デアゴスティーニ・ジャパン社が週刊・隔週で刊行している分冊百科や付属パーツを組み立てる“パートワーク”と呼ばれる出版物たち。「デ・ア・ゴスティーニ♪」のフレーズで締めくくられるテレビCMを一度は見たことがあるかもしれない。
新しい出版物がリリースされるたびに、「おっ、今度はそうきたか」と好奇心をそそられてきたが、今回のリリースを見て、今までで一番、ココロを揺さぶられた。

それは1月27日に創刊される『週刊 安土城をつくる』。あの戦国時代の武将・織田信長の居城「安土城」を、毎号付いてくる木製パーツで組み立てていくといったシロモノだ。

織田信長の世界観が具現化された安土城天主は、各階ごとに異なる外観、色彩の鮮やかさなど絢爛豪華という意味で一番好きな城。琵琶湖湖岸にそびえ立つこの安土城を当時の人々がどのように感じながら仰ぎ見ていたのか、と思いを馳せるのも楽しい。

そんな「安土城」の模型を自らの手でつくることができるという。
デアゴスティーニ・ジャパン社・広報部の遠田尚美さんに詳しいお話を伺ってみた。

「当社はもともとドールハウス、帆船、機関車、戦艦など多くの組み立て商品を発売してまいりました。また、歴史に関する商品も数多く出しており、その両方の読者の方々からの要望で、日本の城を組み立てる商品を開発することになりました」

どうして今回、数ある城の中でも安土城を選択したのですか?

「安土城は、築城後3年で消失してしまったいわば『幻の城』であり、歴史上の人物でも特に人気の高い織田信長が築城した画期的な構造を持つ城です。今回、最新の研究に基づく設計図を採用したことにより、建築構造上最も現実性の高い設計で安土城を復元することができました」

安土城の外観や構造については、様々な解釈があるが、この復元設計図は広島大学大学院の三浦正幸教授により、最新の時代考証と安土城跡地の発掘調査を元に復元・設計されている。

驚くべきは、この模型の大きさ。5層6階建て、高さ53cm×幅58cm×奥行き52cmの90分の1のスケールで、刊行号数は全110号! を予定。
週刊なので、完成までには2年を越える!? まさに“築城”と呼ぶにふさわしい壮大さ。部屋に飾っておけば間違いなく他人に自慢できる一品だ。

開発・製作にあたってのこだわりのポイントは?

「外観のみならず、城の構造、内部のすべての部屋まで復元された、木製の本格模型です。また狩野派が描いたといわれる障壁画や襖絵、天井画までも精巧に再現。柱や梁、垂木の1本1本にいたるまで緻密に復元された、建築模型と呼ばれるほどの完成度の高い模型です」

木製パーツのほとんどが実際の城建築と同じ“はめこみ式”なので、模型作りがはじめての人にも組み立てやすくなっているそうだ。また、完成後も内部を観て楽しめるよう、左右と各階層ごとに分割できる設計になっている。


この模型、最上階の6階から組み立て作業が始まるところがニクい。最も華麗な上層部を組み立ててしまうと、いやがうえにも創作意欲が高まってしまいそう。

マガジンには、パーツの組み立て方はもちろん、復元設計図の裏づけとなった情報から、織田信長の生涯、日本の有名な城、信長ゆかりの人物像などが豊富な写真や資料とともに網羅されている。
そして、創刊号にはおなじみの!? 特別付録DVDでは、実際の組み立て作業の様子や、安土城の歴史、模型の特徴まで、CG映像や、三浦正幸教授のコメントとともに、詳しく紹介されている。同DVDでは、各階の紹介や襖を開ける模様も見られ、その細やかさにはビックリ。

また、創刊号から30号までの応募券を集めることで、「ミニチュアフィギュア装飾セット」を手に入れることができる。
織田信長、金屏風、駕籠から甲冑や刀、槍といった武具のミニチュアなど11種類、合計31個をもらえるとのこと。フィギュアをもらえば、安土城を舞台に本格的な“人形遊び”も可能!?

『週刊 安土城をつくる』は、創刊号は特別価格で税込590円、2号以降は税込1490円、全国の書店、ウェブサイトで購入することができる。

安土城築城を手がけた宮大工・岡部又右衛門を主人公にした映画『火天の城』も公開されるこの2009年、幻の城・安土城を“築城”してみませんか。
(dskiwt)