日本にも昔から「ハロウィン」があった!?
日本のハロウィンは、「ローソク出せやー」が合い言葉?
先日、家に遊びに来た友人カップルが、こんな気になる話をしていた。
「子どもの頃、お菓子をもらいに、ひとの家を訪ね歩くハロウィンみたいな行事があったんですよ」
と言うのは、山口県萩市出身のOくん。
萩市の中でも一部地域のみで行われていたもので、彼の実家はその地域から外れていたため、子ども心に非常に悔しい思いをしたのだと熱弁をふるっていた。

一方、北海道に親戚がいるYさんは、
「北海道にもハロウィンみたいな行事がありますよ。『ローソク出せー』とかいう歌を歌うんですけど」
と言う。
ハロウィンって、ここ数年、日本でも急に浸透してきた印象があったけど、もともと日本にもあったものなの!? 

札幌市観光課に聞いてみると、担当者の女性はネットなどで調べた上で、こんな回答をくれた。
「これは、『ローソクもらい』という七夕の行事です。一般に七夕は7月7日ですが、北海道や仙台では8月7日に行われているんですよ」
七夕!? ずいぶん暑い時期だが、内容を聞くと、
「夕方から夜にかけて、近所の子が連れ立って近所の玄関先に行き、『ローソク出せ〜』などと歌うと、お菓子や小銭をくれるというものです」
と、そのまんま「ハロウィン」である。カボチャとは無縁のようだけど。
実際、担当の女性も「子どもの頃からやっていたので、当たり前にあるものだと思っていた」と言っていた。

この「ローソクもらい」は、札幌以外にも北海道の広い地域で今も行われているそうで、
「少なくとも30〜40年前にはあったみたいですね。特に誰かが仕掛けたとかではなく、自然に根付いたもののようです」
とのこと。
この歌も、北海道内の地域によって若干異なるが、「ローソク出ーせ 出せやー 出ーさないとかっちゃくぞ(「ひっかくぞ」) おまけにかみつくぞ」といった内容のよう。

北海道ではポピュラーのようだが、他にも冒頭の萩市の一部地域や、京都にもある説があったりと、意外と昔から地域で行われていたらしい、日本版ハロウィン。

アナタのまちではどうでしたか?
(田幸和歌子)
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