしていたらしいです。児童の話題になると『生意気なやつもいるけどみんないいやつだよ』と目を輝かせていたし、フットサル終わりの懇親会も『仕事があるから行けない』と欠席することも多かったから、熱心な先生だという印象だった。
中学校とかにいるじゃないですか。ノリが良くて明るくてフレンドリーな先生。あんな印象でした。今はフットサルチームも活動していないけど、みんなにさっきニュースを共有したら『まじ?』『本当にこせ?』と驚いていました」
また、小瀬村容疑者を知る保護者は、「運動会とか行事でとにかく目立つタイプで、先頭切って盛り上げ役に徹する先生だった。担任でなくても『あれが小瀬村先生だ』とわかるような存在です。まさかこんなことをするとは思わなかった」と語る。
一方、共犯者でグループラインの「管理者」とも目されている名古屋市立小坂小の教員・森山勇二容疑者(42)も、表向きは「熱血教師」で通っていたようだ。
「森山容疑者も表面上は家庭もある子煩悩な熱血教師を演じながら、裏では児童を性的対象として自らの欲望を満たした変態ロリコンと捜査員の間でも評判になってます。今回のSNSで集まった10人は全員が現職教員とみられており、全国に散らばっている。
しかも使われていたのは『テレグラム』や『シグナル』といった秘匿性が高いアプリではないため、押収したスマホで履歴が簡単に復元されています。彼らのグループでは画像や動画が約70点も共有されており、勤務中に学校で撮ったと思われるものから、明らかに娯楽施設などで盗撮された写真、いわゆる学校とは関係のない写真や動画も出てきている。児童の顔写真を使った性的なディープフェイクとみられる画像もありました」(社会部デスク)
少女のリュックに体液をかけた男の鬼畜ぶり
悪質すぎる“変態教師グループ“の手口。業界に詳しいライターはこう解説する
「実は今回のような教師間のグループチャットは、Xなどのアカウントを通じて出会い、『ディスコード』という秘匿設定のできるSNSサービスに移行するケースが多いです。しかし、実はこの『ディスコード』は『テレグラム』のように復元が難しいアプリと比べて復元が容易なのです。
今回の名古屋と横浜の教員同士もおそらく面識はなく、SNSで集ったと思われます。私は1年ほど前、いかにも小学校の校内で教師が児童を盗撮しただろう動画をXで偶然みかけました。
それは学校の水飲み場で低学年くらいの女の子がかがんで水を飲んでいるところを、後ろから『お疲れー』と近づいてスカートの中にスマホを差し入れ下着の写真を撮った動画でした。
また、運動会で高学年の胸の発達した女子の徒競走の様子を撮った動画や、リュックサックを背負った女児数名の後ろ姿の写真もありました。何気ない女の子たちの写真ですが、教師でもなければ撮れないアングルでした。
こうしたアカウントは、1週間に1度くらいのペースでできてては消えを繰り返しています。フォロワーも10人いるかいないかくらいで、アカウントがBAN(強制削除)されたり凍結されてなくなるのですが、すぐに新しいのが沸いて出てくる」
今回明らかになった変態教師グループの中でも、一連の事件摘発の発端となった少女のリュックに体液をかけた男の鬼畜ぶりが際立っている。
「水藤被告は自分の体液を、自身が受け持つクラスの子どもの給食に混ぜ込んだり、児童のリコーダーの吹き口にかけたりした疑いがあり、名古屋地検が不同意わいせつや同未遂、器物損壊などの罪で追起訴しています。
押収したスマートフォンにこれらの画像や動画が保存されており、変態教師グループチャットで共有されていた可能性もあります」(同)
水藤被告の初公判は7月に名古屋地裁で開かれる予定だが、犯人グループ10人全員の逮捕、起訴を心から願いたい。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班