マウスパッドが、どうも苦手だ。
これまでいくつか使ってみたものの、どうにも使い心地が悪く、いろいろ試して、結局、たどり着いたのが、「書店カバーのかかった文庫本」である。


これ、周囲の人には「うわ、さすが大雑把……(引き気味)」とか「100均にもマウスパッド売ってるよ」とか、いろいろ言われるのだが、そんな自分にも、ささやかなこだわりはある。
書店のカバーなら節操なくどれでも良いわけではなく、「○○書店はすべりが良すぎる」「△書店はちょっとつかえる」など、使用感は様々で、ベストは、出身地・長野の「平安堂」のものという結論に至っている。
見た目の悪さを除くと、実に便利で、急な電話で、近くにメモ用紙が見つからないとき、メモをすることもできる。

とはいえ、やはりズボラの象徴のように思え、他人には言えないでいたのだが、ふと知人・友人に聞いたり、調べてみると、実はこれは珍しいわけではなく、「紙をマウスパッドがわりにしている」という人はけっこういるらしいことがわかった。

ざっと挙がったのは、以下のようなもの。
「適当な紙を使ってる」「コピー用紙を敷いている」「ノートを敷いている」「単行本を使ってる」「ダンボールが、ほどよい摩擦で、ちょうど良い」「マウスパッドの調子が悪くなって、『新しいのを買わなきゃ』と思っていたとき、OA用紙を代用してみたら、使いやすくてそのままになった」「いつもカッティングマットの裏側を使っている」、さらに、私と同じく「紙のブックカバーを使っている」という人もいた。


なんだ、紙で全然問題ないんだよね? とは思いつつ、ちょっぴり気になり、PCに詳しいITコンサルタントに聞いてみると……。
「結論から言うと、マウスの操作に問題なければ、紙や本でも大丈夫です。ただし、光学式のマウスはつるつるした紙や模様がある紙だと誤動作することがあるので、できればマウスパッドを使ったほうがいいですよ」
そして、「こだわらなければ100円ショップのマウスパッドで充分」としつつ、「マウスを動かしたときにマウスパッドも動かないように、裏が滑りにくいのがベストです」というアドバイスをもらった。

ちなみに、フランスの紙製品ブランド・RHODIAの方眼メモパッドのように、裏面に滑り止め加工がされている「マウスパッド」をはじめ、マウスパッドにメモがとれる商品、メモがはさめるマウスパッドなども、いろいろ販売されている。

マウスパッドを紙で代用する人は、ちっともヘンではないようでした。
(田幸和歌子)