〈浜松ガールズバー2人刺殺〉元黒ギャングを名乗り「少年のとき事件おこしたんだけどよ~」とワル自慢をしていた“山ちゃん”投資詐欺にあいキレて「殺してやる」と包丁を研ぎだして…
〈浜松ガールズバー2人刺殺〉元黒ギャングを名乗り「少年のとき事件おこしたんだけどよ~」とワル自慢をしていた“山ちゃん”投資詐欺にあいキレて「殺してやる」と包丁を研ぎだして…

静岡県浜松市のガールズバーで店長と従業員の2人を刺殺した容疑で無職の山下市郎容疑者(41)が現行犯逮捕された事件。金属バットを車に積み、包丁を研いで「殺してやる」と怒り狂う――。

山下容疑者の暴力性にまみれた過去の一端を、知人が明かした。 

事件を起こしても「まだ少年だからよかったけどよ~」とワル自慢

静岡県浜松市のガールズバーで店長の竹内朋香さん(27)と同店従業員の伊藤凜さん(26)が「ククリナイフ」と呼ばれる特殊な刃物を持った男に刺殺された事件。現行犯逮捕されたのは、無職の山下市郎容疑者(41)。

浜松の飲み屋街を刺青の入った姿で闊歩し、“山ちゃん”の呼び名で知られた山下容疑者。その中高時代を知る人物は、

「正直、弱い人間には“とことんやる”という一面は何度も見ていたので事件についてもそんなに驚きはしませんでしたね」

と語る。

山下容疑者は小・中学時代を静岡県磐田市で過ごした後、浜松市内の私立高校へ進学。

「山下は中学、高校の頃はタバコを吸ったりケンカをしたりはしていましたが、そこまでワルという感じではありませんでした。中学の頃は陸上部を頑張ってもいましたし、ファイナルファンタジーなどのロールプレーイングゲームが好きでした。

音楽はリップスライムなどのラップや、当時流行っていたケミストリーや浜崎あゆみ、L'Arc-en-Cielなどの曲が好きでよく聴いていた」

“やんちゃ”な部分はあるものの、目立つ存在ではなかったという山下容疑者。しかし、高校中退を機に道を外れて行ったのだという。

「中退の理由は喫煙とかそういった問題だったと記憶しています。ちょうどその時期くらいから彼はブラジル人がトップをしていた浜松市の“黒ギャングチーム”に所属するようになりました。

山下は陸上もやっていたし、高校中退後は建設業で働いていて体もがっしりしていましたから、ケンカはそれなりに強かったと思います。

浜松市のゲーセンとかでたむろしているやつにニラまれたと言って、『なんか文句あるのか、こっちこいよ』って因縁をつけて殴ったりしていました。彼は自分より弱い奴はとことん追いつめますし、パシリのように扱ったりするんですよ」

知人によると、山下容疑者は“黒ギャング”のトップと一緒に事件を起こして、新聞沙汰になることもあったのだという。

「事件後、本人は『まだ(自分が)少年だからよかったけどよ』なんて言っていましたね。当時は山下がナイフを持っているところは見たことはありませんでしたが、『襲われた時には自分の身を守らなきゃいけねえ』と言って、車に金属バットを積んでいるのは見ました。カモフラージュなのかグローブとボールも一緒に積んでいましたね」

「子どもも2人いるけど離婚したって聞いています」 

その後も、特に目標を持つでもなくその日暮らしのように稼いだ金を洋服や酒に費やす日々を過ごした山下容疑者だが、結婚歴もあったようだ。 

「女性関係については、若い頃はどちらかというと硬派なタイプでした。10代~20代前半は飲みに行く時は居酒屋が多かったですし、キャバクラに行っても指名して執着することはなく、ワンタイムではしごするような飲み方でしたしね。

でも、ちょうどこの頃に知り合った女性と付き合って結婚したはず。子どもも2人いるけど離婚したって聞いています」

離婚の原因は「妻への暴力」だっだようだ。そんな山下容疑者について知人が忘れられないのが、彼が狂気の一端を垣間見せた、とある事件だという。

「そういえば、山下がまだ母親と暮らしていた20代の頃、投資詐欺にはめられたって話を聞きました。アコムからお金を借りて、投資した後に詐欺だと気づいて、本人がかなりキレているところに『詐欺をした奴の居場所がわかった』って電話が来て。

山下は『殺してやる』って怒り狂って、家で包丁を研ぎはじめ、その様子を見た母親は怖くなって家を飛び出したそうです。

結局、それが原因で母親はそのまま家を出たとか……」

お母さんが「息子が怖い」と怯えた様子で近所の家に逃げ込んだ  

母親を怯えさせ、近隣住民を巻き込んだ“包丁事件”。山下家の20年来の知人も、当時のことを記憶していた。

「投資詐欺? 包丁? ああ、なんかそんな話あったね。それが原因かどうかはわからないけど、お母さんが『息子が怖い』って怯えた様子で近所の人の家に逃げ込んでくるってことは確かにあった。山下さんの家はお姉ちゃんが2人いて息子さん(山下容疑者)が末っ子でね。

でも当時、ここに暮らしていたのはお母さんと内縁の夫、あとは今回事件を起こした息子さんだけだったと思う。お母さんは工場勤め、内縁の夫は会社員、お姉ちゃんたちはもう独立して家を出て行っていたと思うよ。

息子さんはまあ、今時の若者というかね。真面目って感じではなく、やんちゃな子って感じだった。昔はもっとシュッとしていて、今のテレビで出る写真には面影なんてまったくないよ。

詳細までは聞いてないけど、お母さんから『息子が警察沙汰になった』とか聞いていたから、そういう意味では大変だったのだろうと思う。

そんな中、内縁の夫だった人も自分の母親から『子ども(山下容疑者)とも血が繋がっているわけではないし、いつまでも一緒にいない方がいい』と言われてたみたいでね。

仕事柄、よく東京に出張に行っていたんだけど、そのまま出ていくことになってしまったんだ」

山下容疑者の母が近所に逃げ込む事件があったのは、そんなタイミングの出来事だったという。

「心配した近所の人が息子さんと話をしてあげるって言って家まで行ったんだけど、息子さんはもう家にいなかった。でも、お母さんがあまりに怯えた様子なので、その人は『お姉ちゃんの家に行けるなら行ったほうがいい』とアドバイスしたみたい。それで、お母さんはそのまま家を出てお姉ちゃんのところに行ったの。

しばらくは息子さん一人でその家に住んでいたんだけど、間取り的にも家族で住むような一軒家だし、経済的なことがあったのか……。しばらくして、今報道で出ている袋井市のアパートに引っ越していった。10年前くらいだったかな。亡くなった被害者たちもかわいそうだけど、容疑者のお母さんなどの家族のことを思うと、それも本当苦しくなるよね」

竹内さんと伊藤さんにそれぞれ10カ所以上もの刺し傷を与え、死に至らしめた山下容疑者。警察の調べに対して、「殺意があった」ことを認め、犯行に至った経緯については、「小馬鹿にされた」などと供述しているという。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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