ビフィズス菌、ヨーグルト全てに入ってないの?
ヨーグルトの意外な事実が発覚!?
「すべてのヨーグルトにビフィズス菌が入っているわけではないことをご存じですか?」
「え〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ!!??」

ご存知、谷原章介が登場する森永乳業「ビヒダスヨーグルト」のCM。
初めて見た瞬間に、主婦役の女性と同時に「え〜〜〜っっ!!??」と叫んじゃった人、けっこういるんじゃないだろうか(私もその一人だ)。


すべてのヨーグルトにビフィズス菌が入ってないとなると、じゃあ何の菌が入ってるのかなど、いろいろ気になってくるけど……。森永乳業に、そもそものCM制作のきっかけを聞いた。

「他のプレーンヨーグルトとの差別化をするために、どのような表現をとるべきか、社内でも議論しました。また、十数年ぶりの広告ということで、強いメッセージでなければならないという条件もありました。そんななかで、『どのヨーグルトにもビフィズス菌が入っている』と誤解しているお客さまが多いことが調査結果でわかり、『すべてのヨーグルトにビフィズス菌が入っているわけではない』(入っていないヨーグルトもある)というメッセージが最もインパクトがあると判断し、採用したんです」

実際に、ビフィズス菌が入ってるかどうか、ほかに何の菌が入っているかの見分け方については
「各メーカーによって異なりますが、独自に研究されている菌など明記されていることが多いようです」とのこと。

ちなみに、現在、市販されているヨーグルトの多くは、「ブルガリア菌」と「サーモフィルス菌」から作られており、ビフィズス菌は含まれていないのだそうだ。


そもそも「ヨーグルト」の定義については、コネタの「植物性ヨーグルト」記事でも触れたが、「乳等省令(乳及び乳製品等の規格に関する省令)の定義(はっ酵乳)」で以下のように定められている。
「乳又はこれと同等以上の無脂乳固形分(牛乳から水分と乳脂肪分をぬいた成分)を含む乳等を乳酸菌又は酵母ではっ酵させ糊状又は液状にしたもの。またそれらを凍結させたもの」
「成分規格 無脂乳固形分8.0%以上 乳酸菌又は酵母数(1ml)1000万以上 大腸菌群陰性」
定義のアレコレは正直、素人にはよくわからないが、「ビフィズス菌」が、カラダに良いということ、本来ヒトや動物のおなかにもっとも多い善玉菌ということくらいは、たいていの人が知っている。

だったら、どのヨーグルトにも入れればいいのではないかと、逆に思えてくるのだが……。
「ビフィズス菌は酸素を嫌う性質があり、ヨーグルトがはっ酵する前に死んでしまうことも少なくありません。そのため、腸の中まで生きて届くビフィズス菌を開発するのに、長年にわたる研究が必要になったんです」

「ヨーグルトにビフィズス菌が入ってる」のは、実は当然のことではなく、長年の研究・努力の賜物なのでした。

(田幸和歌子)