〈足立区・猟銃持った男が“銃で死にたい”〉「壁をバンバン叩いていた」「3年前にも警察官が数人きた」自死した“個タク運転手”が起こしていた奇行…近隣住民は緊急避難、突入、そして…
〈足立区・猟銃持った男が“銃で死にたい”〉「壁をバンバン叩いていた」「3年前にも警察官が数人きた」自死した“個タク運転手”が起こしていた奇行…近隣住民は緊急避難、突入、そして…

東京都足立区舎人の民家から7月15日午後2時45分ごろ、年老いた男性の声で「これから死のうと思う。猟銃を持っている」と110番通報があった。

警視庁は特殊部隊を現場に投入、周囲に規制線を張って住民を避難させ、同7時ごろに民家に突入したところ1階居間で男性が死んでいるのが見つかった。同住宅には猟銃(散弾銃)所持許可のある76歳の男性が1人で住んでおり、警視庁で身元の確認を急いでいる。

「突入!」の掛け声で警察犬を伴った約10人のSIT隊員が民家に入り…

現場は東京都交通局の日暮里・舎人ライナーの終点・見沼代親水公園駅から西へ約500メートルの住宅街の一角。パトカーや救急車に加え、装甲車も3台出動し、警視庁捜査1課の特殊部隊SITが防護服を装備して臨場するなど物々しい雰囲気に包まれた。

午後7時59分、「突入!」の掛け声で警察犬を伴った約10人のSIT隊員が民家に入り、男性の死亡を確認した。周辺住民を含めてけが人はなかった。

近くの住民が突入劇をこう振り返る。

「夕方に帰宅したら外が警察官だらけだったから『なんかあったの?』と女房に聞いたら、『近くで立てこもりがあったのよ』ってスマホでニュース映像を見せるんですよ。ウチの家も一瞬、ほんの少し映っていてびっくりだわ」

夏の夜の住宅街を震撼させた猟銃男は、近所ではちょっとした有名人だった。近くに住む50代の男性が取材にこう証言した。

「あの家は40年ぐらい前から父親と兄弟の男3人が暮らしてたんだけど、オヤジも兄貴も見なくなり、3年ぐらい前から弟だけになってたんだ。だから今回立てこもったのはその弟のほうですよ。

まあ喜怒哀楽が激しい人で、日中は壁をなにかで叩く音がパンパンパンと聞こえていたのよ。

俺の実家がとなりの家だからわかる。気分いいと、笑顔で挨拶してくるし、気分悪いとこっちが挨拶してもガン無視よ。

個人タクシーの運転手だったはずだよ、個タクの車が朝とか夜に停まっていたからね。ここ1~2年で電気自動車っぽい新しいタクシーに乗り換えていたな」

布団叩きを持って「うるせえ」と干している布団をバンバン叩いたり…

猟銃を持っているのも知られていた。男性が続ける。

「3年前くらいに警察官が数人来ていたんで、気になって警察に聞いたら、銃の申請の更新だっていうから、元から持っていたんじゃないのかな。本人は170センチないぐらいの小柄だけど、太ってもないし、杖をついてるわけでもない。スポーツシャツを着てハーフパンツをはいていたイメージだな。

会話はしないよ。挨拶のとき頭下げるくらい。ここら辺では浮いていた家だからさ。本人というより、兄貴が一番やばかったんだわ。

近所迷惑の塊みたいな人間で、しゃべり声が外から聞こえるのが気に入らないのか、布団叩きを持ってきては、『うるせえ』と干している布団をバンバン叩いたり、大音量の音楽をかけながら『黙れ!』と叫んだりね。そのせいで近所の家が何軒も引越しを余儀なくされているよ。その頃は弟の方はマシだったのよ」

ところが、3年ほど前からその兄が姿を見せなくなり、弟にその「奇行」が乗り移ったようになったという。

「兄貴とは町内会も付き合いを避けていた。一応町内会費は払っているけど、活動にも参加しなかったしね。でも兄がいなくなってから、弟が回覧板を見て回すようになり、ゴミ当番もやるようにはなったんだけどね。

親父さんと兄も少し前に亡くなったと聞いたけど…そしたら今日の事件だよ。ニュースで俺の実家が映っていたから心配で5時ごろこっち来たら規制線張ってて入れなくて、7時過ぎくらいにようやく入れた。最後まで迷惑をかけたね、あの家は」

別の住民もこう表情を曇らせた。

「何時ごろか詳しくは覚えていないけど、ウチでパソコン仕事をしている時に警察がピンポンしてきて、『近くで事件があったので、避難してほしい』って言ってきたんだよね。でも俺は『大丈夫』と避難要請を断って、電気を消して黙々と仕事を続けた」

巻き添えを出さなかったのがせめてもの救いだが… なんとも後味が悪い事件である。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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