エアコン温度の上限・下限は何度か?
我が家のエアコンもたぶん10年モノ。まだまだがんばって。
「エアコン壊れて最悪でさぁ〜、電気屋でみてもらったら『熱くなりすぎて焼き切れた』っていわれたんだけど、ホント死にますよ、金魚だって煮魚になりますよ」
友人(女)からの怒り爆発の電話がきたかと思ったら、別の知人や友人、親類などからも、「エアコン壊れた」の知らせが、立て続けにきた。

毎日毎日、がんばって働いてくれてるエアコン。

こう暑いと、持てる限りの力を出し尽くし、限界ギリギリを超え、殉職してしまうのだろうか。
「エアコンが働くのは外気(室外機周囲温度)が42度くらいまでしか想定されてないらしい。それ以上になると、もう冷やせなくなるらしいよ」そんな話(噂?)も聞いた。
本当か? そもそも家庭用エアコンの温度設定の「上限」「下限」はどれくらいなのか。

家電量販店で設定温度を確認してみると、私が見た限り、
・16℃〜30℃ 三菱、サンヨー、日立
・17℃〜30℃ 東芝
・18℃〜30℃ 富士通
・18℃〜32℃ シャープ
という感じだった。

メーカーによって若干の違いはあるけれど、意外と幅が狭い……。これはなぜなの? 冷房コーナー担当者に聞いてみると、
「なぜかというと、それぐらいが限界だからですよ」とキッパリ。
それより暑くOR寒くはできないもの?
「実際には16℃に設定しておいて、14℃ぐらいまで下がることもありますが、やはり上限も下限もこのくらいですね。温度設定というのは、実は『室温』ではないんですよ。では何かというと、壁や反射なども含めた相対的な温度、体感温度とでもいいますか」

部屋の温度を下げるためには、室外機から熱を放出しなければいけないのだが、暑くなりすぎると、モーターが保護状態になったりして、熱を外に出せなくなるのだとか。
じゃ、外気が42度以上になると、もうエアコンは働けないって本当ですか?
「そんな場合もありますね……。ただ、これは建物による限界もあります。
たとえば、鉄筋のしっかりした壁のマンションなどは14℃くらいまで下げることができても、建物が古かったり、10年モノなどの古いエアコンになると、なかなか下がらないということもあるんですよ」
実際、今年は、暑すぎてエアコンが壊れたという人が、たくさん店に来ているそうだ。

ところで、我が家のエアコンは、28度設定にしても寒すぎて、消すと暑すぎて、つけたりけしたりを繰り返している状態なのだけど、これってもしかして壊れかけ?
「いえ、壊れかけのときは、部屋が冷えにくくなったりしますので、それはないですね。湿度が下がりすぎているのかもしれませんから、湿度調整をするか、もっと温度設定を上げてもいいかもしれません」
ちなみに、室外機の後ろ側にホコリがたまっていると、熱が放出できなくなり、壊れた状態になることもあるとか。
「また、室外機がベランダなどに設置されているマンションは多いですが、その周囲にモノが置いてあったり、塀で囲まれていたりすると、熱が反射し、うまく放出できなくなる原因になりますよ」

どうにも調子の悪い我が家のエアコン、まだまだ暑い夏を乗り切ってもらうために、室外機のケアでもしてみますか。
(田幸和歌子)
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