
そんな彼がお届けする心霊写真のガチャポン、というのを都内で発見した。おずおずとカプセルを開けると、入ってたのは紙だけ。
「あれ? カタログだけじゃん」
と思ってよく見ると、カタログと思ったものは「お札」で、一緒に4×6センチ大の心霊写真が5枚入っている。それぞれ写真の裏には解説が書かれているが、「子どもの後頭部に別の顔が……」「運動会、子どもの足が消えて……」「ベッドの猫の上の方に子どもの顔が……」ってもう、見出しだけでゾーッとするではないか。一枚一枚に「心霊ポイント60」だの「心霊ポイント2000」だのと、どこかしら陽気な評価点数表示もあるが、そんなことで気分が軽くはならないぞ。そもそも印刷の「お札」が一緒に入ってるだけで、大丈夫なのだろうか。
稲川淳二事務所に問い合わせたところ、
「え? 数年前に出たものなので、もう発売されてないと思いますけどねぇ」という返事であった。これらの写真は、かつて94年にリイド社から刊行された、『稲川淳二の「秘蔵」心霊写真』という本に掲載されたものを転載したのだとか。
「以前、やるせなすが『とりあえずイイ感じ』という番組のなかで心霊写真の地を訪ねる『ガチャポン心霊の旅』という企画をやったんですが、やるせなす・中村さんがあまりに心霊体験に遭うもので、それ以来、『心霊タレント』といわれるようになったんですよ」
そんな「ちょっと余談」も教えてくれた。
残念ながら、そんな事情で現在はガチャポンは入手困難なようだが、欲しい人はモト本を探してみよう。同じ写真が載ってるはずです。
(田幸和歌子)