私はケータイのカレンダー機能をよく使う。スケジュールを書き込める手帳を持ち歩くのに憧れ、何度か購入してきたが、そのたびに、持っていくのを忘れたり、持っていること自体を忘れたりして少しも使いこなせない。
ほとんど書き込まないまま部屋に片隅に置いてある。

そんな人間にとって便利なのがケータイのカレンダー機能。ケータイは持っていくのを忘れることがあまりないので、何かあればささっと記録しておくことができる。友達の誕生日を教えてくれたりもするし、とにかくできる奴だ。

円滑な生活の友、ケータイのカレンダー機能だが、ある時、「来年、再来年の連休はどれぐらいあるんだろう……その次の年は?」と果てしなく未来の連休を追いかけるバカな時間を過ごしていると、カレンダーに終わりがあるのに気がついた。しかも友達のケータイで試してもらったところ、カレンダーの長さが違うのだ。

私のケータイのカレンダーは「2060年12月31日」までとなっている。あと51年!? は使える。一方、友人のカレンダーは「2030年12月31日」まで。差があるものだなーと思い、周りに聞いてまわったところ、以下のようになった。

2015年12月31日(SoftBank 912T)
2020年12月31日(au W61CA)
2030年12月31日(SoftBank 822SH)
2037年12月31日(Docomo SO705i)
2037年12月31日(Docomo P705i)
2060年12月31日(Docomo F882iES)
2099年12月31日(SoftBank 810P)
2099年12月31日(au mediaskin)
2099年12月31日(au W51SH)
9999年12月31日(au W64T)
9999年12月31日(au W54SA)

9999年12月までカレンダーが用意されているケータイって何かアホらしくていいなあ。ちなみに、チャットで友人にカレンダー期限調べをお願いしていて、相手が「あれ? これずっと先まであるよー」というので、「今って何年?」と打ち込むと、しばらく間があって、「3200年だよ」という答えが返ってきたのに笑ってしまった。
私達は何の会話をしているんだ……。いきなり友達が未来人。

ケータイのカレンダーの長さに関して、Docomo・au・Softbankの三キャリアに質問メールを送ってみたが、おおむね「各端末メーカーの仕様になるので」という理由から、回答をいただくことができなかった。

では、と各メーカーに質問してみても、「各通信会社様がお問い合わせの窓口になりますので……」と、たらい回し状態。変な質問でお手数をかけ、申し訳ありませんでした。

そちらは諦め、質問サイトへ疑問を投稿してみたところ、親切な方から返答をいただくことができた。
「設計コンセプトや、クロックカウンタの上限や処理の問題など、理由は様々だと思います。別に、いくつにしなければいけない決まりなんてないわけで」
たしかに。メーカー・キャリア側も何か回答できない理由があるわけでなく、決まりがない以上、回答しようがない、という感じだったのかもしれない。

もうひとつ、「2037年でカレンダーが終わってる端末があるのには、“2038年問題”が関係していると思います」と回答してくれた方がいたのだが、こちらは、「2038年1月19日の3時14分7秒を越えるとコンピュータが誤動作する可能性があるとされる問題」(ウィキペディア調べ)のことで、一時話題になった“2000年問題”と同様、プログラム上の欠陥のひとつ。たしかに、調べた中にも2037年12月でカレンダー終わっているケータイがある! 中途半端な数字だなーと不思議に思っていたが、こんな秘密が隠されていたとは。

また、9999年までカレンダーが用意されている「超未来ケータイ」に関して、反対に気になったのが「始まりはいつなのか」という点。
ひょっとして紀元1年とか…? 試してみると、1582年11月1日からカレンダーが始まっていた。2037年の不思議同様、中途半端な数字には何か意味があるはず。調べてみたところ、現在使われている暦「グレゴリウス歴」が制定されたのが1582年の10月だったから、というのが理由だそうだ! 賢くなった気がする!

一つのケータイを10年単位で使い続けるということはあまりないだろうから、カレンダーが長かろうが短かろうが直接的には関係ないかもしれない。でももし、あなたがめちゃくちゃヒマで倒れそうだったら、友達とケータイを見せ合ってカレンダーの長さ勝負なんていかがですか!?
(スズキナオ)
編集部おすすめ