豆乳ドーナツ、豆腐ドーナツ、おからドーナツなどの大豆系から、かぼちゃドーナツ、さつまいもドーナツなどの野菜系まで、今はヘルシーなドーナツがポピュラーになってきた。
そんななか見つけた変わり種は、「ぱたーた」(東京・西荻窪)の「じゃがいもドーナツ」。


じゃがいもでドーナツというと、じゃがいも餅みたいなものを思い浮かべるけど、甘いの? しょっぱいの?

実際に食べてみると、外側はカリッとしていて、中はもっちり、優しい甘みである。
ゴマとじゃがいもの皮も入っていて、それがなんとも香ばしく、粗塩を少しつけて食べるのも楽しい。

知ってしまうと、今までなぜこの発想がなかったのか不思議に思えるくらいだが、開発のきっかけは? 代表の長屋淳子さんに聞いた。
「じゃがいもドーナツを作り始めたのは、もう20年ほど前から。最初は自分の子どもたちのおやつに作っていたものなんですよ」
食事もおやつもなるべく手作りのものを心がけていたなかで、じゃがいもに着目したのは、
「どこの家でも常備されていて、身近な食材だから」。

販売を始めたのは、平成7年からで、最初は岐阜の山奥で仲間と起業し、平成16年に独立。
今年5月に東京進出を果たした。
モチモチした食感の理由は、原材料の半分以上をじゃがいもが占めていること。また、こねる際に、空気をたっぷりふくませるようにしていることだそう。
「単純作業ですが、手間はかかりますね。じゃがいもを茹でてつぶし、生地を作るんですが、じゃがいもがたっぷり入っていて固いので、こねるのが大変なんです」

原材料には国産じゃがいもと国産小麦粉、卵、バター、ごま、牛乳のほか、ミネラル豊富で虫歯になりにくいといわれる粗糖、アルミフリーのベーキングパウダーを使用するなど、「体に優しいおやつ」を心がけている。
「ジャガイモはビタミンやミネラル、食物繊維などが豊富で、なかでもいちばん栄養があるのは皮のあたりと言われています。
ですから、たわしできれいに洗って皮も入れるなど、じゃがいもを丸ごと全部使っているんですよ」

じゃがいもドーナツは、1個150円。店頭での販売のほか、通信販売も行っている。
今後、ヘルシーなドーナツのひとつの定番になる日もくるかも?
(田幸和歌子)