髪の毛ばかりがなぜ伸びるのか?
ひとくちに髪といっても人によって髪質はさまざま
最近、美容院に行く時間がなく髪の毛がイマイチきまらない。それにしても数ある体毛のなかで、なぜ髪の毛ばかりがこんなに伸びるのだろう? 眉毛や鼻毛は、多少の個人差はあれど、ある程度の長さになるとそれ以上は伸びないのに……。


そこで、とある毛髪のアドバイザーに聞いてみると、
「髪の毛といえども、いつまでも伸びるわけではないですよ」
なんでも髪の毛の寿命は平均4〜6年。髪は1カ月に平均約1cm伸びるため、だいたい70〜80cmが限界。そこまでくると髪は自然と抜け落ちてしまうのだそう。ちなみに髪の寿命は女性のほうが多少長め。

でも他の毛がそこまで伸びないのはどうしてなんでしょうね?
「それについては科学的には証明されていないのですが……」
と付け加えたうえで、一般論としてこんな話をしてくれた。
「人間は進化の過程で体毛を失ってきました。
必要な部分に必要な量の毛を残しているんでしょう。一般的に頭髪が濃く、長いのは、やはり大切な部分を守るためでしょうね」

ちなみに赤道に近い紫外線が強い国の人の髪は、チリチリとしたクセ毛であることが多いが、やはりそのほうが紫外線から頭皮を守る効果が大きいのだそう。また空気の汚い都会に引っ越したら、鼻毛が伸びるようになったなんて話も聞く。やはり環境に適応しながら毛も変化していくということなのだろう。

「もちろん今後の進化の延長のなかで、頭髪もなくなっていくことも十分ありえますよ」
確かに現在では帽子やヘルメットを被るなど、頭を守る方法はいくらでもある。そういえば映画などに出てくる宇宙人。
基本的には地球人より進化している設定だが、髪の毛がない姿が一般的だ。もしかしたらいずれは私たちも……?!

進化の過程のなかで、様々な要因を取り入れながら変化してきた人間の毛髪。ほかにも体毛にはセックスアピールとしての役割もあるといわれ、実際に動物はオスの方が体毛の濃いことが多いのだとか。

今後、私たちの毛髪がどうなっていくのかは、まさに神のみぞ知る、ということのようです。
(古屋江美子)