〈1億円稼いだ者も〉逮捕された“伝説の立ちんぼ”4人衆の素性「通報するとカメラをまわしカサで殴ってくる」「捜査員の顔写真をSNSで共有」
〈1億円稼いだ者も〉逮捕された“伝説の立ちんぼ”4人衆の素性「通報するとカメラをまわしカサで殴ってくる」「捜査員の顔写真をSNSで共有」

連日の真夏日が続くなか、歌舞伎町の大久保公園付近で白昼の“立ちんぼ”逮捕劇が展開された。警視庁保安課が、24日までに売春防止法違反の疑いで20代の女性4名を逮捕。

このうち女性の1人は2年間で1億円以上を“立ちんぼ”などの売春で稼いでいたという。かねて警察にマークされていた逮捕された“4人衆”とは何者なのか。 

「今回逮捕された4人とも、事務所内でも見かけた顔でした」

警視庁によると、今年1月から6月にかけて大久保公園周辺で売春の客待ちをしていた女性の逮捕者数は75人だという。前年同期の逮捕者数は35人だったから“2倍越え”だ。

今回逮捕されたのはA子容疑者(20)、B子容疑者(26)、C子容疑者(25)、D子容疑者(24)の4名。彼女らの逮捕劇について社会部記者はいう。 

「これまでの路上売春の取締は私服警官によるオトリ捜査の現行犯がほとんどです。“立ちんぼ”の常連だった4人は摘発を免れるため『〇〇のスニーカーを履いて、耳が潰ている』『絶妙に服装がダサい』など、グループチャットなどを用いて私服警察官の特徴や顔写真を共有し、彼らから声を掛けられても無視するなどしていた。

そのグループにはこの4人を含め26人ほどいた。また、逮捕された20歳のA子容疑者は2年で1億円1千万円を稼いだとも言われています」

現場となった大久保公園前には今年5月にコカイン使用で逮捕された元事務局長の田中芳秀被告が勤務していた「公益社団法人日本駆け込み寺」の事務所がある。新たに新女性理事長になった清水葵氏が“立ちんぼ”の動向を注視している。

「こちらの事務所は昼間や夜20時までは一般の方に開放していますので、立ちんぼのかたが涼みにくることもあります。今回逮捕された4人とも、事務所内でも見かけた顔でした。

私は喋ったことはありませんが、もしかしたら田中は話していたかもしれません。

最近は毎晩のように22時頃まで新宿警察署が公園周辺をパトカーで巡回しながら『路上売春はしないように』というアナウンスをしています。そのパトカーがいなくなってから、一気に公園周辺の立ちんぼたちが増えるという感じですね」(清水氏)

「1万円以下って言うオヂはガン無視」 

関東近郊の実家から家出後、つい最近まで立ちんぼをして生計を立てていたというサユミさん(18歳・仮名)は「金髪の髪が特徴的なC子容疑者とは駆け込み寺内で話したことがある」と証言する。

「C子さんは駆け込み寺内で何度も見かけました。家出してきて右も左もわからない私にいろんなことを教えてくれました。『公園の外周より公園近くのコンビニのビジホ前の方が客釣れる』とか『相場は1万5千円。1万円以下って言うオヂはガン無視』などです。とても優しい方でした」

18歳少女に売春場所や相場をアドバイスするのが“優しさ”かは不明だが、少女はC子容疑者に感謝の言葉を述べていた。また、トー横をはじめ「舞伎町の住人」へのインタビュー動画を投稿する歌舞伎町系YouTuberのゆきにゃん氏は、B子容疑者との面識があるという。

「B子さんって名前は知らなかったけど黒縁メガネかけてた子ですよね、かつて動画にでてもらいました。彼女は昼夜関係なしに公園付近で立っていて、毎日稼いでるようでした。見かければ『やっほー!』って挨拶してたし。

動画に出てもらった時は『あなたの黒歴史教えて』って聞いたのた『今日ノーブラです!』って全然違う答えが返ってきて、会話が成り立たないことが多かった(笑)」

“立ちんぼ4人衆“は売春だけでなく「客の金を盗んだ」疑いも確認されている。

これについては、ゆきにゃん氏はこう話す。

「立ちんぼの子たちを擁護するわけではないのですが、よく『客から金を盗まれた』とか『やり逃げされた』ということを聞くことがありました。仮に客の金を盗んだことがあったとしたら、もしかしたら、そういう経験があって仕返し的な感じでやり始めたのかもしれないですよね」

「田中さんのことは売れないっす」 

かつてD子容疑者に取材をしたことがあるという週刊誌記者(30代・男性)にも話を聞いた。

「僕と同行取材してた女性記者が公園沿いに並ぶ女性を撮影した際、D子容疑者がすっ飛んできて『おい、こら、消せ』と怒鳴られてました。彼女らは写真を撮られることに敏感で、すごい剣幕で怒ってました。

でもその後、お詫びも込めて1000円ほどPayPayで謝礼して取材したい旨を伝えたら『私服警官の目は鋭いからすぐわかる』とか『怪しいと思った会社員風の男がやはり私服警官で別の女の子を逮捕してたから“やっぱテメー、私服かよ”って動画回しました』とか話してくれましたね。周りの子達にもその動画を共有していました」

またこの週刊誌記者が後日、今年5月に逮捕された駆け込み寺の元理事長の田中被告を取材の関係でD子容疑者を取材した際、こんな返事が返ってきたという。

「私、田中さんにはすごくよく面倒見てもらったんで。田中さんのことは売れないっす」

 仲間意識が強かった“立ちんぼ4人衆”。いっぽうで彼女たちを疎ましくおもう歌舞伎町の住人もいる。金髪にド派手な衣装で歌舞伎町を”徘徊“する、歌舞伎町の飲食店の名物ママ「れいこママ」だ。れいこママは「逮捕された立ちんぼ4人でしょ! よく知ってるわよ」と鼻息を荒くこう語った。

「今回、逮捕された女たちは私のことを勝手に撮ってXに拡散して、本当に迷惑してるのよ!私は立ちんぼを見かけたらいつも警察に通報してるの。あの子たちはとても暴力的よ。私が『そんなとこ立ってんじゃないわよ』って言ったら傘で殴りかかってきたのよ!」

今回4人は現行犯逮捕ではなく逮捕令状による通常逮捕だったが、すでに釈放されているメンバーもいるという。トー横界隈からも「釈放後、懲りずにまた立ってるらしい」との声も多数聞いたため、その姿を探ったが見当たらなかった。

警察は今後も本腰を入れて路上売春を強化していくというが、まさに“イタチごっこ”である。 

※「集英社オンライン」では、今回の記事についての情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(旧Twitter)まで情報をお寄せください。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

X(旧Twitter)
@shuon_news  

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

編集部おすすめ