地元住民しか知らないマニアックなCMがある。筆者の生まれ育った岐阜県では、中学生くらいの女の子が、「今日わたし誕生日、献血しよう」といい、それに対して友達が、「駅前に、献血ルームがあるよ」と提案し、視聴者を献血へといざなうCMがあった。
関西に移り住んではや数年、筆者の周りにこのCMを知る人はだれもいないが、これを読んでいる中で知っている人、だれかいますよね? ね?

そして、CMと同じように、地方にはそれぞれ独自の新聞がある。旅行にいったとき、旅館に見慣れない新聞が置かれており、思わず手に取ってしまうのは筆者だけではないに違いない。ところでこの地方新聞、地方ごとにどれくらいのシェアを持っているのだろうか? 気になって調べてみると、『今がわかる時代がわかる日本地図(SEIBIDO MOOK)』に、各都道府県における新聞のシェア率が掲載されていることを発見。見てみたら、とってもおどろいた。

何におどろいたかというと、地方新聞が、かなりシェアをもっているということだ。

まず、地方新聞のシェアが日本でもっとも高いのは、徳島県。
徳島新聞のシェアが、なんと82%にものぼるらしい。それ以外で高いのは、石川県(北國・富山新聞70%)、福井県(福井新聞79%)、鳥取県(日本海新聞76%)など。その他、地方新聞のシェアが50%以上を占めていたのは、47都道府県中、22もあった。さらに、地方新聞が最も高いシェアを占めていた都道府県は、47都道府県中、37にものぼる。地方新聞、すごいです。

いわゆる大都市を抱える都道府県でもこの傾向は顕著で、たとえば北海道では北海道新聞が49.3%で1位、京都のある京都府では京都新聞が40%など、大都市でも地方新聞の強さがうかがえる。


反対に、地方新聞のシェアが低い(全体の3番目までに入っていない)のは、茨城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、和歌山県、奈良県、山口県の9つ。都心近くの県が多いのはうなずけるが、それ以外だと4府県にとどまる。

奈良県には奈良新聞、和歌山県にはわかやま新報、山口県には山口新聞など独自の地方新聞があるのだが、現時点では全国紙に及ばないようす。ぜひがんばっていただきたいものだ。ちなみに、これらの新聞を、筆者の独断で紹介してみるとこんな感じだ。

わかやま新報(和歌山県):地域の小さな話題を大きく取り上げるのが特徴。
「シャイだといわれる和歌山人。でもどんどん自分をPRしてみよう」という後押しが頼もしい。

奈良新聞(奈良県):歴史的建造物の多い県だけに、考古学に関する記事が充実。何かと話題の「せんとくん」もたびたび登場するので要チェックだ。

山口新聞(山口県):今年で創刊63年をむかえるベテラン新聞。月ぎめ購読料は2310円と割安。
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現代日本は、まさに、地域密着型の新聞が群雄割拠する、新聞戦国時代なのである。
(珍満軒/studio woofoo)