犬が生理になっているときのサイン3つ 出血中に気をつけたいことや必要なケアとは
おしりをなめる犬

犬が生理(発情・ヒート)になっているときのサインとは

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ほぼ一か月に一度の周期で起こる人間の生理(月経)は、ホルモンの分泌によって成長した子宮内膜がはがれて血液とともに排出される現象です。排卵後、妊娠が成立しなければ、二週間ほどで子宮内膜が剥がれて出血が始まり、それが一週間ほど続きます。

犬の場合の生理(発情・ヒート)は、生後半年から十カ月程度になると開始することが多いようです。

犬の生理は半年から一年未満程度の周期で起こります。発情前期・発情期・発情休止期・無発情期のサイクルで繰り返しますが、人間と異なるのは出血のタイミングです。出血があるのは発情前期から発情期で、これは「発情出血」ともいわれています。犬の排卵はこの発情期に起こります。

なお、犬の生理になっているときサインは次の3つです。

  • おしっこにどろりとした茶褐色の粘液が混じっている
  • 頻繁にお尻や外陰部をなめている
  • 外陰部が大きく腫れている

犬は発情前期に入ると、赤褐色のどろりとした血液を排出します。

最初は少量ですが、次第に量が増えて赤い水っぽい血液となっていきます。この期間はおよそ一週間から十日ほどで、徐々に外陰部が大きく膨らんでいきますが、まだ雄犬に交尾を許すことはありません。

発情期に入ると、出血は赤~薄ピンク色になり、この時期に排卵が起こります。またこの時期になると、雄犬に交尾を許す仕草を見せるようになります。

発情期も発情前期同様一週間から十日ほどで終了し、外陰部の腫れは徐々に収まっていき出血も薄くなっていきます。

発情休止期になると出血も収まり、雄犬を許容しなくなります。

しかし、卵巣にある黄体からはプロゲステロンというホルモンが分泌され続けるため、妊娠の有無にかかわらず乳腺が発達したり乳汁が分泌されたりするようになります(生理的偽妊娠)。

この後、半年から一年ほどの無発情期にはいるわけです。

生理中に気を付けてあげたいこと

犬が生理になっているときのサイン3つ 出血中に気をつけたいことや必要なケアとは
おむつをする犬

出血が見られると、人間の生理痛を思い出して痛いのではないかと心配になりますが、犬の場合は子宮内膜が剥がれる際の出血ではないため、痛みは特に感じないと言われています。

しかし、それでも出血していると、その汚れなども気になるものです。ちょくちょく犬自身が舐めてしまうのも、どうしていいのか分からないこともありますよね。

まず出血中は、外陰部を清潔に保ってあげることが大切です。

汚れを気にしてマナーパンツをずっとはかせてしまうこともありますが、蒸れやかぶれの原因にもなるので、適宜外して通気性を良くしてあげるとよいでしょう。

出血量が少ない子の場合、必要ないかもしれません。

また、汚れが気になるので外陰部を拭いてあげようという方もいらっしゃいます。しかし基本的には、犬自身が舐めてきれいにするので不要です。強く拭き取ろうとすると、皮膚炎を起こしてしまうこともあるので注意が必要です。毛が長い犬種の場合は、短くカットしてあげるのもよいでしょう。

発情期中は食欲が低下することもあるので、食べないような素振りがあった場合は様子を見てあげましょう。

何日も続くようでしたら動物病院へ相談することもよいと思われます。

また、発情期中はお出かけに注意が必要な場面があります。

発情前期から発情期は、ホルモンの影響で雄犬を引き付けるにおいを発しています。雄犬は発情期のにおいを嗅ぐと興奮し、飼い主の制止を振り切って飛びついてくることもあるので、期間中はほかの犬と遭遇しにくいルートを選ぶようにすると安全です。ドッグランも発情期中は控えましょう。

生理の出血は、二週間から三週間ほどで収まります。

しかし、出血が長期間収まらない場合は膣の炎症、卵巣の病気などが考えられるため動物病院を受診しましょう。

また、発情期が終わっても食欲が回復せず、多飲多尿が見られる場合は、黄体ホルモンの影響で糖尿病を引き起こしていることも考えられるため受診してください。

まとめ

犬が生理になっているときのサイン3つ 出血中に気をつけたいことや必要なケアとは
聴診器を当てられる犬

今回は、犬が生理になっているときのサインについて解説しました。

ちなみに、発情期と間違えやすいのが「子宮蓄膿症」です。陰部から血のようなものが出ているから発情だ、と思いきや膿が排出されていたということもあるのです。

出血以外に、発熱、元気の低下、食欲不振、嘔吐、多飲多尿などの症状が見られた場合、早めに動物病院へ受診しましょう。