失言から辞任要求へ!WHO【テドロス】事務局長まとめ 世界からの評価を振り返る

失言から辞任要求へ!WHO【テドロス】事務局長まとめ 世界からの評価を振り返る

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で存在感を強めているWHO(世界保健機関)。そのトップを務めるのがエチオピア出身のテドロス氏です。ベテラン政治家でもあるテドロス氏に対しては、手腕を高く評価する声がある一方で、新型コロナへの対応をめぐり辞任を要求する動きもあります。ここでは過去のニュースを引用しながら、一連の動きを紹介していきます。

【テドロス】氏をめぐる問題とは?

2017年にWHO(世界保健機関)の事務局長に就任したテドロス・アダノム・ゲブレイェソス氏。母国エチオピアでは政治家として活動しており、過去に保健大臣や外務大臣を歴任してきました。

それまでの実績を高く評価されて事務局長に選ばれたテドロス氏ですが、2020年に拡大した新型コロナウイルスへの対応や、関連する発言によって窮地に立たされています。

たとえば2020年1月には、新型コロナウイルスについて「人から人への感染はない」と発言し、結果として各国の初動対応が遅れたと批判を受けました。その後も「渡航や貿易を不用意に妨げる必要はない」「パンデミックではない」といった発言や、中国への過大な評価や配慮が目立ち、物議を醸しています。

こうした言動を受け、アメリカでは議員を中心にテドロス氏の辞任要求が出され、トランプ大統領も組織改革を求めてWHOに対する資金供出の一時停止を表明しました。民間レベルでも、有名な署名サイト「Change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」にテドロス氏の辞任を求める呼びかけが掲載され、100万人を超える署名が集められています。

この記事ではテドロス氏の発言とそれに対する反応を中心に、これまでに掲載された記事を振り返ります。

新型コロナを過小評価していたテドロス氏

2020年2月の時点で、新型コロナウイルスについて「致死率は2%」「致命的なウイルスではない」と語っていたテドロス氏。当時は中国以外での感染拡大がそれほど進んでいなかったとはいえ、こうした見立ての甘さが、パンデミックの原因の一つとなったという批判を招きました。

パンデミックを認めたテドロス氏

中国に加え、イタリアなどヨーロッパでも感染拡大が続いている新型コロナウイルス。これまで慎重な姿勢を崩さなかったテドロス氏も、3月11日にようやく「パンデミック」を認めました。

WHOによるパンデミック認定は2009年の新型インフルエンザ以来ですが、今回の判断に対しては「なぜ今頃?」と疑問視する声も上がっています。

台湾と対立するテドロス氏

4月8日の記者会見で「台湾から人種差別を受けた」と明らかにしたテドロス氏。これに対し台湾の外交部は「事務局長に対する人身攻撃を促すことも、人種差別的言論を発表することもありえない」と反発。台湾政府として「発言の訂正や即時釈明、台湾への謝罪を求める」としています。

台湾の著名人たちがクラウドファンディングを開始

人種差別を受けたとするテドロス氏の発言に対して、台湾のデザイナーやユーチューバーなどの著名人も反発しています。4月9日には「真相を世界に伝える全面広告」をニューヨーク・タイムズ紙に掲載するためのクラウドファンディングを開始。10日夜の時点で、すでに95万元(約340万円)以上が集まっているとのことです。

テドロス氏を厳しく評価するトランプ大統領

4月14日、WHOへの「資金提供の一時停止」を指示したトランプ大統領。WHOに対し「基本的な義務を果たしていない」「中国政府に忖度している」と批判する一方、テドロス氏個人についても「よく知らないが、問題のある人間」と厳しく評価しています。

トランプ大統領、テドロス事務局長は「よく知らないが問題のある人」とバッサリ WHO資金拠出停止を検討

テドロス氏の辞任を迫る議員たち

4月16日、米下院外交委員会に所属する17人の共和党議員がWHOに書簡を送りました。内容は「トランプ大統領の決定(資金供出の一時停止)を指示すること」と「テドロス氏の辞任を拠出再開の条件とする」ものです。

ニューヨーク州の住民がWHOを提訴

アメリカの連邦裁判所で、WHOに対し賠償を求める集団訴訟が起こされました。訴えたのはニューヨーク州に住む3名の住民で、その中には医師も含まれています。賠償額については不明ですが、新型コロナウイルスのパンデミックをめぐりWHOが提訴されるのは今回が初めてとのことです。

100万人超がテドロス氏辞任を要求

4月24日、テドロス氏の辞任を求める署名活動が100万人を突破しました。この活動が署名サイト「Change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」に掲載されたのは1月末のこと。テドロス氏が「事態をあまりにも過少評価していた」ことと、「中国政府が報告した死者・感染者数をうのみにした」ことが辞任要求の理由とされています。

最後に

一貫しない言動、中国や台湾に対する姿勢をめぐり国際的な批判にさらされるテドロス氏。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、WHOのトップをめぐる混乱は世界にとってマイナスといえます。テドロス氏とWHOがどのような行動に出るか、今後も目が離せません。

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