「女子校出身者は自己肯定感が高い?」SNSで“女子校あるある”が話題…「“変な男”に引っ掛かる」「女友達との物理的な距離感が近い」Z世代に聞いた本当の実態
「女子校出身者は自己肯定感が高い?」SNSで“女子校あるある”が話題…「“変な男”に引っ掛かる」「女友達との物理的な距離感が近い」Z世代に聞いた本当の実態

女子校出身者と共学出身者の違いについて、Xでとあるポストが話題となった。「女子校出身者は共学出身者に比べて自己肯定感が高い」との声に共感が相次いだが、女子校出身者には社会に出てから抱える特有の悩みもあるようだ。

今回は女子校出身のZ世代総勢10名にインタビューし、女子校出身者の“あるある”を明らかにしてみた。 

女子校出身者が感じる世間との“ギャップ”とは?

Xでは最近、共学出身の女性が思春期に異性から容姿について言及されたことに傷ついたという内容のポストが話題となった。それに対し、女子校出身者に関する以下のようなポストが賛否両論を巻き起こしている。

《私は女子校出身なのだけど、学校で人気があるのは面白い、優しい、頭いい、スポーツできる、センスいい、といった子だった。就職して男女同じ場になると女性の評価に容姿が優先される事に唖然とした。思春期の女性が自分の価値を容姿で測る必要がない女子校には女子校の良さがある。》

このポストに対しては「高偏差値女子校だったけどこれだけは本当に同意できないんだ…。どえらいカースト、どえらいイジメ、謎の嫉妬。突然の無視。かなりあった。学校によるよね。合うあわんはあるよね。」といったコメントや、「これほんとそう。自己肯定感を高めるべき大事な時期に、容姿という自分ではどうしようもない要素で貶められることなくのびのびと過ごせるのは何物にも代え難いのよ」など、さまざまな意見がみられた。

一方で、中学、高校という多感な時期に、異性の目を気にせずのびのびと過ごすことにはメリットがある反面、異性と関わることが当然である社会に出てから、その弊害を感じる女子校出身者もいるらしい。

そこで、中高ともに女子校の出身だという20代の女性数名に、社会に出てから感じた世間との“ギャップ”について聞いてみた。

「職場で重たいものを持ち運ぶ機会があったのですが、周りの女性に『重いから男性社員に運んでもらおう』と言われるまで、自分で運ぼうとしていました。そう言われて“これが普通のことなのかな”ってなんだかハッとしました」(27歳・会社員)

「コンビニとかで男性店員のレジと女性店員のレジが空いていたら、女性店員の方を選んじゃいます。電車とかカフェでも、なるべく女性の隣に座ります。男性恐怖症とまではいかないのですが、なんか女性が近くにいる方が安心するんですよね」(26歳・会社員)

「女子校出身者には高確率で“推し”がいるように思います。アイドルとかアニメキャラとかはもちろんですけど、日常生活のなかでも男女問わず身近な人から自分の“推し”を見つけて密かに憧れているような……。趣味でも人でも、常に何かしらにハマっている子は結構いますね。そのぶん現実での恋愛がおろそかになる子も多々います(笑)」(27歳・アパレル店員)

異性とはやっぱりどこかぎこちない……「自然にボディタッチできる女子ってすごい」 

異性との関わりが共学女子に比べて少ない人が多い女子校出身者。大人になってからの恋愛においてなにか影響はあるのだろうか。今回詳しく話を聞いたのは、自営業を営むアキコさん(25歳・仮名)だ。アキコさんは恋愛において女子校出身であるがゆえにハードルを感じることが多いという。

「大学は共学だったので、女子校を卒業してもう7年くらい経ちますけど、いまだに異性と話すときは緊張しがちですね。

フランクな雰囲気で話しかけてくれる男性なら打ち解けるのも早いのですが、大人しい男性や人見知りの男性と関わると全く話が弾みません。なんとなく私の方が、異性に対して壁を作ってしまっているのかなとも思います」(アキコさん)

そんなアキコさんは女子校出身と共学出身の女子の違いについてこう語ってくれた。

「共学出身の同い年の友人がいて、普段おっとりしていて明るい性格の女性なんですけど、しっかり相手の目を見て会話し、時折自然なボディタッチをする様子に、自分とは違い過ぎてなんだか“スゴい”って思ったことがありますね。嫌味ではなく、素直に“これがモテる人なんだろうな”って感じて……。共学出身の子に比べると、女子校出身者はやっぱり異性との距離感のつかみ方がヘタなんじゃないかと思います」(アキコさん)

さらにアキコさん以外の女子校出身者数名にも、恋愛における女子校出身ならではの“あるある”をいくつか聞いてみた。

「“変な男”に引っかかりがちなのは女子校出身者に多い気がします。社会に出てから異性とのかかわりが急に増えた結果、急に恋愛体質になって、危険な男とかホストとかにハマっちゃう子、結構周りにいますよ。共学出身の女性の方が現実主義というか、恋愛に対して過度に夢を見ていないので、無難な恋愛をしている気がします」(27歳・会社員)

「恋愛に対しては二極化しているイメージです。元々恋愛にあこがれを持っていて、異性に興味がある子と、異性に全く興味がなく、一度も彼氏ができたことがない子など、女子校出身者の恋愛観は意外と幅広いです」(26歳・会社員) 

 一方、同性との関係構築はお手のもの?  

異性との関係構築が苦手だという一面が見えた女子校出身者だが、同性だけの環境においてはどうなのだろう。こちらも数名に意見を聞いてみた。

「女同士でふざける時は全力です。(笑)下ネタもバンバン言います。

共学出身の友達といる時はこのノリにならないので、女子校出身者特有かもしれないです」(26歳・フリーター)

「同じ女子校出身だった友人たちと話す時は、手を叩いて笑ったり、リアクションが大きめになったり、今でもそんな感じになっちゃいます。あと、女友達との物理的な距離感も無意識に近くなっている時があるかも」(27歳・会社員)

現在航空系の会社に勤めているというアンさん(26歳・仮名)は、女性が多い職場での“処世術”について教えてくれた。

「女子だけの環境で長年過ごしてきたぶん、自分に合う同性と合わない同性を自然と察知できるようになったと思います。“ヤバ女センサー”が働くというか……(笑)。合わない人とは、あらかじめ距離を置くので、女子同士のギスギスした雰囲気などは、今までそんなに味わった経験はないですね」(アンさん)

そして、建設会社に勤めるミクさん(27歳・仮名)は、社会に出てからも自然と女子校出身者と交流することが多いそう。そのワケを聞いてみた。

「女子校出身者同士ノリが合うというか、なんとなく自分と似ている感覚を持っている人が多くて、たまたま仲良くなった人が女子校出身者だったということがよくあります。女子校出身者は女子同士の関係構築のノウハウも自然と身につけているので、例えば同性を褒めるにしても、嫌味に聞こえない言い方ができる人が多くて、一緒にいて居心地がいいんです。

お互いのいいところを褒め合うっていうのは、女子校の文化として無意識に根付いていた気がします。こういう能力のおかげか、今まで同性からやっかまれたり、嫌われたりした経験もないですし、同性とは割とうまく関係を築けているなと感じています」(ミクさん)

女子校出身者は、社会に出てから異性との葛藤や悩みを抱えつつも、やはり同性同士の関係構築については得意なようだ。彼女たちの特性は一概には言えないが、学生の頃との社会環境の違いにつまずきながらも、明るく前向きに人生を楽しんでいる印象を受けた。

取材・文/瑠璃光丸凪(A4studio) サムネイル/Shutterstock

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