
このことを知って、「なんて素敵!所沢がうらやましい!」と思った。だってパンダが町を歩いてるなんて、それだけでワクワクするでしょ?!
そこでさっそく、ラッキーパンダのプロデューサー、双団平(そうだんべい)さんに取材し、いろいろと伺ってきた。
はじめたのは、5年程前のこと。世間で物騒なニュースが続いていて、特に双さんの生まれ育った所沢で嫌なニュースが立続けにあった。そんな時、「パンダが町を歩いていたら、きっと楽しいんじゃないか?」と思ったという。宣伝でも何でもなくて、ただパンダが町を歩くだけ。すると、パンダを見つけた町の人たちが喜んで話しかけてくるようになった。
つい先日も中学生の男の子が「今日卒業式なんだよ」と報告してきたり、小さい女の子が「ホワイトデー、2つもらったんだよ」と喜んで話しかけてきたり。大人でさえ、女性が車から身を乗り出して「頑張ってね〜」と叫んだり、道路の反対側で信号待ちするおじさんが「パンダ、頑張れよ!」と声をかけてくれることもあるとか。ラッキーパンダは町の人気者だ。
しかし過去には、悲しいことに、不審に思われて警察に通報されたこともあったという。確かに最近も“ちょっと待ったおじさん”として知られていた人物が、それを利用して小学生の女の子にいかがわしいことをしたなんて事件があったばかりだ。
双さんは言う。「そうした心ない事件があって、身内から辞めた方が良いと言われたこともある。でも辞めたら同じに思われる。所沢は違うんだ!」そして、パンダは歩き続ける。「子どもも大人も純粋に楽しめる、そんなふうになれたら良い」と。
会ったこともない人から、ラッキーパンダの唄を作りたいと申し出があって実際にCD化されたり、双さんが漫画家として地元所沢市の日刊新民報に掲載している「ラッキーパンダ」の4コマ漫画も大好評。ラッキーパンダには自然と人々が集まってくる、そんな魅力に溢れているのだ。双さんが望む「みんながハッピーになること、そして世界の平和」は、双さんに代わってラッキーパンダが叶えているのだろう。小さな幸せをみんなに与えてくれているのだから。
ちなみにラッキーパンダは月に2、3回程度、所沢市の航空公園駅周辺に出没する。