「そうめん」と「ひやむぎ」事情
揖保乃糸のそうめんは三神、特級、縒つむぎ、上撰、上級と5等級にわかれる
まだまだ暑さが厳しい今日のこのごろ。食欲があまりない人も多いのでは?

そんな夏の定番メニューといえば、そうめんやひやむぎ。
ところで、そうめんとひやむぎの違いってなんだろうか? 見た目の違いは、ひやむぎの方がそうめんより太いということくらいだけど……。

そこで、揖保乃糸を販売している兵庫県手延素麺協同組合に問い合わせてみると、
「以前は日本農林規格及び品質表示基準によって、麺線の直径が1.3mm未満のものが『そうめん』、1.3mm以上1.7mm未満が『ひやむぎ』、1.7mm以上のものが『うどん』とされていました」
と違いはやはり太さ。

ところが、現在は少し事情が変わっているという。
「2004年に手延べそうめん類の日本農林規格及び品質表示基準が廃止され、新たに手延べ干しめん日本農林規格(特定JAS)が制定されました。品質表示基準は従来の機械麺の乾めん類品質表示基準に統括されました」
それによると、機械麺の区分けは従来通りだが、
「手延べ干しめんの区分けは、1.7mm以上が『手延べうどん』、1.7mm以下のものは『手延べひやむぎ』、『手延べそうめん』のどちらでも記載できるとされています」
ちなみに手延べとは手作業で麺生地を細く引き延ばしていく製法。対して機械製では、薄くした生地を機械で切って細くする。


つまり、手延べ干しめんに関していえば、そうめんとひやむぎは法律上の違いはなくなったということだ。とはいえ一般的に販売されている商品を見ると、ひやむぎの方がそうめんより太いものが大半だが。

また、揖保乃糸では「手延べそうめん」と「手延べひやむぎ」の両方を販売しているが、太さのほかに、原材料の小麦粉も違う。
「そうめんは喉ごし・麺のコシを大事にした小麦粉を使用し、ひやむぎは歯ごたえ、特にモチモチ感やソフト感を重要視した小麦粉を使用しております」
そうめんには小麦粉の質や原材料や麺の細さ、製造時期などの違いによって、いくつかの等級があり、帯の色で区別できるようになっている。一番メジャーなのは赤い帯の「上級」。

似ているようでやっぱり違う、そうめんとひやむぎ。
あなたはどちらがお好みですか?
(古屋江美子)