「両親は元校長で人格者」「4歳くらいから九九が言えて頭がよかった…」生徒のリコーダーに体液を混入させた水藤翔太被告の華麗なる経歴〈変態教員グループに閣僚も怒り〉
「両親は元校長で人格者」「4歳くらいから九九が言えて頭がよかった…」生徒のリコーダーに体液を混入させた水藤翔太被告の華麗なる経歴〈変態教員グループに閣僚も怒り〉

連日報道される“変態教員グループ”10人による女児盗撮事件。一連の事件摘発の発端となったのは、昨年3月、名古屋市内のホームで当時15歳の少女が背負ったリュックに体液をかけたとして器物損壊容疑で逮捕、起訴された水藤翔太被告(34)だ。

水藤被告は生徒のリコーダーや給食に体液を混入させた疑いもあり、グループの中でも“鬼畜”ぶりが目立つ。水藤被告はどのように育ったのか――。 

「4、5歳の頃から掛け算や九九もできた」

教員の児童盗撮事件が発覚したことで、30日には名古屋市の広沢一郎市長は外部の有識者による第三者委員会を7月中に設置すると表明した。さらに「全市立小学校の教員約1万2000人を対象に同様の事案がないか調査する」と発表した。

だが、“変態教員グループ”は名古屋市立小の主幹教諭だった森山勇二容疑者(42)と横浜市立小の教員・小瀬村史也容疑者(37)は逮捕されたもの、その他の7名においては逮捕に至っていない。

この現状については7月1日に行われた閣議後の記者会見で阿部俊子文科相大臣が「当該教員がいれば、子供の前から離れ、一刻も早く名乗り出てもらいたい」と言及。同日、三原じゅん子こども政策担当大臣も「人権をないがしろにする行為、決して許されないものである」と強く非難した。変態教員は今も教壇に立ち続けている可能性があり、全国の小学校の児童を持つ保護者の不安は尽きない。

閣僚までもが次々と声をあげ始めた前代未聞の事件。「あんなことをやらかして、ご両親は本当にショックを受けていると思います…」、そう肩を落としたのは名古屋市内の現役教員のAさん(50代)だ。Aさんは水藤被告の一家とかつて親交が深かったという。

「水藤被告の父親が中学校長や教育委員会の課長を歴任していたとの報道がありましたが、実は母親も小学校の校長として定年まで務めあげた人格者でした。私は水藤先生(被告の母親のこと)には教育者とは何たるかを新任当時に教わった。

『子供のすることをまずは見る。そしてできたら褒める。できなくてもけなさず助言する』という基本を彼女から教わったんです。ご自宅に招いていただいたこともあります」

Aさんは幼いころの水藤被告のことも覚えていた。

「翔太は4、5歳の頃から掛け算や九九もできていたし、数字パズルなどを好んでやっている頭のいい子という印象でした。中学校は公立でしたが高校は県内でもトップ10に入る進学校に通い、両親の背中を見て教師を志したと聞きました。

つい3年ほどまで年賀状のやり取りはしており、先生の近況はもちろん翔太の近況なども書かれていました。ただ、そんな性癖があったとは驚きでしたし、まさか息子がこんなことになろうとは、家族を知る者は誰も思っていなかったはずです」

保護者や児童にも一定の信頼がある教員でしたので…

水藤被告の実家の近隣住民も「熱心な教育一家だな、という目で見ていましたよ。お姉ちゃんも二人いて、みんな優秀でした」と言う。

「回覧板が回ってきてわからない言葉や難しい言葉が文内にあったら、水藤さんが『みんなが読みやすいように』とパソコンで解説メモを用意して回覧板に添えてくれるの。人に丁寧に教えてくれる優しい方々だなあと思っていました」

そして誰もが「まさかあそこのお宅の息子さんが…」と口をそろえた。

「水藤って苗字は珍しいでしょ? でも報道が出た時は、まさかあの家のことだなんて思わなかったのよ。

息子さんは教師として立派に働かれていると聞いていたし。まさかそんな事件を起こす教師になるなんて」(近隣住民)

 水藤被告が勤務していた小学校の教頭もショックを受けていた。記者の取材に声を震わせこう話した。

「うちの職員が本当に、教職員の信用をねじりするようなことして大変申し訳なく思います。教員同士でも『あの先生がまさか』とショックを受けている教員もおります。

学校としては今回の事件で心を痛めたお子さんのケアにあたります。教育委員会から増員をしていただいて、ケアカウンセラーの方には常駐いただいております。

3月に事件があったとき、学校内に隠しカメラなどがないか、学校の安全性について調べております。ただ、改めて、現在で心配に思っている保護者さんが多く見えるので、校内で繰り返し確認をします。保護者や児童にも一定の信頼がある教員でしたので、今回のようなことに気づくことは正直なところできませんでした。学校の思いとしては、教育活動をやっぱり子どもたち優先で進めていきたいと思っております」

教頭の言葉の通り、子どもたちや保護者たちが受けたダメージはあまりにも大きい。水藤被告の実家で父親に声をかけたところ、「弁護士に言ってください」と話すのみだった。

周囲の信頼をぶち壊し、本能のままに事件を起こした“変態教師”はすでに保釈されており、今月半ばに初公判を控えている。水籐被告は今、何を思うのか――。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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