そのため自給率の低さがしばしば問題にもされるが、その中にあって自給率の高さを誇っているのが日本人の主食でもあるお米。
このお米、生産率は高いが実はあまり海外に出ていかない。その理由はお値段の高さである。そのかわり日本のお米の味のよさは世界でも指折り。
今、日本の米は世界のグルメから注目されているのだそう。
そんな中、輸出ではなく別の方法で海外に出しているブランド日本米があるという。
その名も“神子原米”。これ、日本で初めて、ローマ教皇に献上されたお米なのだ。
献上をスタートしたのは平成17年。献上、それも日本国内ではなく、遠くバチカンに日本のお米が……と、その噂で話題となった。決して安くはない米だが、毎年人気で売り切れも続出。今では幻の米とも言われているそうだ。
神子米の旬は普通のお米と同じく、秋口。
気になるその味は、普通のお米よりも少し小粒で甘味が強めと魅力的。ただし全国に向けて販売されているわけではなく、購入できるのは地元の直売所かネット通販だけだそう。
なぜかというと、年間に700俵ほどしか収穫できないため。つまり、年間収穫量がとても少ないのだ。
そもそもこの地域は急傾斜広がる山村集落。高齢化や離村の波がこの地域にも押し寄せ、さらに傾斜地のため平地のようにたくさんの米はとれない……など、苦難多い米所。
その代わり、水がよく寒暖の差があるため、非常に美味しい米がとれる地域としても知られている。
「この美味しいお米をもっと知ってもらいたい」と言う声、それと地域の活性化のためローマ教皇への献上計画が立てられた。
この地域の“神の子”という名前から、ローマ教皇に献上できないだろうかと大使館に働きかけたのが献上の始まり。結果、平成17年に実現し、献上は毎年行われて昨年で5年目になったそうだ。
気になるのはローマではお米を食べる習慣、調理法はあるのかどうか。
ちなみにローマ教皇はライスボールがお好みだそう。
どんな風に食べられているのかは不明だが、もしかすると日本のお米が遠いバチカンでライスボールになっているのかも……と思うと夢が広がる。
新米の季節はまだまだ先。しかしこんなお米があること、ちょっと覚えておいてはいかがでしょう。
(のなかなおみ)