戦隊イエローは「力もち」か「女性戦士」か問題
「うまそうなカレーたーい」という、声が聞こえてきそうです。ちなみに<a href="http://www.excite.co.jp/book/product/ASIN_4063045676/">『決定版 全スーパー戦隊完全超百科』</a>でわざわざ好きな食べ物のことまで書かれていたのは、キレンジャーただひとり。
『秘密戦隊ゴレンジャー』から続く「スーパー戦隊シリーズ」も、現在放映中の『轟轟戦隊ボウケンジャー』で、いよいよ通算30作目。

歴代数多い戦士のなか、なんといっても印象的なのは、なぞなぞ好きな力もち、カレーをこよなく愛するゴレンジャーのイエロー、“大ちゃん”こと、キレンジャーだ。
7月には、その名も「キレンジャーカレー」という商品も発売された。
しかし、キャラが立ち過ぎたのか、いまだに「イエロー=デブでカレー好き」みたいなイメージで語られることは多い。
とはいえ、戦隊イエローの戦士は、女性戦士も多い色でもある。今のボウケンイエローも女の子だし。

戦隊のイエローは、パワー系/女性、結局どっちのイメージなのか。『決定版 全スーパー戦隊完全超百科』(講談社)という児童向けムックの解説をもとに、考えてみた。


30作中、登場するのは27イエロー。まずキレンジャー、「力もちで、爆弾頭つきがとくい」、あと「カレーがすきだ」という解説。変身前の大岩大太の写真も、カレーをむさぼっているやつだ。
続く2作目、『ジャッカー電撃隊』で、いきなりイエロー消滅。力持ちキャラは、グリーンのクローバーキングが担当している。
4作目の『電子戦隊デンジマン』で、再び「力持ちのイエロー」という割り当てに。

『大戦隊ゴーグルファイブ』のゴーグルイエローは、「力持ちなため、パワーこうげきもとくい」なうえ、黄島太という、名前も写真も太めな男が変身している。ただし、カレー好きとは書いてないが。
結局、「力もち/パワーがある」など力自慢キャラとしての解説があった戦士がキレンジャー含めて計26戦士。色別でいくと、イエローが11で、ブラック8、グリーンとブルーがそれぞれ3と、やはりイエローが一番多い。まずは、「戦隊で力持ちの色はイエロー」は確定。

いっぽう、女性のイエロー戦士が初登場するのが、8作目の『超電子バイオマン』、イエローフォーから。
以後、イエローフラッシュ、ファイブイエローなど、女性イエロー戦士の数は、現在までのべ9戦士。ド定番のピンクの23に次いで、女性戦士で多い色だ。

で、結果。11対9で、現時点では「戦隊イエローは力持ちキャラ」の優勢ということで。

以下、キレンジャー余談。
55話から67話まで、熊野大五郎という男が2代目キレンジャーとして活躍している。

実は大五郎、あんみつが大好物。でも、同じキレンジャーなのに、のちに誰にも「キレンジャーといえば、あんみつも好き」と言われることもなく、「キレンジャーあんみつ」が発売される気配もない。『完全超百科』にも、「熊野大五郎(2代目)」と、写真と名前があるだけで、解説なし。しかも、敵怪人のカンキリ仮面のカンキリが腹にささって殉職、そのまま大ちゃん復帰。

せつない。
「あんみつが好きなキレンジャーもいた」ということぐらいは覚えておいてあげよう、みなさん。

(太田サトル)