「プチプチ」の意外な歴史を探った
プチプチのファッションショーも企画したプチプチ研究所所長・杉山彩香さんと「プチプチSHOP」の副店長・石川良子さん。下は、「ひまつぶし用プッチンスカット」。
包装の緩衝材として作られたのに、何の因果か、日々みんなにつぶされまくっている「プチプチ」。そもそも一般的にプチプチとみんなが呼んでいるものは、実は川上産業の登録商標で、一般名称は「気泡シート」。
この気泡シートをつくっている会社は日本に5社あり、川上産業では50%のシェアを持つという。

「アメリカでプチプチの構造が開発され、当初は何に使うか、その用途を考えたんだそうです。アメリカでは最初は壁紙にしたそうですが、それが売れず、プールの防水カバーにしてもやっぱりイマイチで、コンピュータを包むようにして爆発的にヒットしたそうですよ」
と川上産業のプチプチ研究所所長・杉山彩香さんは言う。
日本では、アメリカでもまだ市場に出回っていないうちに、川上産業の創業者・故川上聰氏が文献を読み、独自で機械を作ったのが始まり。マーケットに浸透した時期は、日本とアメリカほぼ同時期なんだとか。
 
ところで、なぜ人はプチプチをつぶしたくなるのか。
この疑問は、かつてTBS系列「脳力探険クイズ!ホムクル」で取り上げられたそうだが、生まれてプチプチを一度も見たことのない赤ちゃん(2歳)が見てつぶしたとか、世界中でつぶされまくっているとか、伊豆シャボテン公園のチンパンジーくんで実験したところ、めちゃめちゃハマったという実験結果があるそうだ。

こんなにもつぶされまくっているなんて、プチプチの作り手としてはどうなのか? と聞くと
「ぜひつぶしてください。どんどんつぶして欲しいです!」と杉山さんはキッパリ。理由は、「ゴミの量が減るから」。

「プチプチはビニールで作られていると思われ、燃やすと有毒ガスが出るイメージをもたれるんですが、本当はポリエチレンで作られているので燃やしても無害なんですよ。当社としては、本当は燃えるゴミに出して欲しいんですが、自治体によって扱いが異なるんですよね」と言う。


ちなみに、「プチプチSHOP」では、正々堂々プチプチをひたすらつぶしまくるだけのひまつぶし・ストレス解消グッズ「プッチンスカット」(231円)も販売中。また、3月25日からは、愛知万博にプチプチでつくる4〜6メートルほどの「プチプチハウス」を出展するとか。プチプチだらけの家ときたら、そりゃもう、つぶされまくりなのでは? 大丈夫? と聞くと、杉山さんは笑顔でこう言った。

「もちろんつぶされるでしょうねぇ。毎日、メンテナンスする予定です」(田幸和歌子)