「オレンジの吉野家のほうが絶対にうまい」SNSで共感が続出した“黒い看板の吉野家”との味の違い 噂の真相について公式を直撃
「オレンジの吉野家のほうが絶対にうまい」SNSで共感が続出した“黒い看板の吉野家”との味の違い 噂の真相について公式を直撃

同じ吉野家でも味に大きな違いがある?――そんな投稿がSNSで話題になった。果たしてその違和感は、気のせいなのだろうか。

公式に直撃した。

「黒い吉野家」と「オレンジの吉野家」の違い

“黒い吉野家”より、“オレンジの吉野家”のほうがおいしい。気づかなかった人もいるかもしれないが、吉野家には、黒地にオレンジの文字で店名が入っている看板の“黒い吉野家”と、その逆の配色の“オレンジの吉野家”がある。昔からあるのは“オレンジの吉野家”のほうだ。

突如、SNS上で話題となったこの論争。大手牛丼チェーンの吉野家について、「同じ吉野家なのに味が違う」と訴える声が、多くの共感を集めた。

投稿したのは、Xユーザーのるーぴょんさんだ。

「黒い吉野家はカウンターまで取りに行く、オレンジの吉野家は席まで持って来てくれる、これだけでもオレンジ推しだが決定的な差があって、オレンジの吉野家の方が絶対に牛丼が美味しい、散々食べ比べたから間違いないわ。だからオレンジしか行かない」

同じ吉野家で、そこまで大きな違いがあるのか。にわかには信じがたいが、この投稿には次のような声が次々と寄せられた。

「わかる。確実にオレンジの方が美味い」
「これめっちゃくちゃ同意。吉野家行く前にオレンジかどうか確認してから行くようにしてる」
「黒い吉野家とオレンジの吉野家、二種類あることに全く気づかなかった だが思い起こすと黒い方の牛丼は確かに美味しくない」
「確かに横浜の黒い吉野家は味が落ちていたけど全国区だったか」

なんと、実際に多くの人が同様に“味の違い”を感じているという。

ただ、オレンジのほうが上という声だけでなく、中には「黒のほうがおいしい」と言っている人もいた。では一体具体的にどんな違いがあるのか、るーぴょんさん本人に、味について詳しく話を聞いた。

オレンジの吉野家については、次のように感じているという。

・味は薄めで、甘みがある
・肉は柔らかく、脂のうまみにタレの味が重なる
・ご飯はふわっとしていて、玉ねぎは白く甘い

一方で、黒い吉野家は
・味が濃く、しょっぱい印象
・煮込みすぎなのか、肉が小さくやや固い
・ご飯が固まってダマになっていることがある
・玉ねぎがアメ色で、くたっとしてしょっぱい

かなり対照的だ。しょっぱい味やくたっとしたタマネギが好みの人は、確かに黒のほうがいいのかもしれない。

こうした反響を受けて調べてみると、吉野家には、利用者の間で「黒い吉野家」「オレンジの吉野家」と呼ばれる2つの店舗タイプが確かに存在している。

吉野家の味の違い 公式の回答は…

吉野家によると、これは「店舗デザイン」や「オペレーション(提供方法)」を最適化した新フォーマット店舗(黒)と、従来型の従来フォーマット店舗(オレンジ)の違いだという。

簡単に言えば、席まで配膳されるのがオレンジ、セルフサービス型が黒という違いだ。

では、気になる「味の違い」について、吉野家に問い合わせたところ、次のような回答があった。

「調理方法・盛付方法など調理器具などは一緒のものを使用しておりますのでかわりはございません。店舗フォーマットが異なっても、味・品質・食材スペック・衛生基準などは全社共通となります」

つまり公式見解としては「味に違いはない」ということになる。

それでも、なぜこれほど多くの人が違いを感じているのか。るーぴょんさんは味の違いについて次のようにも語った。

「黒い吉野家はファミレスや食堂、みんなで来る、ゆっくりするのがコンセプトな気がします。そのため出てくるのがゆっくりなんです。私は牛丼しか頼みませんが、定食を頼むお客さんも多いため、前の人が定食を頼むと、私の牛丼はもう作られているのに、時間のかかる定食の後に出てくるから冷めている気がします。2階の店舗はエレベーターに乗って出てくるので、その分時間もかかりますね。

一方で都内のオレンジの吉野家は、牛丼を作る人の気合いがより入っているように思います。私は吉野家のファンなので牛丼を作るのを見るのも好きです。肉をよそうアクションを見てると気合いが入ってる、真剣に作ってるなってのがよくわかります。そしてできたら配膳係の人がすぐ持って来てくれ、それをすぐ食べる、これがうまい! これが、これこそが本当の吉野家だと、オレンジの吉野家に行くたびに思うのです。吉野家は本当にうまいんです」

るーぴょんさんは、材料も作り方も黒とオレンジで同じだと認識したうえで、オレンジのほうがおいしいのだという。それは理屈で説明できるものでもない。

ファンが語る吉野家の違い

「味が違うのは気のせいだと言われたらそうかもしれませんが、オレンジの吉野家こそが昔ながらの、私が18歳のときに初めて食べて美味しすぎてびっくりした、牛丼しかメニューがなかった頃の吉野家の牛丼です。

今の黒い吉野家の牛丼は、色々なメニューの中のひとつという気がします。

ただし、黒でも美味しい場合もあるし、オレンジでもそうでもない場合ももちろんありますよ。来店時間やタイミング、作る人の技量や店によっても違いますからね」

牛丼というシンプルな料理だからこそ、提供のされ方や店の空気、視覚的な情報が、「おいしさ」の感じ方を左右するのかもしれない。

味とは、レシピや食材だけで決まるものではない。出来上がってからどれくらいで口に運ぶか。誰が、どんなふうに作っているのかが見えるか。どんな場所で食べているかもまた、味に含まれる。牛丼をめぐる今回の声は、そんな当たり前のことを思い出させてくれた。

取材・文・撮影/集英社オンライン編集部

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