5年ほど前に購入したノートパソコンなのだが、重いデータのやりとりをすると、「ヒューン」という音をたて、主電源が落ちるのである。
フリーズするでもなく、「重大なエラー」という警告が出るでもなく、いきなりサジを投げるPC。
どこかしら自分の性格に似ている気もして、不自由ながら愉快に付き合ってきたが、自作PCも所有するPCに詳しい友人や、SEの友人など、いろいろな人に見てもらったものの、「電源が落ちるというケースはあまり聞かないね」と、その原因はわからないままだった。
ところが、先日、友人のITコンサルタントに同じように相談したところ、こんなショッキングなことを言われたのである。
「それ、ホコリがたまってるのかも」
実は友人自身も、赴任先のインドから帰国した後、PCを使用している最中に電源が落ちるという現象に見舞われたのだそうだ。
「購入して3年ぐらい経つから、寿命かと思ったんだけど、PCを触ってみるとものすごく熱くなっていて、よく見ると、ファンのところにホコリがたまってて……。それで、掃除したら、全然電源が落ちなくなったんだよ」
げっ!? ホコリが原因!? だとしたら、恥ずかしすぎます……。
実際にチェックしてもらったのだが、ドライバーで裏ブタを開き、CPU周りの冷却ファンを見た友人が放ったのは、こんな一言だ。
「やっぱりかなり詰まってるね〜」
ギャー!! まるで自分の耳垢でも見られているような恥ずかしさ。
友人は手際よく、ファンの部分のホコリを爪楊枝と綿棒で取り除いていき、ティッシュにのせていったのだが、出るわ出るわで、とれたホコリは写真の通り。
「うわっ、きったねえ……」
肩を落とす私に、それでも友人は、同情からかこんなことを言ってくれた。
「PCってもともとホコリがたまりやすいんですよ。使用していると熱くなるのを、冷却ファンで冷やそうとすることで、周囲のホコリを吸い込んでしまうから。
慰められてるのか、おどされてるのかわからなくなってきた。
ちなみに、一般的に「PCは3年で不調になる」とも言われるが、「ホコリが原因となっているケースもけっこうある」とのこと。
「重いデータの処理などをすると、PCが熱くなるから、ファンで冷やすようになっているけど、ホコリがたまってつまってしまうと、内部がどんどん熱くなっちゃうでしょ? そうすると、これ以上熱くならないように、電源が落ちるとか、そうでなくとも、処理のスピードを落とすようになっているんですよ」
こうして、自分の恥部をさらけだしたような恥ずかしさを味わった後、PCは電源が落ちることもなくなり、ファンの音もずいぶん静かになった。
おそるべし、ホコリ! ホコリをとりのぞくだけで、こんなにも快調になるなんて。
ただし、PCに強くない人は、中を開いて掃除するのは非常に危険な行為ですので、詳しい人にみてもらったほうが良いと思います。
(田幸和歌子)