
現在も『ドカベン スーパースターズ編』が連載中だが、幾度となく劇的な場面で、「グワァラゴワガキーン」は飛び出してきた。
現在まで、どのぐらいこの「グワァラゴワ〜」は登場してきたのか。『ドカベン』全48巻(以下“無印”)、『大甲子園』全26巻、『ドカベン プロ野球編』全52巻、『ドカベン スーパースターズ編』19巻まで計145冊、岩鬼の打席をチェックしてみた。死んだ。
まず意外だったのが、「グワラゴワガキーン」どころか、「グワキーン」とか「グワァラガキーン」といった、いかにも岩鬼的な打球音の登場が、思ったよりも遅いこと。当初は悪球打ちしても、「カキーン」という、普通の打球音だった。
最初に出たのが「無印」28巻、1年生春の甲子園で。しかも打球じゃなくて、自分の口で「ぐわっきーん 場外ホームラン」と言っていた(結果はボテボテのゴロ)。初めてちゃんとバットに当たった“音”として登場したのが31巻土佐丸戦の「ぐわらぐわがきーん(サードゴロ)」。なぜかひらがなだ。
その後は、会心の当たりのたびに岩鬼は、グワァラ、グワァキンと、独特の打球音を残すようになるが、冒頭の岩鬼の打球音の象徴、「グワァラゴワガキーン」に到達したのも、記憶より相当遅い。「グワァラゴワキン」「グワァラゴワガキィン」といった、多用で微妙なバリエーションを経ながらの記念すべき初登場は、なんと『ドカプロ』9巻のこと。プロ2年目でとうとう自分の打撃が完成したということにしとくか。
結果発表。
まず、試合での打球音だけにしぼると、一番多かったのが、やはり「グワァラゴワガキーン」で30回。次が「グワァラゴワガキィン」と「キン」の19回。「グワァラゴワガキン」(「ガキーン」と伸びてないのは、引っぱりじゃなく流し打ち系か?)が18ガキン。そして「カキーン」17カキーン。
わざと悪球を投げてもらう打撃練習の時にも、やはり「グワァラゴワガキーン」と、「グワラゴワガキン」が並んで14ガキーン。続いて「カキーン」、そして「グワァラゴワガキィン」。
このほか、「口で言う打球音」、「夢とか回想」、「ベース踏み忘れでアウトになった取り消し打球音」など全部含めた、岩鬼の“ガキーン”総合ランクが、こちら。
<1位「グワァラゴワガキーン」46回、2位「グワァラゴワガキン」36回、3位「カキーン」32回、4位「グワァラゴワガキィン」31回、5位「キン」26回、6位「ギン」13回、7位「ガキィ」12回、8位「グワァラゴワァガキィーン」8回、9位が「グワァラゴワキン」と「グワァキーン」7回>
それにしても細かいバリエーションが多く、冒頭が「グワァラ」系だけで実に42通り(最近「グワァラ夏子ガキィン」というのもあった)、「グワラ系」「グワァ系」など、字数の都合と面倒くささでこれ以上分類しないが、全部で150通りぐらいある。
ちなみに、一番長い打球音が、無印43巻の夏子はんパワーで打ったHR「グワァギャグワァラグワキーン」と、大甲子園1巻の夢の中の場外HR、「グワァラゴワグワァギャギーン」。どっちも投手は不知火。夢の中だが、肩落として「負けた おそれいった おれとはケタが違う 岩鬼はスゴイ」と言わされてるし。
(太田サトル)
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