〈世田谷・韓国女性殺害〉「ブランド服撮影の休憩中に襲われた」DV&ストーカー元彼氏が恐怖のUターン襲撃…2日前には警官に保安検査場まで連行も
〈世田谷・韓国女性殺害〉「ブランド服撮影の休憩中に襲われた」DV&ストーカー元彼氏が恐怖のUターン襲撃…2日前には警官に保安検査場まで連行も

東京都世田谷区で9月1日、韓国籍の女性(40)が刃物で首を切られ殺害される事件があり、警視庁は出国しようと羽田空港に現れた韓国籍の職業不詳のパク・ヨンジュン容疑者(30)を殺人容疑で逮捕した。 

 

二人は以前交際し、女性が別れ話を切り出すとパク容疑者から暴力を振るわれ、警視庁に相談していた。

警視庁は事件の2日前、パク容疑者を出国させようと成田空港まで同行したがパク容疑者は舞い戻って女性をつけ狙っていたとみられる。 

韓国行きの飛行機のチケットを持っていた

殺害されたのは東京都港区在住の自営業、バン・ジウォンさん。関係者によると、アパレルブランド関係の仕事を扱い、1日は世田谷区野沢2丁目にある業務関係先のスタジオで、ブランド服のモデル撮影に立ち会っていたという。

事件は1日午後1時半ごろ発生。バンさんが首から血を流して倒れているのが見つかった。直前までバンさんと一緒にいたスタジオ関係者が当時の状況を話す。

「1日は午前11時ごろから撮影が行なわれて、バンさんのほかモデルさんやヘアメイクさんらと一緒に仕事していたんです。撮影の合間に彼女は1階へ降りて行ったんですが、灰皿がある1階にタバコを吸いに行ったのだと思ってました。

カットの合間合間に、モデルさんが着替える時なんかに吸いに出ることが普通にあったので気にもしなかったんです。

彼女が出て2分かそれくらいして悲鳴が聞こえました。本当に突然です。その前は争うような物音はしませんでした。

悲鳴を聞いてバンさんのビジネスパートナーが飛んで行って手当てをしたんですけど、倒れていてかなりの血が出ていて、ちょっと足がすくんでしまいました。

不審な人物はその時、見ませんでしたね」(スタジオ関係者の男性)

バンさんは病院に搬送されたが、午後3時ごろ死亡が確認された。

「男が逃げた」との110番が入っており警視庁が捜査した結果、同日午後4時半ごろ、羽田空港の国際線ロビーで血の付いた服を着たパク容疑者を捜査員が発見。任意同行し2日未明に逮捕した。

パク容疑者は黙秘している。発見時、韓国行きの航空券を持っており逃亡を図ったとみられるという。

発生から約3時間後の身柄確保は早期解決といえるが、被害者がバンさんとわかった時点でパク容疑者は有力容疑者として浮上し、航空券の購入履歴から、空港に現れることが予想できたとみられる。

成⽥空港の保安検査場に⼊っていったハズが… 

捜査線上にパク容疑者が浮上したのは、警視庁が二人の間のトラブルを把握していたためだ。その事情を警視庁担当記者が話す。

「2人は日本語学習アプリで知り合い、今年4月から付き合っていました。パク容疑者は8月23日に韓国から入国し、バンさんの自宅に滞在していたのですが、そこでバンさんから別れ話が出たためパク容疑者は暴力をふるっていたようです。

そして8月29日未明、バンさんは三田署管内の交番を訪れ『韓国から来た彼氏に居酒屋で別れたいと言うと怒って(自分の)家に帰ってしまった。2日前には暴力も振るわれた。』と相談しています。

そこで警察官はバンさんのマンションでパク容疑者に近づかないよう注意し、バンさんには知人宅に避難することなどを助言しました」(警視庁担当記者)

警察官の注意を受けたパク容疑者はおとなしく従うふりをしたが、実際にはストーカー行為をエスカレートさせただけだった。

「当初、注意を受けたパク容疑者は『⼤阪観光をして帰国する』と言い出したため、警察官が東京駅まで付き添い、新幹線に乗るのを見届けたんです。

ところがパク容疑者は翌30日にはバンさんのマンションにまたやって来たので、管理⼈が通報しました。そこで今度は警察官がパク容疑者を成⽥空港まで連れて行き、保安検査場に⼊っていくところまで確認していたのです」(同記者)

しかしこの時もパク容疑者は帰国せずに保安検査場から出たようだ。自宅マンションへ行くと管理人に通報されるという“教訓”を得たパク容疑者は、バンさんの仕事の関係先で襲撃を実行した。

事件に韓国のネット掲示板では… 

前出のスタジオ関係者は「バンさんとは初めて会ったので付き合いがあるわけではありませんが、彼女は『誰かに見られてるな』『不審な男がいるな』とか、何かを心配しながら仕事をしてたっていう感じではなく、和やかに仕事を進めていました」と話す。成田空港までパク容疑者を連れてったと警察から聞いたバンさんは安堵していた可能性もある。

警視庁はこの間の対応について「被害者の意向を踏まえ安全確保に向けた措置を講じたと考えている」とメディアにコメント。執拗に戻って来るストーカーにどう対処するかという新たな課題が浮かび上がった形だ。

一般的によほど凶悪な犯罪の容疑者でない限り、韓国では実名や顔写真が報道で公開されることはない。そのため、日本で同胞女性を殺害したとして逮捕されたパク容疑者の実名や連行中の写真が報じられていることにつき、SNSには韓国のネットユーザーによる

〈犯罪者をすかっと公開する日本がうらやましい〉

とのつぶやきのほか、

〈韓国の男と無事に別れるには移民しなければいけないってことか〉

〈ヨンジュンくん、空港まで警察に送られたのにまた入って刺したのか〉

などの書き込みが多数ある。

交際相手から殴られれば別れたいと思うのは当然だが、これによりパク容疑者の殺意に火がついたのか。

徹底した動機の解明が待たれる。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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