スタジオジブリの作品、どれくらい観ていますか?
家には姉が昔買っていたジブリ作品のビデオが何本かあった。いつでも観られると思うと、観ないもんですよね?!
『となりのトトロ』といえば、おそらく日本人のほとんどが存在は知っていると思う。実際に映画を観た人も、かなり多いだろう。


私はその『となりのトトロ』を昨年になってやっと観た。だからそれまでは“まっくろくろすけ”とか“ネコバス”とか、なんとな〜くしか存在がわからなかったし、実際に観てみて、トトロが言葉を発しないんだということに驚いてしまったりして。

そういえば『風の谷のナウシカ』を観たのも27歳ぐらいのとき。友だち同士でこの話をしていたら「子どもの頃、よく観るのを避けてこられたね」といわれた。たしかに、『風の谷のナウシカ』は今まで何度となくテレビでも放映されてきた。でも、なぜか観ないで過してきてしまったのだった。


そんな私は、友人や仕事の集まりなどで、スタジオジブリ作品の話がでる度、苦笑いしているしかなかった。話が盛り上がるにつれ、輪に入れないので、自分は世の中の常識を知らないのか? なんて気持ちになってしまったほど。 

ただ決して、アンチジブリなわけではない。『ナウシカ』も『トトロ』も観たときは号泣し、やっぱり良い作品なんだな〜としみじみ感じた。

でも、ジブリ作品をあまり観ていないということで、どこかに感じるこのプレッシャー?! 実際、まわりの人たちはどれくらい観ているものなのだろうか。そこで、ジブリ作品をどれぐらい観ているかについて、20・30代の男女15人に聞いてみた。


作品を改めてだしてみると、けっこう数が多い。当時『火垂るの墓』がジブリ作品だとは知らなかったけれど、小学生時代に何度か観ていた。あと『もののけ姫』もDVDを借りて観たことがあるので、私が観た作品は計4本。やっぱり少ないかも。

まずは、それぞれの人が観たという作品で人数を出してみた。以下のとおり(自分も含む)。


『風の谷のナウシカ』  15人
『天空の城ラピュタ』  14人
『となりのトトロ』   13人
『火垂るの墓』     13人  
『魔女の宅急便』    13人
『おもひでぽろぽろ』   6人
『紅の豚』        9人
『平成狸合戦ぽんぽこ』  7人
『耳をすませば』     8人
『もののけ姫』     10人
『ホーホケキョ となりの山田くん』 4人
『千と千尋の神隠し』  12人
『猫の恩返し』      6人
『ハウルの動く城』    8人
『ゲド戦記』       4人

やはり『風の谷のナウシカ』が一番多い。聞いた中で『ナウシカ』を観ていなかったのは一人だけで、逆に見てない方が珍しいということになる。

あとは、ナウシカにつづいて定番と思われる『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』『魔女の宅急便』もほとんどの人が観ていた。

『ホーホケキョとなりの山田くん』はいわゆるジブリ作品とはちょっと違う気がするけど、これは『ゲド戦記』と並んで少なめ。あとは話題になった『千と千尋の神隠し』をのぞいて、最近の作品が少なめなのは、みんなが年を重ねたことにあるのかも?!

続いて、一人当たりが観た本数をチェック。以下のようになった。


1本 → 1人 / 4本 → 1人 / 5本 → 1人 / 6本 → 2人 / 7本 → 2人 / 8本 → 2人 / 9本 → 1人 / 12本 → 1人 / 13本 → 1人 / 14本 → 1人 / 15本 → 3人

わりとばらついたが、私も含め16人中、3人が全15作品を観ていたのは驚き。彼女たちにいわせれば「ジブリが新しい作品をだす度に観るのは当たり前」とのこと。

その中の一人は、小さい頃、同じマンションに“仲良しご近所さんグループ”があり、その親子同士みんなで
ジブリ映画を観に行くのが通例行事になっていて、物心ついた頃から「ジブリ作品が公開されたら観にいくもの」という感覚が身についてしまってるのだとか。

一方、『千と千尋の神隠し』の1本しか観ていないという友人いわく、「最近はディズニーも苦手で、理屈じゃないけど、なんとなくファンタジーアニメ的なものがダメなのかも。でも、ひねくれものだと思われるからあんまり他人にはいわないけどね」とのこと。どこか気を使ってるみたい。


また「『ナウシカ』でいう○○みたいな、とか形容する人がたまにいるけど、そんなに真剣に観ていなかったからよくわからず、つい薄い反応をしてしまい、覚えてないなんて信じられない! という顔をされることがある」という人も。これは私の体験と似ている。

面白かったのは、観た中で好きな作品をあげてもらったところ、今回たまたまかもしれないが、たくさん観ている人に限って『耳をすませば』が一番好きと答えていたこと。キュンとする作品なのだそう。通称『耳すば』の話題になると、「あのシーンがよかった」「聖司くん(主人公の恋の相手)のここが好き」「引き出しからカロリーメイトを出して食べたくなるんだよね」などなど談議がはじまり、主題歌『カントリーロード』を歌い、熱唱して終わるのだとか。

この熱さはガンダムに似たものを感じる。
まあ、好きなものを語ると熱くなるのは、どんなことも同じだろうけど。ジブリ作品をあんまり観ていない私は、彼女たちの話にどんどんついていけなくなっていくのでした。そろそろ『ラピュタ』からちゃんと観ようかな。
(田辺 香)