乾燥、くすみ、吹き出物…肌の不調を感じたら気をつけたい5つの生活習慣…睡眠不足、不健康な食事、便秘、運動不足、現代人がもっとも気にかけたいもうひとつのトラブルとは
乾燥、くすみ、吹き出物…肌の不調を感じたら気をつけたい5つの生活習慣…睡眠不足、不健康な食事、便秘、運動不足、現代人がもっとも気にかけたいもうひとつのトラブルとは

肌の調子や老化を気にする女性は多いが、男性はまだまだ無頓着な人が多いのではないだろうか。実は肌は健康状態を表すバロメーターとして優秀な役割を果たしているのだ。

肌の状態が教えてくれる体の不調と、見た目にも大きく影響する“若返りホルモン”のDHEAについて、現役医師が解説。 

 

著書『休養ベスト100 科学的根拠に基づく戦略的に休むスキル』から抜粋・再構成してお届けする。 

肌は体の中の健康状態を示すバロメーター

仕事が忙しくて疲れていると、同僚や知り合いから「お疲れですか?」、「大丈夫?元気?」などと言われたりします。本当に疲れているかどうかは本人しか分からないはずですが、相手は外面に現れた様子を見て、そう判断しているわけです。判断の材料となっているのは、外から見えやすい顔でしょう。私たちは、顔の表情もさることながら、肌の色つやを見て、その人の体内の健康状態を推し量っているのです。

女性の多くは、日々鏡の前で肌をチェックすることを怠りません。ところが、男性は肌の調子に無頓着な人がまだまだ多いようです。少なくとも、毎朝1回は鏡で肌の状態をチェックして、くすみ、肌荒れ、吹き出物、炎症などがないか確認することが大切です。

肌は健康状態のバロメーターです。自分の肌の状態が悪いことに気づいたら、生活習慣を見直すきっかけにしてください。肌の大敵は、睡眠不足、不健康な食事、便秘、ストレス、運動不足の5つ。肌の不調があれば、この5つのどれかに問題があるかもしれません。

肌の調子を整えるために大切なことの1つは、「ターンオーバー」を意識することです。ターンオーバーとは、新しい皮膚が生まれて古い皮膚がはがれ落ちていくこと。いわば、肌が生まれ変わることです。ターンオーバーのサイクルは、20代で約1カ月、40代だと1カ月半ほどに延びるといわれています。

生活習慣の問題などで、このターンオーバーが乱れると、くすみ、シワ、肌荒れなどの原因になってしまうのです。

肌の不調が感じられたら、先ほど挙げた5つの生活習慣を見直したほうがいいかもしれません。

睡眠は肌の順調なターンオーバーに欠かせません。睡眠不足は、肌の乾燥やくすみなどの原因になります。質の高い睡眠を心がけてください。

食生活は肌の健康に直接影響します。栄養素をバランスよくとることで、肌の乾燥や炎症を予防できます。ビタミンCやEのような抗酸化物質の摂取を心がけてください。

お酒の飲みすぎは肌の大敵です。アルコールの分解過程で生じるアセトアルデヒドが長く体内に存在すると、老化を促進するAGE(終末糖化産物)が生成されます。AGEはシワ、くすみ、乾燥など、数々の肌の不調を引き起こしてしまうのです。食生活と関連して、便秘も肌の大敵であることはよく知られています。肌のターンオーバーを乱して、ニキビや吹き出物の原因となります。食物繊維を多く含む食事が大切です。

ストレスは、肌の乾燥や炎症を悪化させてしまいます。普段から、自分なりのストレス解消法を用意しておきましょう。適度な運動はストレスを解消するだけでなく、血行を促進して肌への栄養を供給することで、肌を整える効果があります。

活力の元、DHEAホルモンを生かす

久しぶりに出身校の同窓会に出席してびっくり。昔と変わらず若々しいまま元気な同級生がいるかと思えば、やけに疲れ切って老け込んだ人もいる。そんな経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。

時間は平等に経過しているはずなのに、30歳をすぎると人によって見た目の年齢が違ってくるという現象が起こります。

実際の年齢は同じでも、見た目の個人差が大きくなるのです。いったいどこに原因があるのでしょうか。そのヒントの1つとして近年注目を集めているのが、DHEAホルモンです。

DHEAとは「デヒドロエピアンドロステロン」の略で、腎臓の上に位置する副腎でコレステロールから合成され、男性ホルモン(テストステロン)や女性ホルモン(エストロゲン)をつくる材料になります。

そのほか、DHEAは免疫力を高めて炎症を抑えたり、動脈硬化や脂質異常を改善したり、糖尿病になるのを防いだりする働きがあります。

そして何より、筋力を維持して代謝を高める働きがあることで、「若返りホルモン」とも呼ばれているのです。

DHEAホルモンは、体内ではほとんどがDHEA-Sという形で存在しています。DHEA-Sの血中濃度は20歳前後をピークに、30歳ごろから急激に減少します。40代では20代のピークの約半分、70代では20%程度にまで下がります。

一方で、健康長寿の人にはDHEA-S濃度が高いことが、さまざまな追跡調査から分かってきました。

40歳を越えたあたりから、「若いときほど元気に動き回れなくなった」、「疲れがなかなかとれなくなった」と嘆く声をよく耳にしますが、それは単に年齢を重ねただけではなく、DHEAホルモンが不足しているからかもしれません。

数は多くはないのですが、DHEAホルモンには性機能や認知機能の改善、免疫力の向上や発がん抑制、抗骨粗しょう症作用、体脂肪減少などに効果があるという報告もあります。

DHEAを増やす効果が期待できるのが自然薯や里芋などの食品です。昔から、こうした食品を食べると元気になると言われてきましたが、その理由の1つがDHEAにあるのかもしれません。

海外ではサプリメントとして一般に販売されているものもありますが、日本では医薬品扱いとなっています。

一方で、過度なストレスはDHEAが減る原因になり、老化の促進につながるので注意してください。日常生活におけるストレス軽減は、DHEAホルモンを減らさないという面からも重要なのです。

文/加藤浩晃

休養ベスト100 科学的根拠に基づく戦略的に休むスキル

加藤 浩晃
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休養ベスト100 科学的根拠に基づく戦略的に休むスキル
2025年6月13日1760円(税込)296ページISBN: 978-4296208074現役医師のベンチャー経営者が明かす、最短で疲れを抜く休息法を1冊に! 令和のビジネスパーソンに必要なのは、戦略的に休んで心身を整えるスキルです。長時間働けば評価される時代ではなくなり、限られた時間の中で効率よく成果をあげることが、何より求められています。 20代であれば、多少ムチャな働き方をしてもなんとかなるでしょう。しかし、30代、40代になると、上手に休むことで仕事のパフォーマンスを上げていかなければなりません。 ・疲れがたまり、朝に目が覚めても体が重い ・仕事に行くだけでも疲れてしまう ・休みの日にはごろごろしてばかりいる ・時間がないと食事は簡単に済ませてしまう こうした悩みを持つ人は、ぜひ本書で紹介する「休養」を実践してみてください。 現役医師が自ら実践し、そして多くの経営者やビジネスパーソンが試して効果を実感した休養を、余すことなく紹介します。
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